「くいしばり」の弊害

「歯を食いしばって頑張れ」
「よく噛んで食べなさい、歯が鍛えられる」
昔はよく言いました。いまは言いません。
百害あって一利なしです。

よく咀嚼することはいいことです。
咀嚼により唾液は分泌され消化を助け、脳血流量も増加し、認知症の予防に効果があると言われています。
しかし、過剰な力でかみしめることはお勧めできません。

成長期を過ぎると、ヒトは老化し衰え始めます。
「歯は消耗するのです」

過剰に「くいしばる」ことで歯は傾きすり減り、歯は短くなっていきます。

 

 

これにより上下の歯の接触「かみあわせ」に変化が生ずることとなります。

「くいしばる」ことで歯は傾斜します。

歯は内側、前方へと傾斜し、歯並びに変化が生じます。

「年齢とともに、下の前歯が重なってきてしまった。。。」という訴えはこれに起因するのです。

歯が傾斜すればその内側にある「舌」のスペースも侵害されるために「発音」「咀嚼」「嚥下」などの障害が発現します。

「くいしばり」はあたりまえのこと、とお考えの方が多くいらっしゃいます。
ほとんどの方、まじめで頑張り屋さんの方々ばかり。

がんばりすぎてはいけません。がんばりすぎは「歯」にとっては酷です。
ご自身を大切に、「歯」を大切に。