歯頚部断髄法 《歯の神経を抜かずに残すには?》

本動画(後編)では、歯の神経を残す治療の1つ、「歯頚部断髄法」について分かり易く解説致します。

まずは前編をご覧頂ければ、ご理解が深まるかと思います。リンクを添付致します、ぜひご参照下さい。

https://miyazaki-dentalclinic.com/26033

本動画で供覧させていただいております患者様の症例について簡単にご説明させていただきます。

当院にて、深いむし歯治療で歯の神経を残す治療(MTA直接覆髄法)を行った患者様。その3か月後に痛みが感じ、再度受診。その痛みより、歯髄(神経)の部分的壊死・部分的炎症を推断し、その感染・炎症部位を取り除くべく行った治療「歯頚部断髄法」が本動画の内容となっております。

歯の神経を残す治療 直接覆髄法 部分断髄法 歯頚部断髄法 間接覆髄法

1度、神経を残す治療を行い、さらに再度、神経を残す治療を行った症例です。

1度目の治療の様子を以下に添付いたします。ぜひご参考下さい。

本動画のタイムスケジュールを下に添付させていただきますぜひご参考下さい。

00:36 歯髄炎 今と昔 その定義の変遷とは?
02:21 3カ月前の直接覆髄法から歯髄炎。その原因とは何か?
03:40 前回の直接覆髄法とは?今回の歯頚部断髄法とは何か?図解。
04:13 MTAを除去する
04:56 マイクロスコープ画像 歯髄壊死の所見
05:24 断髄法とは?その適応症とは?(ヨーロッパ歯内療法学会の見解)
06:26 壊死した神経を取り除く
07:16 神経は正常?異常?残せる?残せない?その診断基準とは?(Dr.泉、Dr.Ricucciの見解)
08:45 残した神経の洗浄と消毒
09:16 断髄面にMTAの貼薬
09:45 治療後の様子 患者様との会話

むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。以前はその感染によりいったん生じた炎症、つまり歯髄炎はやがて神経全体に拡がり、歯の神経が死んでしまうと(歯髄壊死)考えられていました。しかし現在では、組織学的研究の蓄積、マイクロスコープやMTAといった最新機器の発展に伴って、細菌の感染は徐々に進行するものであり、感染による歯髄壊死も部分的に、そして徐々に進行するということが明らかになりました。そのため、感染・壊死した神経を取り除けば、部分的にでも健全な神経を残すことが可能となっているのが現在の最新歯科治療の現状です。

ヨーロッパ歯内療法学会において「永久歯の不可逆性歯髄炎の治療法として掲載された断髄法」。これは難しすぎますね(笑) 簡単に言えば、『ズキズキ痛む、歯の神経に達する、重篤な炎症を伴った状況でも根管治療をせずに神経を残すには断髄法に可能性がある!』と世界的権威で発表されたということでしょう!

本動画では、そのうちの一つ、「歯頚部断髄法」の1症例について解説させて頂きます。

当院のYoutubeチャンネルでは、患者様だけでなく、歯科学生・歯科医師の先生方もご視聴されていることから、今回の動画は少々専門的な内容となっております。できる限り分かりやすく解説させていただいておりますが、その旨ご理解いただけますようお願い申し上げます。

宮﨑歯科医院 Youtubeチャンネル