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根管治療 マイクロスコープ 破折ファイル

根管治療中に使用するNi-Tiファイルは、折れづらい器具ではありますが、金属疲労食い込みによるねじれ破折により折れてしまうことがあります。

では、ファイルが破折した場合、あるいはすでに破折している場合、必ず除去しなくていけないのでしょうか?これにはいくつかの判断要素があります。

1.根管内の感染程度(除去しないと感染は取り除けないか?)
2.破折のタイミング(治療開始時?治療終了時?)
3.破折位置
4.治療環境 ラバーダム マイクロスコープはあるか?
5.術者のスキル


1,2はファイル除去の必要性について、3-5はその術式の難易度の評価として判断に用います。そこに、除去を行った場合のリスクと得られる予後の良しあしを天秤にかけ、患者様と十分に話し合い、治療法の決定を行うべきであろうと当院は考えられています。



先日、1日で2症例の破折症例。いずれも再根管治療症例です。共に感染が残存しており、破折時期は治療初期。破折部位は1症例目では比較的上部。2症例目は根尖部近くの根湾曲部でした。



上顎の大臼歯には歯根が3つあります。そのうちの1つの歯根(近心頬側根)にファイルが残存していました。根管(神経の存在する管)の上部で折れていたこともあり、根管内部は治療されていません。ファイルを除去した上で、しっかりとした根管治療が必要です。あらかじめCT診査で位置も確認してたため、ラバーダムを装着マイクロスコープを使用しました。



2症例目は下顎第2大臼歯の根管治療症例。根管の形態はとても複雑ですが、この歯の根管形態はとても複雑、「樋状根」といい、3つの根管が複雑に癒合していました。このような症例では根管が複雑に湾曲していることもあり、ファイルが折れてしまうこともしばしばのようです。根管の先端深くでファイルが破折していたため、慎重に除去した上で、根管内を洗浄消毒しました。

私も以前は拡大鏡しかなかったのですが、拡大鏡であれば10倍拡大でギリギリ見えか見えないか?でしょうか。その点マイクロスコープは20倍拡大まで拡大観察できるため、治療の難易度を下げることが可能です。当然ではありますが、肉眼では全く見えません。


治療中にファイルが破折してしまうことはしばしばあります。
しかし、
〇 今、この段階では折れてはいけない!
〇 この症例は折れそうなので注意が必要だ!
〇  折れてしまった時フォローできる治療環境は?
リスクを知り、リスクを回避し、リスクに対応できるような知識と技術と治療できる環境づくりが必要です。