MTA治療のデメリット

宮崎先生こんばんは。 MTA治療をしたのにも関わらず 結局痛みが出て、根幹治療になった場合、 最初から根幹治療にしたときと比べて 歯を削る量は増えてしまいますか?

MTA治療のデメリットを教えていただきたいです。 よろしくお願い致します。

コメントありがとうございます。

まずは、ご質問ありがとうございます。回答させて頂きます。

最初に頂いたご質問
「結局痛みが出て根管治療になった場合と、最初から根管治療た時と比べて~」
この比較は、同一個体で比較検討することができないため、回答できません。

ただ、MTAで歯の神経を残したけれど、結局根管治療となってしまった症例は当院でも経験しております。

また、それを動画にて以前に配信しております。
ぜひそちらをご覧下さい。

その上で、頂いたご質問に再度回答いたします。

MTAで治療したにも関わらず、根管治療に至った場合、もし、MTAで治療した際に、「むし歯を取り残している」のであれば、ご心配の通り、その後に行う根管治療の際は、感染拡大したことが原因となるため、歯を削る量は多くなるでしょう。

しかし上記動画では、そのような感染拡大はなく、神経のみが壊死していました。
う蝕検知液で染色しましたが、むし歯の感染拡大はみとめられませんでした。

おそらくではありますが、噛み締めなどによる血液循環の悪化や物理的刺激による歯髄壊死であると考えれます。
そのような場合は、感染部分が少ないため削る量は少なく、事実、小さなインレーで治療は完了しています。

今回、MTAを「むし歯を治す」的なサムネイルで表現させて頂きましたが、MTAの前に、ラバーダムとマイクロスコープで感染を取り除くことが一番大切です。

感染を残してしまっては、MTAをもってしても、むし歯は治らないと私は感じています。

しかし、感染を徹底的に取り除けば、MTAはその薬剤の持つ薬効を存分に発揮できるでしょう。

MTAにデメリットはありません、しかし、MTAを使用する際に、むし歯を取り残せば、デメリットは広がります。
でも、それは当然のこと、むし歯治療をしているのに、それが為されていないのですから。

その治療の確実性を高めるには、ラバーダムとマイクロスコープはとてもとても有用性の高い治療設備・環境といえるのではないかと私は感じています。