1回で根管治療を終了させるのは歯の中の衛生的な点で大丈夫なのでしょうか?

 

1回で根管治療を終了させるのは歯の中の衛生的な点で大丈夫なのでしょうか?

無知で申し訳ないです。

コメントありがとうございます。

皆さんが疑問に思う大変意義あるご質問を有難うございます!55

ご説明させて頂きます。

よろしくお願い致します。

根管治療は、歯の神経にまで達した際のむし歯治療を云います。

むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。

歯を溶かしながら歯の内部へと感染を拡げていくのがむし歯です。

むし歯治療は「歯の内部に感染した細菌を駆除すること」です。

歯の内部には神経があり、その神経のあるスペースを「根管」といいます。

根管は煙突状の構造をしており、その数は奥歯に行くほど増えていきます。

前歯で1本、小臼歯で1~2本、大臼歯で2~4本です。

その根管内部に感染した細菌を取り除くのが根管治療です。

いわば煙突掃除といえるでしょう。

煙突内壁にこびりついたスス(細菌)を洗浄消毒するのが根管治療です。

従来の保険治療における根管治療では、この根管内に薬剤を塗布して根管内部の細菌を滅菌消毒します。根管上部に薬剤を置くことで、その薬剤が気化し、根管内部に浸潤し、歯の神経を殺しつつ、内部の細菌を消毒します。

この方法では根管治療時に最小限の麻酔(もしくは無麻酔)で短時間で治療を終了することのできる利点があります。

根管治療のポイントは、治療中に、治療している歯に唾液が侵入しないようにすることがとても大切です。この方法ならば、薬剤を手際よく交換するだけなので短時間で行えます。

ただし、肉眼と経験に頼った治療であることから実際に根管内部の感染が取り除けているのか否か?を判定することが出来ません。また薬剤の効果を待たなくてはいけないことから、長期間・多数回の治療が必要となるのもデメリットといえるでしょう。

このようにして、多くの患者様をできるだけご負担なく治療を進めているのが従来の保険治療における根管治療です。

ここでお見せした動画はこの方法とは一線を画した根管治療法です。

大きな違いは以下の2点です。

ラバーダムを使用することで、治療中の感染予防を徹底していること。

マイクロスコープを使用することで、根管内のむし歯を精査。徹底除去が簡単に行える。

これにより、複数回必要であった根管治療を少ない回数で終了することが可能です。

確かに、根管内に残留した細菌、象牙細管内に残留した細菌の可能性は否めません。

そのような症例では、複数回の根管治療が必要となりますが、当院では3回程で終了しております。

従来のラバーダムを装着しない肉眼に頼った根管治療では、長期間・複数回の治療を行うことで、それだけ唾液接触による感染機会を多く与えかねません。

歯の衛生的にも優れた根管治療法が、ラバーダムとマイクロスコープを活用した根管治療法、この動画の術式といえるでしょう!

宮﨑歯科医院 Youtubeチャンネル