上顎3本ブリッジの奥の歯(赤矢印)が歯根破折(折れて)しまい抜歯となりました。このような症例の場合、その後治療の選択肢としては「入れ歯」か「インプラント」となります。ただしインプラントにはインプラントフィクスチャーを設置するための「骨の厚み」が必要です。しかし本症例ではその厚みがありません。そのため青矢印部の骨の厚みをつくるための骨造成手術「サイナスリフト」+同時にインプラントを埋入する手術を行うこととなりました。
上顎臼歯部のインプラント手術では、その上にある「副鼻腔(上顎洞)」へインプラントフィクスチャーが突き抜けてしまうことは避けなくてはなりません。
上顎洞粘膜を手術により剥離挙上した上で、骨補填材を填入し(上写真 青印記部)、スペースを確保した上でインプラントフィクスチャーを安全確実に埋入します。
上顎洞粘膜を安全確実に剥離するためにはピエゾサージェリーという器具が不可欠。当院ではこのピエゾサージェリー機器をを使用して手術に臨みます。
本症例では青矢印部の残存歯槽骨厚みが4mmほど。サイナスリフトと同時の埋入可能な症例です。同時に行うことで、手術回数を少なく治療期間を半年から1年短縮することが可能となります。