日別アーカイブ: 2020年11月22日
腫れる 抗生物質痛み止め 様子を診る?意味ある?
コメントありがとうございます。
まずは本当に抜かなくてはいけないのか?ぜひ納得のいくご説明を頂きましょう。
動画の最後でも解説しておりますが、 抜歯は、「スパっと折れてしまっている」「歯がグラグラ」でない限り、残せます。
その状況をぜひ確認しましょう。
そうでないならば、適切に根管治療をこころみましょう!
それが一番お金がかからず、歯を大事にすることができます!ぜひ!
むし歯は『歯の硬さ』で調べる?
いつも勉強になります。
丁寧な先生の治療を見ているとこちらまでやった気になってしまいそうで笑
こういうきれいな治療したいという明確なゴールとしてわかりやすいので先生の治療を日々の診療の目標としています。
う蝕除去について質問なのですが、従来の充填物としてアマルガムがありますが 除去する際、う蝕検知液には染まらないが、黒く変色はしていて、エキスカではカリカリっとしている 今回の動画でもエキスカで硬さを確認するシーンがありました。
硬さに先生の中で参考にしていることやう蝕除去時の注意点などありました是非お教えいただければ幸いです。
コメントありがとうございます。
歯科治療に限らず、事を為すには「良いイメージ」が大切でしょう。
ぜひご活用頂ければ幸いです。
このチャンネルをご覧頂いている患者様も、この回答コメントをご覧になるかもしれません。
そんな方々へも分かり易いように回答させて頂きます。
先生にはご存じの内容かもしれません。その点ご理解頂ければ幸いです。
むし歯を削り取る(齲蝕除去)、つまり細菌感染した部位を除去すること、これが歯科医師の責務であり絶対なる達成目標でしょう。
浅ければ、”歯の神経を残す治療”(間接、直接覆髄、部分断髄、歯頚部断髄)、さらに深ければ根管治療に至ります。
※以下のリンクで歯頚部断髄法をご説明するにあたり、「歯の神経を残す治療」とはどんなものかを動画で解説しております
https://www.youtube.com/watch?v=Ukmi7sQBdUc&t=155s
この治療は別々の独立したの治療法ではなく、「むし歯を取り除く中での一連の流れ」でしょう。
そのため、むし歯が歯の神経に深い場合、患者さまには「間接覆髄法ですね!」「部分断髄ですね」「根管治療ですね」といった説明はナンセンス。
実際に治療した上での『結果』として、直接覆髄で、または部分断髄で、または根管治療でフィニッシュしたという具合です。
その点、患者様への事前の説明がとてもとても大切です。
頂いたご質問に回答させて頂きます。
「齲蝕検知液には染まらないが、黒く変色・着色している部分」に対してどのように治療するか?どのようしてむし歯を削り取っていくのか?
「むし歯の硬さを基準に削り取る?」とはどのような基準なのか?というご質問かと思います。
お時間があれば、まずは以下のリンクをご参照下さい。
当院の歯の神経を残す治療について説明させて頂いておりますサイトです。
患者様にとってはやや難解な部分もありますが(笑)、歯科医師の先生であればご理解頂ける内容かと思います(笑)
https://miyazaki-dentalclinic.com/21762
むし歯を削り取るには、先生もご存じの通り、2つの診査診断基準がベーシックなものでしょう。
「齲蝕検知液による染色」
「硬さによる診査」
この2つです。
当院ではむし歯を削り取る際、齲蝕検知液(カリエスチェック)を使用して、むし歯を染色し、徹底的に削り取ります。
https://miyazaki-dentalclinic.com/22122
しかし、メタルタトゥーやむし歯により変色・着色部分は齲蝕検知液で染色できません。
その際は、「歯の硬さ」をもって、むし歯か否かを判定し治療に臨んでいます。
但し、この判定の前に、「術前の問診」が非常に大切です。
この点につきましては、以下の動画「歯頚部断髄法」が参考になるかと思います。
ぜひご覧下さい。
https://miyazaki-dentalclinic.com/27455
また術前の症状から歯の神経は残せるか否かを判定するチェック表もございます。ご活用下さい。
この問診をもとに、むし歯が、つまりは細菌感染がどの程度進行しているのか?
つまりは、どこまで削り取って確認する必要があるのか?が決まります。
この点を配慮せずに「齲蝕検知液」と「硬さ」だけでむし歯を削り取っても『片手落ちの治療』でしょう。ぜひご活用下さい。
https://miyazaki-dentalclinic.com/22012
当院では、齲蝕検知液で染色し、原則、染色された部分はすべて削り取ります。
これにはマイクロスコープとラバーダムは必須です。
その後、染色されていない歯質の変色・着色部分をマイクロエキスカを使用して、健全な象牙質部分を触知し、正常な象牙質の硬さを確認した上で、そこより『軟らかく感じる部分あるいは剥がれる部分』は、再度削り取っています。
以下に「むし歯(齲蝕)の硬さを基準としたむし歯除去方法」に関する参考文献を添付します。
ご活用下さい。
〇日本歯科保存学会の「齲蝕治療ガイドライン」
http://www.hozon.or.jp/member/publication/guideline/
〇2015年に開催「The International Caries Consensus Collaboration」のガイドライン
「齲蝕除去の指標として【硬さ】が重要であり、湿潤程度や色は付加的な指標である。
軽度から中等度の齲蝕に対しては、ある程度の硬さまで齲蝕を除去すべきである」としている。
※しかし術者(=担当する歯科医師)の感覚によるものであり、その基準には大きなバラつきがあることは否めない。
〇Quintessence Vol.39 No11/2020「ディシジョンツリーで考察する深在性齲蝕における治療選択」辺見浩一先生著より引用抜粋
・選択的齲蝕除去としてのステップワイズエキスカベーション(辺見先生の術式)
(ステップワイズエキスカベーションとは?以下のリンクをご参照下さい)
https://miyazaki-dentalclinic.com/22283
『ステンレス製のラウンドバー(MIステンレスバーハード、MANI)回転数(約1,000-回転)固定、軽い圧で除去される軟化象牙質はすべて除去するという基準でステップワイズエキスカベーションを行う。
ある程度除去できたら、切れ味の良いスプーンエキスカベータ―で象牙質を掻き上げ、ボソボソとした層状にはがれるようであれば、再度ラウンドバーに戻り除去。これを繰り返し行い、スプーンエキスカベーターで剥がれない硬さが確認できれば、色の濃さは指標に大きく取り入れていない。』
〇ヨーロッパ歯内療法学会(ESE)のポジションペーパー(公式見解)では、深在性齲蝕(=歯の神経に近い深いむし歯)における露髄(=歯の神経に達するむし歯で、神経が露出すること)治療では、マイクロスコープの拡大視野下での処置を推奨することが明記。治療環境の整備が必須。
この回答が少しでもお力になれていれば幸いです!
根幹(←根管)治療にペリオドン?
いつも本当に有難い情報をご提供くださりありがとうございます。
とても勉強になり、自分がどういう治療を受けているか理解できるようになり安心できます。ありがとうございます。
ファイバーコアとファイバーポストの区別はあるのでしょうか。
ファイバーコアというのは型取りして間接法的に入れる方法で、直接法だとファイバーコアはどのようにするのでしょうか。
また今現在、抜髄時にペリオドンの薬を入れられ、変な味がしたのと痛みで不安になり、先生に聞きますとペリオドンと知り自分でお願いし、2日後に消毒で流していただきました。とてもショックです。
先生のホームページやユーチューブで、ペリオドンなど、ホルムアルデヒド系は使用していませんとありました。
まだ下の根まで抜髄できていない状態です。まだ痛みがあり、死に切れていない神経の痛みなのか、ペリオドンを使用してしまったことによる痛みなのか眠れない痛みです。
麻酔もして抜髄処置をしていたのにどうしてペリオドンを使われてしまったのか、時間の問題もあるのでしょうか。
今後もこの痛みが続くのか、あるいはまた時間をかけ麻酔もして残りの根を抜髄していただけたら痛みはなくなる可能性はありますでしょうか。
不躾な質問で本当に申し訳ございません。
回答させて頂きます。
「ファイバーコア」と「ファイバーポスト」の違いはおそらくありません。
おそらくですが、「根管治療後に歯根に挿入するグラスファイバーを使用した土台」を両者ともに意味しているでしょう。
この「ファイバーコア」には、型取りして入れる「間接法」と、口内でレジンを盛り上げて直接製作する「直接法」があります。
その症例に応じて、歯科医師の技術によって、その方法は使い分けているのが現状です。
その歯科医師に任せるのがよろしいのではないでしょうか。
まず、大前提として、ペリオドンの使用は日本の保険治療で認められた根管治療薬剤です。私が行うアメリカUCLA根管治療専門医の治療コンセプトとは異なりますが、日本では認められている治療法です。
その上で、「ペリオドンを使用する保険適用の根管治療」についての解説させて頂きます。
この、ラバーダムを使用しない根管治療では、治療中の唾液感染を可能な限り予防すべく、手際のよい素早い治療が求められるでしょう。
そのため、1回目の根管治療を麻酔下で行い、歯の内部にまで、根管にまで穴をあけ、「内部の感染を取り除くべくホルムアルデヒド製剤(=ペリオドン)」を貼薬します。
結構、キツイ臭いを発するお薬です。その薬が歯の内部で気化し、根管内の神経組織や細菌を滅菌消毒します。
内圧が高まるため、術後かなりの痛みが生じます。
この術式では、2回目以降、麻酔をせずに根管治療に臨むことが一般的なようです。
歯の仮蓋を外し、ファイルという器具を挿入して、薬剤により壊死した組織を取り除きます。
その際、まだ感覚のある神経に触れるとズキっとした痛みが生じるようです。
この感覚があった時に、治療を終え、再度、前述の薬をいれ、経過を観察します。これを繰り返し行うことで、根管内を洗浄消毒する手法が、保険診療で行われる根管治療の一般的な手順のようです。
この術式は、
・ラバーダムを使用せず手際よく行えること
・根管内をマイクロスコープなどで精査することなく、ガス滅菌により、根管内細部まで滅菌消毒できること
・一瞬の痛みを我慢すれば、麻酔操作を省ける
・治療時間を短くできる
などのメリットがある治療法です。
デメリットとしては。
・ラバーダムを使用していないため、治療中の感染を予防しづらい
・マイクロスコープで根管内を精査していない
・治療期間、回数が多数回必要となる
などのことが挙げられています。
こちらの動画をご参照下さい。
日本における2つの根管治療の現状について、ぜひご理解を深めて頂かれば幸いです。
日本におけるマイクロスコープの普及率はいまだ数パーセントです。
これからの普及が期待される治療機器といえるでしょう。
歯科治療には地域性もあり、その地域で求められている歯科治療があります。
歯科医院の少ない地域では、多くの患者様をおひとりの先生で何とか治さないといけない地域性もあるようです。
そのように求められている歯科医院での根管治療(=従来の根管治療)では、『多くの患者様を、できるだけ短時間で手際よく、感染させないように治療する、痛みを取って差し上げる』方法、その工夫が為されているようです。
「ラバーダムとマイクロスコープによる根管治療」には、ある程度の治療時間とマンパワーが必要です。
地域性に重点を置き、多くの患者様を診なくてはならない歯科医院での根管治療には、「手際のよい短時間の治療を繰り返し行うこと」が地域に求められていることが多いようです。
そのような地域における根管治療では、感染した根管内に穴をあけ、そこにペリオドンといったホルムアルデヒド製剤を貼薬します。
次回の来院までその薬液の効果をまち、「歯の神経」と「感染した細菌」を失活・除菌します。これには多数回、長期間の時間を必要とするのです。
ご経験された根管治療は、このような地域性と、このような根管治療の方法ではなかったのかと推察致します。
ホルムアルデヒド製剤で失活するには、可能な限り短い治療時間で行う“手際の良さ”が問われることでしょう。理由は治療中に唾液感染をさせないためです。
微細な根管内をすべて消毒・滅菌するには、複数回、長期間の治療期間を要します。
また、日本の保険診療では、ひとつの歯の1回の根管治療の診療費用は、再診料で150円、大臼歯の根管治療で150円(3割負担)ほどです。
大変格安な治療費用であり、世界を見てもこれだけの治療費用で行える国は皆無です(世界では1つの歯の根管治療費は8万円から10万円以上です)。
おそらくではございますが、ご担当頂いた歯科医院での診療は、すべて保険診療だったのではないでしょうか。
低価格な治療費用、世界にも劣らない治療技術の高さを維持する日本の歯科医師。
日本の保険診療のありがたさを感じつつ、また保険診療における従来の根管治療の手際の良さに“有難さ”を感じざるえません。
しかし、保険診療における根管治療の限界があるのも事実です。
症状は改善しますが、それは対症療法とならざる得ない場合もあり、その再治療の多さに、現在の日本の保険診療だけでなく、従来の根管治療の方法に改善の余地が期待されています。
保険治療であっても、保険外治療であっても、あきらめずに、ご担当頂く先生と二人三脚で治療に臨めば、今感じている痛みはやがて緩解するでしょう。
ぜひ十分なるコミュニケーションのもと、治療に臨まれてください!