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【学術的・教育的見地に基づく医療解説】
本症例は、複雑な根管形態へのアプローチと破折ファイル除去に関する客観的な臨床記録です。極度の痛みや抜歯宣告を受けた歯であっても、適切な原因究明と精密な処置によって保存できる可能性があるという事実を共有し、同様の症状でお悩みの方への一助となることを目的としています。
【来院の経緯:「200人に1人」の難形態と激痛】
上顎右側第一大臼歯の激痛を主訴に来院された患者様の症例です。「200人に1人の難しい歯の形をしている」と前医に説明され、抜歯を宣告され、激痛を通り越し、歯の内部を開放した状態で当院へ駆け込まれました。
【治癒を阻害していた2つの大きな壁】
事前の診査により、以下の複雑な物理的問題が判明しました。
1⃣複雑な根管形態と不十分な拡大:
4つの根管が根尖(根の先)で湾曲しており、近心頬側根(MB1とMB2)はイスムスと呼ばれる溝で繋がっていました。既存の治療では、この形態へのアプローチが不足していました。
2⃣遠心頬側根におけるファイルの破折:
根管内に折れた治療器具(ファイル)が残存しており、これが治癒を阻害する最大の要因となっていました。
【当院で行った施術内容とプロセス】
全2回の治療で根本原因を取り除きました。
・1回目の根管治療 近心頬側根と口蓋根を300μmまで精密に拡大清掃。その後、エルビウムヤグレーザー(Er:YAGレーザー)と次亜塩素酸を用いた徹底的な洗浄・無菌化を行い、まずは痛みの原因となる感染をコントロールしました。
・2回目の根管治療 1回目の治療で症状が明確に改善したことを問診とフィステル(サイナストラクト)の消失にて確認した後、遠心頬側根の破折ファイル除去に臨みました。マイクロスコープ下での慎重な処置により、約3.3mmの破折ファイルを無事に除去し、根管内の洗浄消毒処置を行うことができました。
【ご相談について】
本解説は一般的な歯科医療情報の提供を目的としており、特定の症状に対する確定的な診断を示すものではありません。現在同様の症状でお悩みの方は、決してオンライン上の情報のみで自己判断せず、必ず現在通院されている主治医、もしくは最寄りの近隣の歯科医院にて、対面での精密検査とご相談をお受けください。
【タイムスケジュール】
00:00 初診時の問診の様子
01:34 1回目根管治療
12:58 治療後のご説明の様子
13:49 2回目 術前の問診の様子
14:12 破折ファイル除去
14:50 治療後のご説明の様子
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