当院のyoutubeチャンネルに頂いたご質問に回答させて頂きました。
内容は親知らずの欠如率・発現率、親知らずはなぜ生えるか?なぜ先天的に欠如していることがあるのか?についてです!ぜひご活用下さい!
コメントありがとうございます!すごく細かく教えていただけてとっても嬉しいです。
口が小さいと思うけど指三本は大丈夫でした!4本はキツイです。
口が小さい人は親知らずってあるんですか?!レントゲン撮らないと分からないんですかね?!気になります(。ᵕᴗᵕ。)
親知らずが欠如するか否かには様々な原因があるようです。
遺伝的要因、つまり「両親が親知らずがないから、子供も親知らずがない」ということはないようです。
親知らずの有無は、「親知らずが大きく成長できるか否か」が強く関与しているといわれています。
つまり、顎の大きさに対して、親知らずが並ぶスペースがあるか否かです。他の歯が通常より大きかったり、顎骨が小さかったりすると、親知らずが育つスペースがなくなります。
そのような症例では、親知らずが先天的に欠如するということがあるようです。日本人では約30%に認められるそうです。
そのため、親知らずが無い人の特徴として、次のようなことが挙げられます。
・上顎の側切歯(上の歯、真ん中から数えて2番目)以外の歯が、通常より大きい
・親知らずが無いと、他の歯も無いことがよくある
・上顎の側切歯が小さい
親知らずがない=その成長するスペースがない
といえるようです。
つまりは、他の歯が大きかったり、顎が小さかったりということでしょう。
これには遺伝的な要因、育った環境的要因も関与するようです。
この「育った環境的要因」については、歴史を紐解くと、とてもよく理解できます。
230万年前ごろに登場する初期の原人(ホモ属に分類される私たちの祖先です)では、奥歯の縮小化が起こりはじめます。
これは、「石器などの道具の使用」の時期と重なっています。
つまりは、歯への負担が減ったことが歯の縮小化へとつながっているということになります。
親知らずの欠如率は縄文時代で5%、弥生時代で20%、大正で30%、そして現在では20%の数値となっています。
これは、以下の3つの点が関与しているといわれています。
・咀嚼状態(かみきり易いか否か)
・栄養状態(栄養摂取し易いか否か)
・体の成長(体が大きく成長できるか否か)
石器などの使用や稲作など、食物の供給と食べやすさにより親知らずの欠如率が上がりますが、大正時代あたりでは、戦争などにより咀嚼はしやすいが、栄養供給がままならず、身体の成長も小さいために欠如率は上昇します。
現在は軟食の時代、咀嚼する必要がないため、親知らずの減少傾向にあるはずですが、栄養摂取は確保されているため、身体は大きく成長できます。
そのため、親知らずの欠如率はまた下がるということになっています。
親知らずの欠如率は、遺伝的要因もあるかもしれませんが、大きく影響を与えているのは、上記3点のようですね。
この回答が少しでもお力になれていれば幸いです!
歯を大切に!