根管治療の成功率 #根管 #根幹 #成功率 #宮崎歯科医院

むし歯が、歯の神経にまで及ぶと、歯の神経の治療すなわち根管治療が必要となります。

根管治療は、「はじめての根管治療 Initial tretatment」と「再根管治療 Retreatment」に分けて考えられています。

現在、根管治療の成功率は、その論文の詳細により異なるが、以下のように捉えられています。

「病変のないはじめての根管治療(未処置の根管への治療)」の成功率は、約90%。

「病変のあるはじめての根管治療」の成功率は、約80%。

「再根管治療」の成功率は、約70%。

「外科的根管治療」の成功率は、約90%。

「再根管治療」では、オリジナルの根管形態が失われている場合、その成功率は47%まで下がり、根管形態が保持されている場合は、87%まであがるといわれています。そのため、可能な限り、はやめに再根管治療をしたほうが予後が良いといえるでしょう。

外科的根管治療では、従来の「裸眼」による成功率は59%であるのに対して、マイクロスコープを使用した方法は94%と高い成功率を達成できると報告されています。

上記以外に根管治療の成功率に影響を与える因子として、
・根尖病巣の有無
・レントゲン上の根尖透過像の有無
→有りで20%成功率が下がる
・5mm以上の根尖透過像は予後不良
・根管充填の質
→根尖から0~2mm以内で根管充填されているものが成功率が高い。
→根尖オーバーと2mm以上アンダー(足りない)は成功率下がる。
→気泡の有無(緊密なる根管充填が大切)
・精密で適合の良いクラウンは予後が良好

因果関係は示されていないが、明らかに成功率に影響を与える因子として、
・ラバーダムの使用
→つまりは、ラバーダムが使用できない歯肉縁下カリエス(極度に進行したむし歯の症例)は、適切な根管治療が不可能であるため、予後が不良となりやすい。
・適切なる根管内部の拡大清掃(IBFより3号以上拡大)

根管治療に100%の成功率はありません。可及的に成功率を上げるためには、術中・術後の無菌的処置、配慮が不可欠でしょう。そしてなによりも患者様の予防・定期検診が、根管治療自体をしないで済むことに多大なる影響を与える因子となるのです。

また、こんな比較をした論文もあります。
①根管治療をした場合
②根管治療はせずに抜歯してブリッジにした場合
③根管治療はせずに抜歯してインプラントにした場合
①~③の成功率を比較した場合、
②のブリッジにした場合より、①の根管治療あるいは③のインプラントにした場合の方が成功率が高かったとする結果が得られています。これらは単純な比較は困難ではありますが、ひとつの指標とすることはできるかもしれません。

宮崎歯科医院では、無菌的配慮のもとラバーダム、マイクロスコープ・拡大鏡の拡大視野下で治療します。


(世界基準の臨床歯内療法 医歯薬出版 より引用)

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