本動画では、以下の事をわかり易く解説しています。
ぜひご覧ください!
① 他院で抜歯と診断された歯を残す「根管治療」とは?
② なぜ抜歯と診断されたのか?
③ 『良い根管治療』とは何か?根管治療専門医の考え。
④ 当院の根管治療の実際の様子を動画で解説
⑤ 歯根端切除術は必要か?
また当院のYoutubeチャンネルでは、多くの症例を供覧し、動画にて解説しています。
お困りの患者様はぜひご参考ください。
本症例はなぜ、抜歯と診断されたのでしょうか?
本症例の術前のレントゲン所見です。
レントゲンを診査すると、
① 根管治療が適切にされていない
② 根管充填が適切にされていない
③ 精度の不十分な補綴(土台、クラウンなどの人工歯)である
④ 痛みが残っている
これらの所見が認められました。
この4つのポイントから、この根管治療は「良い根管治療ではない」と診断することができます。つまり、やり直せば改善できるということです。
よって、前医にはその診断と治療オプションが無かったと推察できます。
抜歯は最後の治療法です。まずは再根管治療を行い、できる限り歯を残す努力をすべきでしょう。
ここで、根管治療専門医の提唱する「良い根管治療とは何か?」を知る必要があります。
根管治療で世界的な権威であるMarwan Abou-Rass教授のファイナライゼーションコンセプトでは、このような記載になっています。
① 適切な機械的拡大・清掃が為されている。
② ガッタパーチャとシーラーで適切な長さまで根管充填されている。
③ 適切な歯冠修復が為されている。
④ 客観的・主観的症状がない、またあっても治癒傾向にある
むし歯は口内に存在する細菌の感染症です。上記を簡単にいうならば、
① 根管内の細菌感染を除去し
② 再感染しないよう樹脂で緊密に封鎖し、
③ 上から精度の高い「かぶせもの」をかぶせ、
④ 歯科医師が見ても、患者さんの感覚でも問題が無く、治る過程にある。
これを満たす根管治療は「良い根管治療」といえるとDr.Abou-Rassは言っています。
同時に、「(上記のような)適切な根管治療が為されていないならば、経過観察など行わずに速やかに再根管治療あるいは外科治療(歯根端切除)に移行しなければならない」とも言っています。
本症例の人工歯(メタルポストアンレー)を外すと、中は大きなむし歯になっており、根管治療は不十分でした。根尖病変(根尖病巣)の原因の1つといえるでしょう。
むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。
このような「細菌感染」が残っていては治りません。
逆に、この感染をしっかりと取り除いてあげれば治ります。
適切な器具を用いて、適切な治療コンセプトに従い、歯の内部である根管内の細菌感染を取り除いていきます。
取り除けば治ります。治療は至ってシンプルです。
根管治療はこの4つのポイントを抑えれば必ず治ります。
① むし歯を取り残さないこと
② 再感染させないように樹脂を緊密に詰めること
③ 再感染さえないように精度の高い人工歯を装着すること
④ 症状の改善を確認すること
これらのポイントを抑えるには、適切な治療コンセプトが不可欠です。
当院ではUCLA根管治療専門課程を修了した歯科医師が根管治療に臨みます。
良い治療には、良い治療環境が不可欠です。
これには2つのポイントがあるでしょう。
① ラバーダム
② マイクロスコープ
当院では徹底した治療環境を整え、根管治療に臨みます。
一生に一度の歯科治療・やり直しのない歯科治療を目標に日々の臨床に取り組んでいます。