【抜歯を防ぐ最後の砦】根管治療で治らぬ腫れと膿を絶つ歯根端切除術(術後経過あり)

【症例の概要とこれまでの経緯】

上顎左側第一大臼歯の根管治療のやり直しの症例です。 初診時、患部の歯肉腫脹ならびにフィステル(サイナストラクト)を認めたため、当院にて再根管治療を行いました。

治癒を阻害していた解剖学的要因は、頬側にある2根が湾曲しており、前医での治療が根尖(根の先)まで到達していなかった点にあります。 当院にて再根管治療を行いましたが、事前の検査段階で根尖部の透過像(骨吸収像)が大きく、外科的処置(歯根端切除術)への移行が必要となる可能性が高いと判断し、あらかじめ治療計画に「歯根端切除術」を組み込んでいました。

そのため、外科的アプローチを想定し、頬側2根管に対しては、プロルートMTAを用いた根管充填を実施しています。 その後、症状の緩和は認められたものの、腫脹とフィステルを繰り返したため、計画通り歯根端切除術へと移行しました。(※本動画には事前の再根管治療の様子は含まれておりません)

【術式と処置内容】

動画では、歯根端切除術の実際の手技を公開しています。 頬側近遠心根の根尖を明示して切除し、周囲に増殖した不良肉芽組織をエルビウムヤグレーザー(Er:YAGレーザー)を用いて徹底的に掻爬・除去した後、骨補填を行い、再度エルビウムヤグレーザーにて血餅を止血、縫合を行っています。事前のMTA根管充填により、根尖部の確実な封鎖が担保された状態での処置となっています。

【術後経過と機能回復】

処置から1週間後の来院時において、歯肉の腫脹およびフィステルが消失し、明らかな症状の改善を確認しています。最終的な補綴物としてセラミックスクラウンを装着し、機能回復を図るまでの経過を収録しています。

【医療に関する免責事項】

本動画および概要欄の解説は一般的な歯科医療情報の提供を目的としており、特定の個人に対する確定的な診断を示すものではありません。オンライン上の情報のみで自己判断せず、実際の症状に関するご相談や治療方針の決定につきましては、必ず現在通院されている主治医、もしくは最寄りの近隣の歯科医院にて対面での精密検査と診察をお受けください。

【タイムスケジュール】

00:00 術前のCT画像および歯根端切除術とは?

00:13 切開

00:40 術前のCT、再根管治療後のCTの比較

01:23 切開

02:03 根管治療でも治らないことがある

02:28 剥離

03:12 頬側2根尖を取り除く

04:12 肉芽組織を取り除く

05:05 エルビウムヤグレーザーで肉芽組織を取り除く

06:42 骨補填およびエルビウムヤグレーザーで止血

07:46 縫合

08:40 手術後の説明

09:12 1週間後の抜糸

10:27 セラミック装着して終了