「自分の経験から、歯科関係の病気なら、東京虎ノ門の宮崎歯科医院の宮崎仁副院長(歯学博士)を紹介することにしています。実に腕のよい誠実な人で、詳しい病状や治療方法まで実に分りやすく説明してくれます。」
舩井(船井)幸雄先生には、その当時の著書やブログに私のことをご掲載頂き、多くの著書を拝受。また多くの方々をご紹介頂き、診療の合間に大変多くの真実を教えていただきました。
http://www.funaiyukio.com/funa_ima/index.asp?dno=200911001
写真は、宮崎歯科医院開院時に、舩井(船井)幸雄先生に開業祝いの際いただいた「赤富士」です。
宮崎歯科医院の受付に飾らせていただいております。
患者様皆さん感嘆のお言葉を頂ける立派な赤富士の写真。
舩井先生にお逢いしたのは、東京 港区虎ノ門にある大島歯科医院に勤務時の時でした。
現在は、その医院を私がそのまま引き継ぎ、「宮崎歯科医院」として日々の臨床に取り組ませて頂いております。
舩井(船井)幸雄先生がご通院されている頃、「私がブログに書くと、患者さんがいっぱい来ちゃうからね(笑)」とお茶目に笑っておっしゃっていたのを記憶しています。
http://www.funaiyukio.com/funa_ima/index.asp?dno=200911001
その当時は、舩井先生は、辛いお身体の状況でも一生懸命療養に努めていらっしゃいました。
そのため、当院のブログに船井先生に関わる内容は一切載せておりませんでしたが、いずれは感謝の意を表したい切に感じておりました。本内容は、お立場も鑑みて、ホームページからは見ることはできませんが、感謝の意と共に、当院でご教授頂いたお話しを書かせて頂きます。
①専門家と対等に意見を交わし、決断、努力することができる才能について
②突出した人間性について
③現代の歯科治療に必要な船井さんより学ぶコミュニケーション「親身法」。
④必然必要
―宮崎歯科医院について―舩井(船井)幸雄先生に私の知った良い歯科医師(歯医者)、信頼できる歯医者として紹介され、インプラント&かみあわせ(顎関節症)に精通した歯科医院です。東京都内、虎ノ門、虎ノ門ヒルズ、神谷町、霞ヶ関、新橋、港区、千代田区だけでなく全国から患者さまが来院されています。ご来院の際は、ご予約いただけますようお願い致します。最寄り駅は、日比谷線・神谷町駅、銀座線・虎ノ門駅、千代田線・霞ヶ関駅です。マイクロスコープ・CT撮影・ラバーダム防湿を駆使した最先端根管治療を行います。セカンドオピニオンやご相談、メール相談も多数頂いておりますのでお気軽にご相談ください。一般歯科治療だけでなく、ホワイトニング・審美歯科・メタルフリー・予防歯科・親知らずの抜歯・歯周病・むし歯治療を痛くない麻酔、痛くない治療で行っております、安心してご通院頂けます。
1.出会い
平成21年3月24日、船井幸雄先生は、私の父の紹介で、口内の異常を訴え、私の勤める医院(大島歯科医院、現在は私が継承し宮崎歯科医院)に来院されました。お会いする2年程前より父から船井先生が口内の異常で大変苦労されていることを伺っておりましたが、私が拝見することになるとは思っていませんでした。
はじめてお会いした船井先生は、76歳とは思えないほど福々しく、体調不振 にもかかわらず、人に不快感を与えない、吸いこまれるような笑顔でした。しかし、病状をお聞きすると、2年程前より口内の異常に悩まされているとのこと。その明快なお話しぶりからは、とても難病と患っている方とは思えませんでした。
一般的に大部分の患者さんは「治療のことはよくわかりませんので先生にお任せします」とおっしゃるのが普通です。しかし、船井先生は、いわゆる「一般的な」患者様ではありませんでした。
「これまでの病歴を書いてきました、読んでみてください、わかると思います。」
船井先生は、ご自分で分かりやすく時系列にまとめられた「病歴書」をお持ちになっていらっしゃいました。私は、その病歴書を拝見することで、これまでに受けられた治療に関する詳細な内容とその治療効果の有無、病状の変遷などを直ぐに読み知ることができました。これにはびっくりしました。長い間、口内の異常(病気)を患っているにも関わらず、ここまで詳細に自分自身の病態を「客観的」分析できる患者様にお会いしたことが、ただの一人もなかったからです。
頂いた病歴書より、私が診察する前までに、多くの医師が船井先生を診察していることがわかりました。また、多くの専門医と対等に意見を交わし、数々の治療を決断し、努力することのできる類まれなる才能をお持ちになった方であることも伺い知ることができました。
しかし、口内の病気の原因は究明されていませんでした。いわゆる「原因のわからない難病」だったのです。原因がわからない状況で、いままでどれほど苦悩されたのか…、私は歯科医師として、船井先生の苦悩は計り知れないものであったと想像致しました。
「現在はこのような状況です。これまでに、そこに書いたような治療を受けてきましたが、効果はなかったようです。」「しかし、この治療はこんな効果があったようです。」「だからこのようにすればいいのではないかな。」「これまで治療してくれた先生方はとても頑張ってくれました、感謝しています。」「あとはまかせますのでよろしく。」とおっしゃいました。これまでの治療経過を「過去すべて善」とお考えになり、船井流の考え方を明確に示されました。
船井先生と同じように、他の歯科医院で加療したけれども、病状が改善しないことを理由に、私の病院へお見えになって治療を希望される患者さんが多くいらっしゃいます。そのような患者さんの中には、前の診察や治療に対して批判的な考えをお持ちの方もいらっしゃいます。それは、完治しなかったからでしょう。そう考えたくなるお気持ちもわかります。しかし、患者さんと担当医師との間に、「コミュニケーション」はどの程度あったのでしょうか。私としては非常に考え込むことがあります。そういう状況から見ても、船井先生には多くの医師の治療を受けた経緯はありましたが、船井先生は、それまで関係した医師に対する「感謝の言葉」はあっても、批判の言葉は一切おっしゃいませんでした。その時、私は、この方は、医師と対等もしくはそれ以上の「コミュニケーション」を取れる方なのだろうと感じました。
船井先生とお話になった方ならお分かりになることと思います。
船井先生は、お年を感じさせない体捌き、どんな人に対しても接する際の優しい言葉づかい、所作、礼儀正しさ、気遣い、加えて相手をあたたかく抱き込むような温和な波長を発するお人柄をお持ちの方でした。船井先生と日々接する中、船井流の親身なコミュニケーションの取り方を日々学ばせて頂きつつ、治癒への道を一緒に歩ませて頂きました。
2.難病と闘う舩井(船井)幸雄先生
船井先生の口内は多くの問題を抱えていました。
その原因は、重層的に絡み合い、従来の単純な歯科治療上の段取りでは解決することができない、まさに難病でした。
船井先生のような「原因が重層的に絡み合った難病」は、科学的根拠に基づき、客観的に多角的に、一貫性をもって病状を検証しつつ治療を進めていくことが大切です。やみくもに従来の歯科治療を繰り返すことは、症状の悪化につながります。
船井先生の病状は、軽減したものの完治しませんでしたが、船井先生の積極的で前向きな努力により、「重層的に絡み合った原因」がほつれ、治癒への道筋が明らかになってきました。船井先生の難病は、「普通の人には有り得る事の少ない極めてまれな疾患」であったのでしょう。普通の人では感じえない変化を読み取る船井先生の才能がゆえの疾患。従来の歯科治療で完治させることは困難な難病です。
この疾患の原因が明らかになってきた要因は、第一に、船井先生御自身による、これまでの想像を絶する努力と忍耐力によるものであると確信しております。これに加えて、これまで関係した医師の方々の研鑽によるものであると想っております。船井先生の『病から決して逃げない』という「心の強さ」や、関わった医師の責任を問うことのない、むしろ感謝さえしているという事実に、私は医師として頭の下がる思いです。これこそ、『 船井流人間道の真髄 』なのでしょう。
3.船井流コミュニケーションに学ぶ
これまでの船井さんとの充実したコミュニケーションにより、現在、難病の改善の糸口をつかむことができました。船井先生の医師、歯科医師の立場を踏まえたコミュニケーションより、船井先生の他者への配慮、人間性に触れることができました。また卓越した記憶力、人間力、自癒能力を目にすることもできました。
このコミュニケーションは、私の歯科医院では一番大切にしていることです。現在、様々な職業において「コミュニケーション」の重要性についてとりあげられていますが、歯科医師とて例外ではありません。患者さんが満足できる「患者中心の歯科医療」のためには、医療者と患者間の「信頼」が何よりも大切です。「患者中心の歯科医療」のためには、患者の医療への参加、医療者の思いやりが大切であり、それを実現するための両者の良好なコミュニケーションが不可欠であると考えられています。
良好なコミュニケーションには、医療者の思いやりに基づく「わかりやすい説明」がなくてはなりませんが、患者さん側にも求められるものがあります。
(1)治療内容について質問をすること
(2)現在の症状や心配事についてしっかり伝えること
(3)治療計画および医療上の指示を理解し、従うことです。
歯科治療の特性により、ご自分の口内を見ることができないため、患者さんには「どんな治療がなされているのか」「治療によってどうなっているのか」などまったくわからないようです。
私は患者さんにはご自分の受ける治療内容について、「分かりやすく説明」するよう心がけております。自分の受ける治療についてはしっかり把握し、ご理解した上で受けて頂きたいのです。
船井先生にも治療についてお話しさせていただきましたが、その超理解力には本当に驚かされております。すべての治療において、その内容や治療後の注意点について、たった一度の説明で、完全にご理解していただけるのです。治療後の注意点については必ず守っていただけます。普通の方にはありえない「超記憶力と超理解力」には担当医としてびっくりいたしました。
また、現在進行中の治療内容に関する素直な質問や、治療途中におけるご自身のお身体の変化などについて、電話やファックスでご連絡を頂くことがしばしばありました。これには医師として治療予後を知る上でそれはまさしく、医師に対して、立場を離れた高い立場から、お自分と医師の関係を客観的に見つめることができるご見識と能力がそこにあるのではないでしょうか。
コミュニケーションとは、ただ単に会話を交わせばいいというものではありません。互いのメッセージを的確に伝えて、的を射た会話のキャッチボールができるようなものでなければ、それは正しいコミュニケーションとはいえないのです。言葉一つひとつの意味をお互いに丁寧に確認しながら、医療者の話す意味と患者の解釈をそろえていく姿勢が大切です。
治療技術や治療機器は日々急速な進歩を遂げておりますが、患者―医師間の「コミュニケーション」の充実は、いつの時代においても「最重要課題」であるといわれております。患者―医師間の信頼関係なくしては、最新の治療技術も最新の治療機器も全く意味をなしません
このため、私は「患者さんとの親身なコミュニケーション」を大切にして、最新の治療を患者さんに押し付けるのではなく、患者さんにとって「最善の治療」となるよう心がけております。
しかし、「コミュニケーション」ほど難しいものはありません。私は、この点において、船井先生と患者さんとして接する機会を得てから、「船井流親身法」を身をもって体験し、日々、勉強させて頂いております。
船井先生ご案内のブログのおきまして最大の賛辞をいただきました。
「自分の経験から、ふつうの歯科関係の病気なら、東京虎ノ門の大島歯科医院の宮崎仁副院長(歯学博士)を紹介することにしています。実に腕のよい誠実な人で、詳しい病状や治療方法まで実に分りやすく説明してくれます。」
(http://www.funaiyukio.com/funa_ima/index.asp?dno=200911001)
信頼できる良い歯医者(歯科医師)としてご紹介頂けることが恐縮ではありましたが、大変ありがたいお言葉でありました。
船井流コミュニケーションを実践する私にとっては最大のおほめの言葉です。
この信頼関係を築く「コミュニケーション」におきましても、船井先生とお会いしてから今日まで、船井流の「親身なコミュニケーション術」を日々を学ばせていただいております。
私は、診療室におきまして、最新の科学的根拠と最新の技術に基づき、治療に最善を尽くしておりますが、「何が最新の治療か?」ということについては、日進月歩の現実に鑑み、絶えず勉強の連続であると考えております。この点、船井先生が時々お話になる「勉強好き」という言葉に、私は全幅の信頼と理解を示しております。
また、最新の治療を患者さんに押し付けるだけでは病気は治りません。船井先生のおっしゃる「患者さんとの親身なコミュニケーション」がとても大切になります。私は、患者様と接する際、私の抱く人間としての「良心」をもって、治療法の提案をさせていただいております。まさしく船井流親身法です。私の抱く「良心」とは、「人には優しくあれ」「正直であれ」「嘘をつくな」「卑怯なことをするな」「約束を守れ」「弱いものをいじめるな」「親孝行しろ」「兄弟仲良く」です。最新の治療法や技術は医師として持っていて当然のもの、これを患者さんに押し付けても、患者さんにとって「最善の治療」にはならないのです。私は、船井先生のおっしゃる「相手(患者さん)のこと親身になって考えなさい」というお考えにしたがって、患者さんひとりひとりにとって「最善」の治療となるように、十分な「コミュニケーション」と「わかりやすい説明」をもって、日々の診察に努力をしております。
しかし、「コミュニケーション」ほど難しいものはありません。私は、この点において、船井先生と患者さんとして接する機会を得てから、「船井流親身法」を身をもって体験し、日々、勉強させて頂いております。
〇船井先生は自癒能力←免疫能力の持ち主
昨今の医学会では、科学的治療の限界とその基盤にある人間の本来動物として持ち合わせている「自癒能力」の関係がしばしば話題になっております。この「自癒能力」を益々伸展するためには、医師とのコミュニケーションは欠かせません。それは、患者さんが気付かない分野において精神的に気付かせるということ、また反対に患者さんが医師に気づかせるという大事な接点があります。船井さんは、現在進行中の治療内容について、素直な質問と治療途中における体の変化などについて、電話やファックスでご連絡を頂くことがしばしばあります。それはまさしく、医師に対して、立場を離れた、高い立場から、お自分と医師の関係を客観的に見つめることができるご見識と能力がそこにあるのではないでしょうか。なおかつ、自らの病気に対して、不撓不屈の精神を感じずにはいられません。
船井先生は、患者としての立場、我々歯科医師の立場双方を考察するにあたり、双方の理解とバランスの上に「医師まかせでない治療のための見識」「医師とともに歩む治癒のための見識」があらゆる会話と応対に感じ取られます。このような人間性と人格に裏打ちされた患者さんを私が多少なりとものその治療に関与できることは私にとってはこれまでの人生で経験したことのない極めて貴い現実であります。
〇超記憶力、超理解力
専門的知識がないと、なかなかご理解いただくには時間が必要なのですが、船井先生にあっては、たった一度の説明でも完全に理解していただけました。医学的な専門の分野においても、普通の人にはありえない超記憶力と超理解力には担当医としてびっくりいたしました。
かみあわせだけでなく、インプラント治療においても大変ご苦労されていた舩井先生。
現在、インプラントは保険外治療であり、 ブローネマルクインプラントをもとに様々なインプラントシステムが混在します。費用や金額、値段、治療費も様々です。
現在のインプラントシステムは安心確実な治療法ではありますが、そのシステムを使用するのは歯科医師(歯医者)です。十分なる知識と技術と経験が必要でしょう。
またインプラント治療は歯科治療の一法であるため、そのほかの知識技術(根管治療、かみあわせ(噛み合わせ)、審美歯科、歯周病など)が必要です。
船井先生の御身体を拝見する歯医者、歯科医師は多数いらっしゃいましたが、多くの歯科医師が拝見していることで、みな得意分野や観点が異なることから、その病因が定まりきらず、難病へと迷い込んでいたように感じています。
私は、これまで歯科大生としての6年間、大学院としての4年間、咬合、顎関節、咬合領域の勉強をして、結果的に博士号を取得しました。
私は大学病院において、「咬合(噛み合わせ)」に関する博士号を取得し、「咬合治療」「顎関節症治療」「精密義歯治療」「インプラント治療」それに伴う「歯周再生治療」などを行いながら、臨床研修医や歯科大学生の教育・指導、研究に携わっておりました。
歯科治療の特性により、ご自分の口内を見ることができないため、患者さんには「どんな治療がなされているのか」「治療によってどうなっているのか」などまったくわからないようです。私は患者さんにはご自分の受ける治療内容について、「分かりやすく説明」するよう心がけております。自分の受ける治療についてはしっかり把握し、ご理解した上で受けて頂きたいのです。これは治療後の再発予防にもつながるのです。船井先生にも同様に「咬合治療」などについてお話しさせていただきましたが、現在の船井先生は、私と同じくらい、「咬合」に関する知識をお持ちかもしれません。その理解力には本当に驚かされております。
「わかりやすい説明」ものごと複雑に考えるな、単純明快、ものごとの基本。
歯医者の特性としてわかりづらい、わかりやすい説明、相手を思った親身な説明を心がけてきました。これはまさしく、船井先生の色々なお言葉の中から、いつも話くれる内容と同じであった。
3)超人間力の持ち主
船井先生は、ご自身の病状がどんな状況でも、颯爽と、常に明るく笑顔で来院されます。原因が特定できない時期は、治療の効果があがらないこともありますが、どんな時も笑顔で来院され、治療後は笑顔でお帰りになります。まわりを明るくする気遣いをいつも心がけていらっしゃるようでした。診療時間外の早朝に船井さんを診察する機会がありました。船井先生は、病院スタッフの早朝出勤を気遣っていただき、後日わざわざご著書をスタッフ一人ひとりにサインと一言を加えてプレゼントしてくださいました。これにはスタッフは恐縮するとともに、感激いたしました。
「長く続く治療を頑張っていただきたい」との思いから、お帰りになる際は必ずお見送りをさせて頂いているのですが、船井先生は、必ず、お車に乗ってからもわざわざ窓を開け、こちらに挨拶をしてくれました。病状すぐれないときもあったと思います。しかし必ず笑顔で挨拶をして頂くことに頭が下がる思いです。
また船井先生には多くのご友人、関係者の方々をご紹介頂きました。
ご紹介頂いたすべての方が人間的に素晴らしい方々ばかりです。船井先生の「超人間力」を感じずにはいられません。その超人間力は、一言で言うならば、相手を慮る「惻隠の情」かもしれません。
このように、船井先生は医師と患者との関わりのお手本のような方といえるでしょう。
歯科治療に対する私の考え方
1.科学的根拠に基づく診査、診断、治療法
私は大学病院で臨床、研究、後進の指導を行っていたという経緯からも、「科学的根拠に基づく治療」を患者さんにはご提案するようにしております。
アイザック・ニュートンは自分の仕事をこう例えています。「目の前には手も触れられていない大海原が横たわっているが、私はその浜辺で貝殻を拾い集めているにすぎない。」現在の歯科医学においても、科学的に解明されていることは、まだ「浜辺の貝殻」程度のことなのかもしれません。しかし、これら浜辺に流れ着いたかすかな「現症」「訴え」を見逃さず、検証を加え、仮説を立て、偉大なる先人たちの築き上げてきた『科学的根拠』をできる限り多方面より検証し、原因となる「大海原の先」を見つける必要があるのではないだろうかと考えています。
そのためには、幅広い見識・技術の修得とともに、それに盲信することなく、謙虚に病と立ち向かう姿勢がとても重要なことではないかと考えております。
なにかの偶然から大発見がうまれたという話をよく耳にします。よくよく調べてみれば、「ひょうたんから駒」といったケースは皆無に等しいようです。有名なニュートンの「足元におちたリンゴのおかげで万有引力の法則を考え付いた」と言われる話も、長年重力問題に専心し、コツコツと研究を続けてきたからこそのひらめきであると考えるのが大事なことなのではないでしょうか。
2.保険診療の抱える問題点
「病気」とは、「病(やまい)」と「気(き)」という文字からなります。病気の「病」とは「疾患」であり、「気」とは「疾患を煩った患者さんの心の病」のことでしょう。私は、日々の歯科治療において、病気の「病」だけでなく、「気=こころ」を治す治療を心がけております。そのためには患者さんとの「コミュニケーション」が必要です。
私は、日々進歩する歯科医学を貪欲に学び吸収し、知識・技術を最高レベルに維持するとともに、患者さんの「気=心の病」には、スタッフ総出で、患者さんとのコミュニケーションを大切にしております。治療法の選択は科学的根拠に基づき、コミュニケーションは「良心」に従い、患者さんと向き合い診療にあたっております。
しかし、現在の歯科保険制度において、「最高レベルの治療」と「患者―医師間のコミュニケーション」はむずかしい。現在の厚生労働省による歯科保険制度は、誰もが治療を受けることができるという長所はあるものの、その治療法がごく限られており、先進諸国では使用しない金属を材料とした「かぶせもの」や「つめもの」の使用や、ワイヤーを使用した義歯など、現在日々進歩する歯科医療に大幅に遅れをとった治療しか選択できないという短所があります。インプラントや歯周再生治療、矯正治療や審美歯科治療、メタルフリー治療などは未だ保険適用外です。また、「治療の質」を問わない成果主義が、治療の劣悪化に拍車をかけています。日本の歯科医療の80%が「やり直し医療」であると言われる所以です。
3.咬合(噛み合わせ)治療の重要性
人間には自分自身で治す力がもとより存在します。歯科疾患においても例外ではありません。歯科疾患の初発は大半が「むし歯」「歯周病」です。いずれも口内に常在する細菌が、食べ残しなどに感染し、症状を発現させます。細菌は、食べ残しなどの「汚れ」を媒介として、「歯」や「歯周組織」に感染し、歯を溶かしたり(=むし歯)歯肉に炎症を惹起し骨を溶かしていく(=歯周病)のです。これらが重症化すると、歯を失うこととなります。
歯科疾患は、原因となる細菌を除去し、感染しづらいようにしてあげれば自然と治癒へと向かいます。歯科治療とは「生体の治癒能力を邪魔する細菌を取り除き、治りやすい状態にしてあげること」です。しかし、内科的疾患と異なる点として、歯は失うと元には戻らない硬組織の疾患。そのため、義足や義眼と同様に、入れ歯や冠・つめもの、インプラントなどを代用として口内に装着し、機能回復の術とする。これには「咬合」という概念が重要な役目を果たしてきます。
「咬合」の異常は、様々な症状を口腔内だけでなく頭頸部から全身に引き起こします。歯科治療の目的は咀嚼機能の回復です。食物を摂取、咀嚼できなくては生物は死に至るだけでなく、全身に様々な悪影響を及ぼします。歯科治療において、咀嚼機能の回復は最重要であり、つまりは「咬合の回復」が治療においてとても大切なことになるのです。
しかし、その専門性の高さより、残念ではありますが、すべての歯科医師が適正な咬合治療を行える状況にはありません。
4.医師―患者間の一体感(コミュニケーションの大切さ)
治療技術、知識は日々研鑽、当然あってしかるべきもの。患者さんの「気」を治す、コミュニケーションの重要性を船井先生よりご教授再確認させていただきました。日々これに一番力を入れ診療にあたっています。病を治すために必要な「医師―患者の一体感」がある。→医師の治療方針を理解し、治癒に向かい努力を惜しまない。船井先生は医師と患者との関わりのお手本のような方でした。
患者様の求める歯科治療
「はやく」「やすく」「うまい」いいとこ取りで考えていないでしょうか?歯科の疾患は「むし歯」「歯周病」「咬合」。細菌感染症と汚れ、噛み合わせが歯科の問題となります。船井先生の抱えた「ボーンキャビティー」もその細菌感染症治療により生じた病気。細心最善の診査診断と精密な治療が必要となるのです。失った歯は補う必要があります。現在はその治療法としてインプラント治療が身体に優しい治療法でしょう。また、その際細心の注意を払って診査診断する必要のある事柄「咬合」です。咬合は、全身の最末端にある顎関節、その不調和が与える全身へと影響するのです。
全国各地、日本にとどまらず世界各地よりお問い合わせを頂きます。これも舩井幸雄先生のお蔭です。そのご期待に恥じぬよう、日々精進しております。
宮﨑歯科医院 院長 宮崎 仁