神経にまで達する程ではない虫歯だったのに何も伝えられずに治療をされてしまったことに悲しみと不信感が募る

先生こんにちは。 私は来週自費で根幹治療を受ける予定ですが正直現実を受け止められないでいます。

初めは保険で虫歯治療の予定でしたが治療途中でラバーをつけられ、何か大事な作業をしてる様子…3〜40分後治療を終えた医師から一言、死んでいる神経を取り、血液が確認されるところまで削り一部は残してありますと。

神経にまで達する程ではない虫歯だったのに何も伝えられずに治療をされてしまったことに悲しみと不信感が募るばかりでしたが、次回全て取ってしまうか、残すか決めてくれと言われ残すことを伝えて3週間後再度治療に行くも医師から失敗してもいいならやりますと言われる始末。

医師は残すことに反対だった為失敗前提でやると言うのです。

あまりの対応にそこでの治療継続は不可能と判断し他の医院を紹介してもらい1時間半かかる自費でやってくれる医院へ行くことになりましたが、そこで撮影したレントゲンでは歯の内部は白く写り、神経が残ってあるべきところも仮の詰め物が詰められている状態でした‥。

そこで電気診断や、冷たい、温かいの感覚をチェックするテストも全く感じず、紹介先の医師の判断は根幹治療しかないということでした。

勝手に神経の処理をされてしまったことも納得いかないですし、あるべきだった神経が実は既になかったなんてあんまりです。 やはり、一度電気診断等で反応がなかったものはもうどうすることもできないのでしょうか。

私の神経にはもうなす術は無いのでしょうか。

治療を受ける前に気持ちを整理したいので教えていただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

コメントありがとうございます。

『大変なご苦労を感じていらっしゃり、現在があるこ』とを伺い知ることのできる文章。しっかりと拝読いたしました。

まず、大前提として、私はどの治療段階でも拝見していないため、これからお話する内容はすべて「推測の域」を出ない、無責任な内容となりかねないことをご理解下さい。
その上で、頂いた文章のみから、その”センテンスだけ”から『私が推測できる内容』をお話させていただきます。

重ねてご理解頂いた上で、ご一読下さい。

さらに、今後の治療内容は、ご選択・ご決断頂いた担当の先生と、十分なるコミュニケーションの元、治療にお臨み下さい。
良くなること、切に願ってやみません。

・治療途中でラバーをつけられ
→治療中に神経に至るむし歯を発見し、その段階で、早々にラバーダムを装着。治療中の感染予防に努めた素晴らしいご判断のように感じています。
ただし、このような事態になる状況を事前にご説明できていなかったことは残念でなりません。

・死んでいる神経を取り、血液が確認されるところまで削り一部は残してあります
→死んでいる神経のみ取り除き、血液循環のある”生きているであろう神経を残す”治療法、『断髄法』を行っていらっしゃいます。
この言葉より、症状はあまりなかったのかもしれませんが、むし歯が非常に深く、そのむし歯を取り除くことで、神経に達し、さらにその感染により、神経が一部死んでしまっていたことが分かります。

通常であれば、一般的な歯科医師であれば、この段階で「根管治療」に移行しますが、おそらく、ご担当頂いた先生には、部分的にでも歯の神経を残す「断髄法」の術式をお持ちだったのでしょう。何としてでも歯の神経を残そうという「気概」が感じられます。

当院では、むし歯が歯の神経に近い場合、あるいは近くにあるだろうと推測される場合、あらかじめ「根管治療の可能性」をお話しています。
これには理由があります。

①患者様には自覚・症状がなくても、病状は進行しており、根管治療をした方が、予後が良い可能性があること
②もし、部分的にでも神経を残す「断髄法」を行うならば、その神経の生存率は当院で7割。つまり3割はのちに根管治療になる可能性があること

当院ではラバーダムとマイクロスコープを必ず使用して治療に臨んでいます。それにも関わらず、3割は根管治療に至る。

説明に説明を重ねたとしても、患者様としては、残念な想いに駆られる。

そのため、そうならないように、事前に必ず、「最悪の状況」をご説明した上で、共に治療に臨むようにしています。

・神経にまで達する程ではない虫歯だったのに何も伝えられずに治療をされてしまったこと
→という言葉から、おそらく、十分なるコミュニケーションが取れなかったのでしょう。あるいは、歯科医師の診断の範疇を超えるむし歯の広がりがあったのでしょう。
しかし、その点をカバーすべくフォローすべく、早々にラバーダムを装着し、さらに、断髄を行うという適切な処置が施されているように感じます。

・失敗してもいいならやりますと言われる
→こと言葉には、確かに、落ち込んでいる患者様への配慮は無かったのかもしれません。
しかし、おそらくではありますが、前述した、当院で行っている「最悪な状況を共有しつつ、治療に臨みたい」とする意図だったのかもしれません。
しかし、患者様の理解が追い付いていないのであれば、それは患者様にとって、心無い言葉に聞こえてしまうのでしょう。
私としても考えさせられる内容です・

・医師は残すことに反対だった為失敗前提でやると言う
→おそらく、自身の臨床を振り返り、断髄法による歯の神経を残す治療の成功率が低いと感じていたのでしょう。
何度も何度も患者様に治療を受けて頂くご負担を考えるならば、確定的な根管治療の方が良いのではないか?たとえ神経を失ったとしても、適切な根管治療を行えば、歯は長く持ちます。ならば、根管治療の方が、患者様にとっては良いのではないか?そう考えていらっしゃったのではないかと感じます。その根拠は、前述のような、一般の歯科医師にはできない、適切な対応をされていたことが根拠です。

・あまりの対応
→患者様と歯科医師と行き違いであって欲しいと切に願ってやみません。お互いが腹を割って話していれば、そうはならないのではないかと。
なので、私は嘘は言わないようにしています。いわゆるセールストークのような言葉、私は大嫌いです。
私の信じる言葉を、私が受けたい治療を、それが痛みを伴おうが、お金がかかろうが、患者様の希望は伺いますが、そのままダイレクトに伝えています。
そのため、私を信じて治療に通って下さる患者様、大変多くいらっしゃいますが、私を嫌う患者様も多いようです。
はっきりモノを言う性格なので、敵は多い(笑) でもいいんです、そういった患者様も、これから治療を重ねれば、必ず私の言うことが響くときがある。
コミュニケーションがとても大切です。

・神経が残ってあるべきところも仮の詰め物が詰められている状態でした
→上記の通り、断髄法を施術して下さっています。当然の術後のように感じましたが、患者様への詳細なる説明がなされていなかったあるいは、ご理解が得られていなかったことがとても残念でなりません。

・電気診断や、冷たい、温かいの感覚をチェックするテストも全く感じず
→電気歯髄診査には、ある程度の信頼度はありますが、適切な反応を示さないことがあることも文献で散見されています。
これだけが、神経の成否を決定する診査事項でないとするのが”私”の考えです。

・一度電気診断等で反応がなかったものはもうどうすることもできないのでしょうか
→実際に拝見していないため何とも申し上げられないのが現状です。

私は歯科医師です。そのため、多くの患者様を拝見する中、当然のように患者様に同様に話していることも、実はお一人お一人、その理解レベルが違うことに気づかず診療していることもあるようです。のちに、アシスタントやスタッフから聞いてびっくりします。「それ、これまでに、かなりの回数話しているけど?まだ同じことを聞いてくるの?」

患者様には歯科医学的基礎知識がないため、どうしても「感情的に感じざるえない」というのが実情のようです。

その点について、配慮した上で、治療に臨みたいところではありますが、人と人、合う合わないもあるようです。

全国にとどまらず、外国からも、大変多くの患者さま当院に受診されますが、皆さん価値観、希望、不安、そして理解レベルは人それぞれ。

その理解を頂くためにもホームページやYoutubeチャンネル、実際にはスタッフからのお声がけなどをさせて頂きますが、それでもすべての人にご理解いただくのは難しいと切に感じてる現在です。

頂いた文章を拝読させていただき、ご自身の感じる苦悩を冷静に適切に感じていらっしゃるように感じました。
前医の先生との話、それにどう感じたのか、これからどうしようとしているのか。
とても冷静にご対応されているように感じ、素晴らしく感じています。

どの職業でも、得手不得手があるでしょう。
歯科医師にも、得手不得手があります。

出来ないことを求めても、出来るようにはならないでしょう。
出来ることを全力でしていただいたほうが、結果は良いものとなるでしょう。

ぜひこれから歯科治療に臨まれる際は、ご担当頂く先生への「信頼」に基づき、十分なるコミュニケーションのもと、ご自身に逢った治療を受けて頂けることを切に願ってやみません。

この回答が少しでもお力になれていれば幸いです!

宮﨑歯科医院 Youtubeチャンネル