かみあわせのブログ

力のコーディネーター講習会2

平成26年4月28日

木下です。
先月から参加している『力のコーディネーター』の講習会(←前回のはこちらをクリックしてみてみて下さいね)
入門編が終わり、先日認定編をスタッフ全員で受講してきましたよ。 詳細を見る

検査について


治癒への近道は、崩壊の道を解き明かすこと。

つまりは、「原因は何か」を探し当てることが大切です。

そのためには、治療前の「検査」が必要となります。

我々歯科医師は、患者さまとのお話や口腔内や姿勢などの「問診・視診」
などを通して、病態の「仮診断」を行います。

「仮診断」つまり、「原因はこれではないか?」と予測することです。

この予測のまま治療に入ることもできるでしょう。

しかし、「かみあわせ」などの不具合を長きにわたり患っている患者さまの場合、
その原因が一つでないことが多く、原因は絡みあい、わかりづらくなっています。

「仮診断」を検証すること、つまり適切な「検査」をすること、
徹底的に術前に行うことが、治癒への近道となるのです。

検査とは、 「治療の方向性が合っているのか?」を検証することです。
方向性があっていれば、必ず治癒するのです。

検査を無くしては、診断はなく、治癒は遠のくのです。
検査を無くしては、時間・費用が余分にかかるのです。

治っていますか?
治療計画はありますか?

検査、検証、治療計画の立案により、治癒への近道を共に歩きましょう。

治癒への近道

北九州でご開業されている筒井照子先生の3か月にわたる講習会も先日で修了。
大変多くのことをご教授頂き、学ばせて頂きました。

以前、私は卒業後に大学院へと進学し、補綴学を学びました。
主任教授から「自分の都合のよいところばかり見ていてはダメだ。
病態の原因は何か?診査は十分なのか?診断は間違っていないのか?」
ということを、研究、臨床例検討会や抄読会などで教えて頂きました。

歯科は「どう治すか?」ばかりに集中し、 「なぜこうなったのか?」を明らかにしていなことが多くあります。

HOW(どのように治す)ではなく、WHY(なぜそうなったのか?)を追究すること。
病態へと陥った原因をみつけることなく、治癒することはない。

原因を追究することが治癒への近道となります。
原因、つまり病態への崩壊の道がわからなければ、治癒への道はわからない。
ゴールもわからず、あてずっぽうに走り出してもゴールには着かないでしょう。

医療における一番大切なことを、再確認させて頂き、多くのことをご教授頂きました。

「治癒」とは、我々歯科医師が考える理想的な「かみあわせ」にするのではなく、発症していなかった時に戻すことだ と筒井先生は説きます。

歯科疾患とは、「炎症(むし歯・歯周病)」と「力(かみあわせ)」のコントロールです。

個人差はありますが、そのバランスが崩れると、病態が発症します。

まずはその原因はなにか?を探ること。
原因はひとつではないことがほとんど。
絡み合った一つ一つを仮診断と治療で紐解き、崩壊の道を逆戻りし、原因を追究することで、「治癒」へと導きます。
それには時間が必要でしょう。

治療後は、患者さま一人ひとりのもつ「恒常性のふり幅」におさまっているかを、メンテナンスで確認する。

成長期を過ぎると、「生きること」は、身体を歪ませ、壊していきます。

そのため、治療の終了が「終わり」ではなく、「はじまり」なのかもしれません。

口腔を通して患者さまが健やかに成長し、元気にゆるやかにエイジングしてくださることが我々の仕事だと考えています。

患者さまとは 永い永いおつきあいになりますね。

このたびの講習会参加は、初心を思い起こし、自分をバージョンアップできるとても有意義なものでした。

力のコーディネーター講習会

平成26年3月28日

木下です。
先日、宮﨑先生が勉強なさっている学会主催の『力のコーディネーター』の講習会。
私達も勉強になればとみんなで参加してきました(~o~)

詳細を見る

かみあわせのコントロール

スタッフ全員で「力のコントロール」の講習会に参加してまいりました。

歯科治療は、以下の2つのコントロールが必要です。
① 「炎症」のコントロール
② 「力」のコントロール

①は細菌の感染症である「むし歯、歯周病」のコントロールです。
②は咬合つまり「かみあわせ」のコントロールです。

「むし歯、歯周病」のコントロールのために、定期的に歯科医院に通院し、メンテナンスを受けている方は多いことでしょう。
「むし歯、歯周病」のコントロール、つまり「定期的なクリーニング」です。

しかし、その際に、「かみあわせのコントロール」
つまり「かみあわせの診査」は受けているでしょうか?

「かみあわせ」の異常は、
生体に、様々な異常症状を引き起こします。

「かみあわせ」は生体の「機能」であり、それは「力」です。

正常な「力」は、正常な「形態」となり、異常な「力」は、異常な「形態」となって、生体に表現されます。

その異常な力を読み取ること。これがメンテナンスでは重要となるのです。

宮崎歯科医院では、歯科医師だけでなく、
歯科衛生士歯科助手までもが、この「力のコントロール」に精通できるよう日々研鑽しております。

かみあわせでお困りの際は、是非、スタッフまでご相談ください。

診査 診断 大切です

先週末は、毎月の症例相談会。

患者さまの症例をスライドにまとめ、先達の先生方に診ていただく貴重な時間です。

綿密な資料採取に基づき、診断と治療計画を立案する。

自分だけでは気づかない、多くのことを指摘頂くことができます。
「かみあわせ」の治療では、その病態の原因が多岐にわたり、難しい症例となっていることが多い。

マラソンで、最初から違う方向に走り出しては、ゴールする事ができないように、
診査診断が間違っていては、治癒することはないのです。

ゴールがわからずして、つまり、なぜこの病態となったのか?ということがわからずして治癒することはないのです。

虫歯や歯周病は感染症であり、原因が明確であることが多いのですが、
かみあわせの異常は、生体力学的「機能の異常」であることが多く、
機能の異常はつまり、「力」の異常であり、この見えない「力」を見える化することが診査においてとても大切なこととなります。

「異常な機能、力」による結果生じた、「異常な形態」を写真におさめ、診査する。
とても大切な作業です。

先日の勉強会、沢山のことをご教授頂きました。
まだまだです。さらなる精進を。

顎下の痛みとかみあわせ

左、顎下部(上写真 親指で押さえている部位)の痛みと左下の臼歯の咬合痛(噛んだときの痛み)と自発痛(なにもしないでも痛む)を主訴として来院されました。
患者さまは「リンパが腫れているのでは?」とのお考えをお持ちでした。

患者さまは矯正治療の既往があります。
かみあわせでは、右下の奥歯(写真丸印の部位)の上下が噛んでいない状態。
右下(写真では左です)の奥歯は少し内側に倒れこんでいますね。

このような状態に、右写真のような前歯だけ接触するような装置をその場で製作し装着します。

夜間睡眠中に装着していただくようお願い致しました。

2週間後、顎下部の痛みはなくなり、噛んでいなかった右下が噛むようになりました。

歯科治療は、
「炎症のコントロール」「力のコントロール」です。

痛みがあると、すべて炎症のような気がしますね。

このような症例では、原因は炎症ではなく、「力」。
「力」つまり「機能」
異常な機能が痛みを引き起こします。

目に見えない「力」の診断。大切ですね。

かみあわせと座り姿勢

「姿勢」と「かみあわせ」は密接な関連があります。
日々の生活習慣や睡眠姿勢が、「かみあわせ」に少なからずとも影響を与えていることは周知の事実となっています。

現代では、誰もが仕事でも、家でも、デスクに座り、パソコンをすることが多くなってきました。電車でも、スマホを見ながら座っている・立っている人を多く見かけます。皆さん「首を前傾させ、猫背」の姿勢となっています。

このような姿勢を予防するためにも、上図を参考に姿勢改善に努めていただきたいと思っております。
上図は、ネットより拝借させて頂きました図です。皆さんも検索頂けると沢山でてきますので、見てみてください。

姿勢改善には、 「骨盤をたてる」ことが大切です。

骨盤を立てることでの図のように、自然と背筋も伸び、姿勢を改善することができます。そのために、お尻の下に、タオルなどをおいて、骨盤を自然と前傾させるコツも大切です。
の図のように、坐骨の2点で座るという意識も大切です。

姿勢の改善が、「かみあわせ」や全身の健康に与える影響は多大なるものです。
ぜひ、お仕事中やおうちにおいても、意識・改善してみてくださいね!

また、頭頸部の痛み、姿勢のゆがみなど、かみあわせだけでなく、全身からのアプローチで改善できる症例も多数あります。
お悩みの方は、神谷町エーライフのカイロプラクティックの渡邉先生にもご相談下さい。私もお世話になっている名医です。必ず解決してくれます。

 

生体の治癒能力

口腔の「恒常性」を保つこと、これが歯科医療です。

生体には治癒能力があります。
この治癒能力の範囲内にある状態を、生体が「恒常性」を維持しているといいます。

「恒常性」とは、生体の治癒能力の振り巾の中におさまっていることでしょう。

ヒトの成長は、20歳まで。
その後は加齢とともに生体を消費することとなります。

「生きていることは壊れること」
「生きていることはひずむこと」
「生きていることは治ろうとしていること」
(筒井塾筒井照子先生のお言葉より引用)

生体は、加齢とともに、こわれ、ひずみながらも治ろうとする。

歯科医療の基本は、
「恒常性の振り巾」の中に治まっているか否かを見守り、「振り巾」から逸脱したとき、つまりは生体の治癒能力では治すことができないとき、手を加えて元の形に戻してあげることです。

この恒常性が永く維持できるようにすること、これが歯科治療の永続性につながります。

みなさんの、
かみあわせ、むし歯、歯周病、、、
恒常性の振り幅の中にありますか?
定期的にチェックしましょう。

めがね?

視力が下がってきたらどうしますか?
すぐにメガネを作りに行くでしょう。

では、目が悪くなった原因はなんでしょうか?考えた事はありますか?

先天性の弱視、遺伝的なものもあるでしょう。また、生活習慣によるものも多々あるかもしれません。
生活習慣が原因ならば、それを直さずして視力は改善するでしょうか。。。

原因もわからずに、メガネを作り、また見えなくなったとメガネを作り直す。

歯科治療も同様です。
「むし歯、歯周病になりました」
「歯を失いました」
「では歯を入れましょう」
これでは治らない。

むし歯が進行した原因はなんでしょうか?
歯周病が進行した原因はなんでしょうか?
歯を失ってしまった原因はなんでしょうか?

原因を究明せずに、その場しのぎで補うだけでは再発します。

歯科治療における「かみあわせ(咬合)」においても、
2つの咬合論が存在します。
・生理学的咬合論
・補綴学的咬合論
前者は、原因追求の咬合論であり、
後者は、どのように修復するか?の咬合論です。

病態の原因を追究し、その原因の除去する。そして、今後そうならないようにするための環境改善が「治癒」には必要となのです。

かみあわせ治療だけでなく、
・原因の究明の除去
・環境の改善
この2者が、施された治療の永続性に大きな影響を与えます。