他院で根管治療をされた患者様。
・根管治療の際は麻酔をしないため、いつも痛い
・治療後の痛みは減らず、増すばかり
・ラバーダム、マイクロスコープなどは当然ない
治療前は痛みがなかったのに、治療をしたことで、また治療の度に痛みを伴いさらに悪化することに疑問を感じ、当院にメールでご相談をいただきました。
その様子につきましてはこちらをご参照ください。
https://miyazaki-dentalclinic.com/23954
メールご相談後、当院を受診された際のデジタルレントゲン写真画像です。
かみあわせ部分は削ってありましたが、上下をかみあわせると仮封材が噛みあう状態となっていました。当然ではありますが、噛むと痛みがある状態です。
患歯は白い水硬性セメントで仮封されいていました。厚さににして2mmもなく、内部にはペリオドンが貼薬されている状態でした。
むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。根管治療は炎症を起こしている歯の神経(=歯髄)を取ることが目的ではなく、「感染を取り除く」ことが目的の治療です。
そのため、たとえむし歯が神経に達していても、消毒により感染が取り除ければ、根管治療は必要ありません。神経を残すことができます。
しかし、感染している場合は、歯の神経と共に、根管内の感染部位を洗浄消毒します。
それには「複数回の治療」は必要なく、1回でとりのぞければ治療は完了します。
当院は1~3回で根管治療は終了です。
数カ月にわたる治療や多数回の根管治療は、唾液中に存在する細菌に感染の機会を与えることとなる可能性があります。当院では早期の短期の短数回での治療をおススメしております。
根管内の細菌を駆除するために、次亜塩素酸で洗浄し、水酸化カルシウムを貼薬します。この組み合わせがバクテリアを駆除するのに最適であることが過去の文献より証明されています。
本症例ではホルムアルデヒド製剤が根管治療薬として使用されていました。
複数回の根管治療が必要となった理由、毎回治療が痛い理由、なかなか治らない理由はここにあると推察しています。
当院のCTで患歯を診査すると、3つの根管のうち、2つは先端でつながっている状態でした。
また、その二つはイスムスという形状を伴っており、その部位の根管治療は全くされていない状態でした。
繰り返しますが、むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。感染を取り除けば治ります。当然ですが、細菌を取り残せば治りません。
それには適切な治療コンセプトに基づき、適切な治療環境を整えて根管治療に臨むことが必要です。それがマイクロスコープであり、ラバーダムであり、CTでしょう。
当院では根管治療に必要な適切な治療コンセプトを修得した上で。必要な治療環境を整え、根管治療に臨みます。
※ 歯の神経の有無に関わらず、神経の生死に関わらず、根管治療では必ず麻酔は必要です。麻酔なき治療は拷問と同じです。当院では必ず無痛麻酔の上、根管治療に臨みます。