欠損ドミノ 

歯の治療の目的とは何でしょうか?

「痛みをとって欲しい」
「きれいな歯になりたい」
「噛めるようになりたい」
様々な希望と不安をもって患者さまは来院されます。

歯の治療の大きな目的は、
「咀嚼機能の回復」でしょう。つまりは噛めるようにすることです。

栄養摂取の入り口となる「口」。その働きの主となる「歯」の役割は多大なるものでしょう。

全身の健康のためには、「咬合(かみあわせ)」の回復がとても大切なのですね。

現在は、超高齢社会。
健康長寿が問われる社会となりました。

上図は、武田・林両先生の著書より引用させていただきました「欠損ドミノ」です。

むし歯、歯周病などにより、歯を1本失うことで、他の歯の負担が増加します。その負担は、歯周病とむし歯を悪化させ、「かみあわせ(咬合)の問題を徐々に大きくし、誰もがする「食いしばり(歯ぎしり)」により、その「かみあわせ」は徐々に崩壊します。
加齢による、全身筋力の低下や習慣、態癖なども加わり、その問題がさらに大きく膨らみます。

不適正な入れ歯は、残存歯の負担を軽減するどころか、負担を増加させることとなる場合もあるのです。そのため、現在では、インプラント治療は、その代替治療として大きく貢献しています。

「かみあわせ」の崩壊は、「咀嚼能力の低下」を引き起こします。
よくかめないことで、軟らかい食物を優先的に食することになります。
軟食主体(炭水化物)となった食生活は、肥満、糖尿病、心疾患、高血圧などの生活習慣病を引き起こすのです。そのために
高齢者は、咀嚼能力の低下を原因とする低栄養となることは周知の事実となっています。

このように、
1本の歯を失うこと(欠損)により、ドミノ倒しのように、疾患の連鎖が続いていく。
これを「欠損ドミノ」といいます。

この欠損ドミノの螺旋に入らぬように、一歯一歯の治療を大切にすることがとても大切ですね!