日別アーカイブ: 2022年2月10日

唾液による感染?キシリトールガムは意味ある?

先日ご質問させていただいた者です。

どうしてもハッキリと知りたいことを質問させてくださいm(_ _)m

先生は、虫歯は唾液の細菌が歯に感染したものと仰っていたと記憶しています。

そこで疑問なのですが、唾液の細菌により感染するのなら、ガムを噛んで唾液を分泌させるような行為は悪影響ということなのでしょうか?

他にも唾液は歯の酸化を改善させるためのコーティング剤などの意見もよく見ます。

実際のところ唾液による感染というのは、どういうことなのでしょうか?

素人目では一般的な意見と対立しているように感じてよくわからない次第です。

ぜひともご教授くださいm(_ _)m

大変興味深いご質問をありがとうございます。

回答させて頂きます。
よろしくお願い致します。

むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。

おっしゃる通り、疑問に思われる通り、ならば、皆むし歯になってしまうのではないか?という事になります。
この矛盾については、一部こちらの動画でも回答しております。

『【Q&A】むし歯の予防!歯の神経を抜かずに残そう!』
https://youtu.be/KuAvKlaiFOs

お時間ございます時にでもぜひ。

原因は、細菌ですが、その細菌の活動がしやすい状況、しづらい状況というのがあります。

それは様々な因子により影響を受けます。

・口内のむし歯に関与する細菌数の推移
・唾液の分泌量
・唾液による㏗をアルカリ性に保つ緩衝能力
・フッ化物の使用の有無
・キシリトールによる予防
・ブラッシングの回数、適切なブラッシングが出来ているか否か
・歯ぎしりなどで細菌が生息しやすいヒビなどが歯にないか?
・プラークの蓄積量
・不適合な詰め物や被せものの有無
・飲食の回数
・飲食の種類(炭水化物や脂質に偏った食事となっていないか?)
・口呼吸による口内の乾燥

こういった細菌の活動性を増加させる因子、または抑制する因子が関連することで、細菌の感染症を原因として、「むし歯」が発生し悪化したり、しなかったりするんです。

むし歯が進行しは、歯の表面が酸で侵されることを『脱灰』
そしてそれを修復する作用を『再石灰化』といいます。

この脱灰と再石灰化を繰り返し、歯の健康は保たれています。

唾液の中に細菌がいるからむし歯になるというのではなく、細菌はいるけれども、その細菌が活動しやすければ「むし歯」になり、しづらければ健康が保たれる。

このパランスを整えるために、その一番の方法として、「ブラッシング」が必要となるんです。

問題というのは、一元論ではないことがほとんどでしょう。

一元論、ひとつの原因で問題が生じるのであれば、問題解決は難しくありません。

問題はそのほとんどが多因子です。

むし歯も多因子。口内に存在する細菌が問題ではあるものの、その活動性を悪くする、増悪する原因は、ひとそれぞれのようです。

私がこのチャンネルでお話ししている内容は、「治療の際」という動画のもとお話しさせて頂いております。
予防という観点では、前述のような多因子的な考え方が必要となるでしょう。

『【教えて!仁先生】定期的に『予防』で検診してるのに『むし歯』があるって言われました?『予防』してるのにむし歯って誤診?』
https://youtu.be/6nOJdaDt8dQ

少しばかりではありますが、こちらの動画でも脱灰と再石灰化についてお話しさせて頂いております。

この回答が少しでもお力になれていれば幸いです。