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かみあわせ 1症例

平成26年1月7日

北陸方面の大変遠方より来院された患者さま。

これまで歯科治療において大変なご苦労をされての来院です。
来院前にメールにて詳細なるご連絡を頂きました。事前に情報を頂けると大変助かります。また、お会いするととても穏やかで優しいお心持のお方でしたが、お話を伺うと、大変なご苦労をされていました。

現在他院にて通院加療中とのこと。

上顎前歯部をセラミックに置き換えたところまで治療が進行しており、現在の治療内容への疑問や今後の不安に対するご質問で来院されました。

とても綺麗に補綴(かぶせる)されていますが、上下の歯が、患者さまの「快適」と感ずるところでかみあわせることができません。
また、上顎前歯部は下顎前歯部と接触することができません。患者さまのもともと持っている骨格的問題と既往歴に起因するもでしょう。現在の先生が一生懸命模索している様子も読み取れます。

全顎的な治療の際、歯一本一本の治療は然るべきですが、「咬合系」に目を向けることもそれ以上に大切です。

上顎の歯は、頭蓋に固定され動きませんが、下顎は頭蓋に筋肉でぶら下がっており、その位置を決めるのは、上下顎の歯のかみあわせです。

つまり「かみあわせ」に問題が生じると、下顎の位置がずれることとなり、下顎の動きの起点となる「顎関節」に問題が波及します。

この患者さまは、現在までの治療内容を詳細に記憶されており、また他院において撮影した以前の口腔内の写真をしっかりと保存されていたため、以前の状況を私が拝見することができました。
この患者さまの以前の状況は、先天的に上顎の歯が前にある骨格をされており、その点に配慮した上で診査診断、治療計画を立案し治療を進める必要がありそうです。

ヒトは素晴らしい能力 「適応能力」をもっています。

その状況がたとえ悪い状況でも、その状況に適応し、自身の身体を維持しようとします。この適応能力には個人差があるでしょう。

この患者さまは、「かみあわせ」に 以前より問題があったことが、以前の資料より読み取れます。ご自身では自覚されていませんでしたが、以前より病的な状態は潜伏存在していたのでしょう
ギリギリ適応していた状態に、歯科治療を加えたことで、症状が大きく発現したと考えられます。

問診、診査診断、治療計画の立案といった、
「普通のことを、普通に淡々と行う」大切さ を痛感させられる症例です。


当院ではこのような咬合崩壊症例の場合、
右写真のように、適正な仮歯を製作致します。

当院症例でご説明しましょう。

来院時、患者さまは、右写真の初診時の病的な状態に適応していることが大半です。下顎の動きも病的であり、それゆえに この状況に陥っています。

その状況を「咬合治療中」の写真のように、一気に修正しても、患者さまはすぐには適応できません。
それゆえに、 レジン製の仮歯(テンポラリーレストレーション)で形態を随時調整する期間が必要となるのです。

症例によっては数回この仮歯を作り直し、多くの調整を繰り返し、理想とする咬合(かみあわせ)を模索します。