歯を削る マイクロスコープ



歯を削りクラウンをかぶせる際には細心の注意をはらい慎重に削り形を整えます。
歯と歯ぐきの境目には「溝(ミゾ)」があります。これを歯肉溝といいますが、その溝の深さは健康な方で1~2mmほどです。歯周病(歯を支える組織である歯ぐきが腫れて骨が溶ける病気)が進行すると、この溝は「ポケット」のように深くなります。4mm以上に深くなった歯周ポケットの状況を歯周病といいます。

歯周ポケットと歯周病の進行状態についてはこちらをクリックご参照ください。



歯を削りかぶせる際、まずは歯周病を完治させた上で、かぶせる治療(=補綴治療)に臨みます。健康な方の歯肉溝は1~2mmといわれていますが、詳しく文献を紐解くと、上記の0.69mmと≒1mmという文献が代表的なものといえるでしょう。そのため、当院で歯を削る際、この0.69mm~1mmという数値を目安に、個人個人の歯周組織の深さと厚みを考慮して(Maynardの分類およびKoisの分類)、歯を削ります。

この原則に従い歯を削れば問題は起こりません。しかし、この範囲を逸脱した位置のクラウンの境界を設定すると、歯ぐきは痩せ、黒くみえてきたり、そこから歯周病やむし歯が再発することがあります。慎重かつ丁寧な配慮が必要となります。(写真はインターネットより引用させて頂いております)


マイクロスコープや拡大鏡を用いることで、その設定位置を明確に設定することが可能です。症例は下顎に義歯を新しく製作する患者様の左下第一小臼歯と犬歯。入れ歯を引っ掛ける歯の再補綴治療です。今後負担のかかるだろう2本の歯の補綴には注意に注意をかさて治療が必要です。いずれは残っている歯に負担のかけない「インプラント治療」も必要でしょう。マイクロスコープで診ることで、これだけ明瞭に歯・歯周組織の状態を観察することができます。


精密なかぶせものの製作(補綴治療)には、精密に再現された模型、そのためには精密な型どりが不可欠です。歯肉溝にシルクの糸を巻き型どりすることで、精密な模型を製作することが可能です。


精密な型どりの後には、適切に調整した「仮歯」を製作し装着します。治療期間中、削ったままでは見た目も悪く、食事もできません。またせっかく整えた「歯と歯ぐきの関係」を維持するためにも「仮歯」は非常に大切です。

当院では再発のしない、徹底した治療を目指し、日々の臨床に取り組んでおります。やり直しのない人生で1度で済む治療。当院の目標です。

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