インプラントのブログ

CT 必須です!

ここ10年の歯科医療の進歩は目覚ましいものがあります。
以前であれば、『なんとか頑張って、抜かずに残してみましょうね!』という言葉のもと、患者様とともに治療に臨むこともしばしばでしたが、最新の診査機器、治療機器のもとでは、診断の「グレーゾーン」がなくなり、徹底した診査を最新の機器で行えば、その治療の予後は明白なものとなっています。

『なんとか頑張って、抜かずに残してみましょうね!』という歯科医師の言葉はとても、優しく心に鼻響く、素敵な言葉ですよね。でも、いまでは必要のない言葉なのかもしれません(笑)。

宮崎歯科医院では、すべての診療において、拡大鏡(5から10倍拡大率)を用いて、治療前にCT撮影を行い治療に臨みます。原因が明確となり、当然「がんばろう!」という名の無駄な労力は必要なしの治療ですね。

上のレントゲン写真は右上小臼歯部の歯を撮影しています。当院はデジタル撮影のため、被ばく量も格段に少ない身体に優しいレントゲン装置ですが、アナログ式に比べ、その画像はくっきり明確です。確実なる診断に寄与しています。

レントゲン写真は硬いものがより白く、軟らかいものが黒く描写されます。よって、硬い組織を扱い歯科領域においては、「黒く描写される」ことは「病巣」を疑うこととなります。黄色線で囲ったお部位、なにもないように見えますが、患者様は違和感を訴えていらっしゃいました。歯肉はMaynardの分類でもしっかりとした分類に属しており、触ると違和感、見た目は健康そのものです。

そこでCT撮影を行います。
右写真がその分析画面です(クリックで拡大ができます、ご覧ください)。

従来のレントゲン撮影は 3次元を2次元に落とし込むために、重なり合った部位、その厚みや正確な立体像は読み取ることができません。そのため我々歯科医師は、これまでの症例との重ね合わせや臨床経験より疾患を推断し、治療に臨むため、いうならば「経験にもとづく勘だより」の診断となることがありました。

右写真は、横と前からのCT画像を拡大したものです。黄色写真で囲まれた部位に「黒く描写された病巣」がはっきりと映し出されています。

レントゲンでは重なりわかりづらかった部位も、CTでは明確に見て取ることができます。

病巣は拡大傾向にあったため、早期に抜歯。抜歯した歯を精査すると、マイクロクラックが 2本歯根に認められました。そこからの感染により歯槽骨の吸収(歯を支える骨がとけてなくなる)がおこり、患者様は違和感を訴えていらっしゃいました。

CT診査は、我々歯科医師の目となるだけでなく、患者様にもわかりやすい「目」となります。

宮崎歯科医院では、インプラント治療、根管治療(歯の根っこの治療、神経の治療)、歯周病治療には、CT診査を必須のものと考えています。

当院にはCT診査機器、拡大鏡などの最新機器を導入し、治療に臨んでいます。


インプラントは都内虎ノ門神谷町霞ヶ関宮崎歯科医院

来院時には歯が割れ、大きな病巣を形成していました。

まずは丁寧に抜歯をし、病巣をきれいに取り除く。インプラントを前提に骨ができるように処置をして骨ができるまで経過をまちます。

この症例では、他の歯の治療もあったため、約1年間、しっかりとご自身の骨ができるまでまってからインプラント手術です。

痛みなく、30分ほどの処置。

下あごの臼歯部(奥歯)には、神経が走行しているため、CTで確認しつつインプラントを埋入します。神経からは2mm距離を置いて埋入です。

次の日には傷もふさがり、痛みもなし。

歯ではとてもご苦労を重ねているにもかかわらず、いつも前向き笑顔な患者さま。
あともう少しですね、がんばりましょう!(^^)/

 

 

脳は変化を拒絶する


歯の治療はストレスです。

できることならしたくないことでしょう。しかし、決断をせずに放置すると、あとでとんでもないしっぺ返しがあるのです。

こんな言葉があります。

『脳は変化を拒絶する』 (ロバート・マウラー)

「すぐに結果を出したい!」
「目標達成には厳しい努力をしなければならない!」
「辛い事を耐える為に、セルフコントロールをすべき!」

これらは「方向違いの努力」なのだそうです。

つまり、“挫折する人の脳の仕組み”であり、一歩を踏み出せない人の思考回路なのです。

仮に「1ヶ月でダイエット!」の「大変革」をしようとすると、脳の扁桃体が警報を発生して、その「変化」を拒絶します。生体は、自分自身の生命の「安定」を好むのです。

そして、脳は「変化」に恐怖を抱くのです。

しかし、メジャーリーグ イチローの考え方はちょっと違う。

『今、与えられた課題を1つずつクリアしていく。今日、自分にできる事を1つずつ』

脳に気づかれないように、少しずつ少しずつ、無理をせずに努力をするんだそうです。
小さな1歩がを積み重ね、大きな変化を遂げる。これが『最短の道』となのでしょう。

当院では、徹底した診査の上、最短の治療計画を立案し、すべての治療において無痛治療で挑みます。

決断の先送りではなく、まずは小さな一歩を。
いつでもご相談ください、きっとお力になれるでしょう。

 


スタッフに感謝


毎年12月は本当に忙しい。

今年の12月は、永く働いてくれた仲間が退職し、新たな仲間が加わった。

欠けた穴は大きいものの、新たな可能性もまた大きい。つぼみの可能性に、これからが楽しみ。

今年の12月は、オペ(手術)の症例が本当に多い。

私はインプラント治療や歯周病の徹底治療に注力していることから、オペは少なくないものの、
今月は本当に多いので、スタッフ皆の疲労度大。

インプラント治療だけでなく、やり直しのない一生に一度の徹底した治療には、
診査診断治療計画、徹底した準備、感染予防、そして「集中力」が伴うもの、疲労度は高まる。

今月はインプラント治療、歯周外科治療が複数回毎日続き、私もスタッフも疲労困憊でしたが、無事乗り切った!患者様の期待にも応えられ、本当にお疲れ様!

できるスタッフに囲まれて私は幸せです。

あと少しでクリスマス。
宮崎歯科医院の待合室に、クリスマスツリー

あと少しで今年も終わり!がんばるぞ!

インプラントとかみあわせ

患者さまとは10年以上の長いおつきあい。
少しずつ治療をしていましたが、歯のご苦労は尽きない。
ということで、しっかりと治療をしようとご決断。

右写真は上が術前。下が治療途中の仮歯。

いわゆる反対咬合、受け口です。
反対咬合は、奥歯に負担がかかるかみあわせ。
それを改善しつつ、歯のないところにはインプラントを。

下の写真の歯の無い部分にはすでにインプラントがうめこまれています。
インプラント手術には、サージカルガイドを使用して、CTによるシミュレーションが必要です。



インプラント手術翌日の写真。痛みもなく、経過も良好。
とてもこわがり患者様ですが、少しずつ少しずつで、今に至ります。


少しずつでも治療をすればここまでになる。
まだ治療は続きますが、明るい未来が待っています。 
がんばっていきましょうね!

欠損ドミノ 

歯の治療の目的とは何でしょうか?

「痛みをとって欲しい」
「きれいな歯になりたい」
「噛めるようになりたい」
様々な希望と不安をもって患者さまは来院されます。

歯の治療の大きな目的は、
「咀嚼機能の回復」でしょう。つまりは噛めるようにすることです。

栄養摂取の入り口となる「口」。その働きの主となる「歯」の役割は多大なるものでしょう。

全身の健康のためには、「咬合(かみあわせ)」の回復がとても大切なのですね。

現在は、超高齢社会。
健康長寿が問われる社会となりました。

上図は、武田・林両先生の著書より引用させていただきました「欠損ドミノ」です。

むし歯、歯周病などにより、歯を1本失うことで、他の歯の負担が増加します。その負担は、歯周病とむし歯を悪化させ、「かみあわせ(咬合)の問題を徐々に大きくし、誰もがする「食いしばり(歯ぎしり)」により、その「かみあわせ」は徐々に崩壊します。
加齢による、全身筋力の低下や習慣、態癖なども加わり、その問題がさらに大きく膨らみます。

不適正な入れ歯は、残存歯の負担を軽減するどころか、負担を増加させることとなる場合もあるのです。そのため、現在では、インプラント治療は、その代替治療として大きく貢献しています。

「かみあわせ」の崩壊は、「咀嚼能力の低下」を引き起こします。
よくかめないことで、軟らかい食物を優先的に食することになります。
軟食主体(炭水化物)となった食生活は、肥満、糖尿病、心疾患、高血圧などの生活習慣病を引き起こすのです。そのために
高齢者は、咀嚼能力の低下を原因とする低栄養となることは周知の事実となっています。

このように、
1本の歯を失うこと(欠損)により、ドミノ倒しのように、疾患の連鎖が続いていく。
これを「欠損ドミノ」といいます。

この欠損ドミノの螺旋に入らぬように、一歯一歯の治療を大切にすることがとても大切ですね!



金属アレルギー インプラント

歯科インプラントの主流である『チタン』は、生体適合性の高い身体に優しい金属材料ですが、急速に普及するインプラント治療とともに、チタンインプラントに金属アレルギーを訴える患者さまがいらっしゃることも事実です。

現在歯科インプラントに使用されるチタンは、純チタンとチタン合金が主となっています。
ともに生体適合性の高い材料です。チタンは、インプラント以外にも矯正用ワイヤーや金属床義歯(入れ歯)にも使用されています。

ごく少数ではありますが、歯科インプラントのチタンにアレルギーを示す文献や発表があります。
チタンは非常に生体適合性の高い材料ですが、チタン表面に大きな外力が加わるとダメージを受け、表面の安定な不動態被膜が壊れチタンイオンが溶出しやすくなり、それがアレルギーの原因ではないかという記述があります。そのため宮崎歯科医院では、純チタン製のインプラントフィクスチャーを用いて外力のかからない埋入操作および力を逃がす「かみあわせ」に注力したインプラント治療を行うよう心がけています。

「チタンだからアレルギーは絶対に起きない」とは説明できない現在ではありますが、チタンは生体適合性の極めて高い材料であることも事実です。

チタンに対してアレルギーを発症しやすい体質の患者さまとして、

・薬、食品、化粧品をふくめ、複数の物質にアレルギー症状がある
・原因が明らかとなっていないインプラント失敗の既往がある
・掌蹠膿疱症、口腔扁平苔癬などの金属アレルギーに関する疾患の既往がある

が挙げられています。このような患者さまは、術前にチタンアレルギー検査を行うことが望ましいでしょう。

現在普及しているインプラントシステムは成功率の高いインプラントです。
ご心配な点はご質問ください。お力になれるでしょう。



ショートインプラント

インプラント治療を受けたいけれど「骨」がない・・・
様々な理由で抜歯となった歯の周囲の歯槽骨。インプラント治療には不十分な量となってしまっていることもしばしばです。

現在では失った歯槽骨を再生する方法があります。しかし人工的に再生させた歯槽骨は、経時的に再び骨吸収しやすいという文献もあります。
可能ならば、大規模な骨再生手術は避けたいものです。



宮崎歯科医院では、このような症例に「ショートインプラント」を使用します。

かみあわせが整えば、骨再生手術が様々な理由でできない場合、ショートインプラントの出番です。

以前は15mm以上の長さのインプラントが必要であるとした考え方もありましがた、現在では6mmのショートインプラントで通常の長さのインプラントと変わりない結果が得られるようになりました。

 

 

 

右写真のような骨幅が薄く、下あごの神経までの距離は短く、骨再生のできない症例に効果を発揮する「ショートインプラント
インプラント治療に限らず、治療には「治療計画」が不可欠です。
歯科医師や関わるスタッフ、そして患者さまが一体となり、治癒への道を進みましょう!

 

 

 

 

 

インプラント治療の流れ

ご質問と問い合わせの多い『インプラント治療の流れ』についてあらためて簡単にまとめました。
ホームページ内にも掲載されています。ご参考ください。

インプラントと下歯槽管

 

下あごに中には「神経」が通っています。

下あご奥歯にインプラントを設置するには注意が必要です。

・入れ歯を長期間使用いていた
・奥歯を歯周病で抜くこととなった

心当たりのある患者さまは、要注意です。骨が少ない可能性があります。

必ずCT検査の上、インプラント治療をしましょう。

インプラントと神経が接触すると、麻痺がおこります。あってはならないことです。

右症例では、写真A、BとCは違う種類のインプラントフィクスチャーを使用しています。骨の量が違うからです。

本症例は、入れ歯からインプラントにされた症例。骨も少ない難しい症例ですが、CTがあると安全確実に手術が可能です。

現在は治療が終了し、入れ歯から解放されて、美味しく楽しいお食事ができるようになりました。
あとは定期検診で今の状態を維持していきましょう!