インプラント オーバーデンチャー


本症例の患者様は上あごに総入れ歯をご使用になられており、下あごには前歯が5本歯が残っていたのですが、負担がかかり、グラグラとなっていました。『しっかりかめるようにしたい!』という前向きなご希望を頂き、まずは下からインプラント治療をはじめました。とても明るく前向きに取り組む患者様で、いつもこちらが元気をいただいておりました。左写真は術前。右写真はインプラント手術後の写真です。同時に5本を抜歯と同時に埋入しました。この上に同時に部分入れ歯を装着し、左奥に残る歯にバネをかけて使用して頂きました。左奥の歯もグラグラなのですが、当面の支えとしてしばらく残し、埋め込んだインプラントが安定してから抜歯即時埋入インプラント手術を行うという時間差の計画で治療を進めました。

上あごの入れ歯を新しくし、下あごにはクッションをしいて使用します。2カ月経過後に下あごのインプラント2回目の手術を行い、インプラントフィクスチャーにヒーリングキャップをかぶせて、粘膜を貫通させます、それが右写真です。このころには左下に残っていた歯を抜歯してインプラント手術を行います。

粘膜の状態をきれいにするキャップ(=ヒーリングキャップ)が装着されているのが左の写真です。治療が終了するまではこの上に義歯をのせて使用していただきます。下あごの義歯はしっかりと固定されるため、装着感はとてもよいものです。右写真は、ヒーリングキャップをはずして型どりのためのインプレッションポストという器具を装着した状態です。

型どりして製作した模型上でインプラントデンチャー(インプラントと入れ歯が一体となった固定式の入れ歯)を製作します。まだ最終的なものではなく、「ワックス」で製作してあります。歯の並び、形、色、かみあわせをチェックして、問題がないかを確認したのちに、最終ステップにのぞみます。

インプラント固定には、セメントリテインとスクリューリテインという2つの固定方法があります。
セメントリテインとは従来の方法で、接着剤で固定する方法です。これは、外す必要が生じた場合、壊さないといけない場合が生じます。そのため、当院では、いつでも着脱可能なスクリューリテイン方式を採用します。これはいつでもドクターが取り外しができるため、定期的な検診のときに外して清掃消毒ができるという利点があります。

現在6年が経ちますが、経過は良好です。お食事はなんでも食べることができます。治療を頑張り、定期的に来院していただける患者様の努力のおかげですね。