可能であれば神経を残す治療をしたい

「他の歯科医院で歯の神経を取らないといけないと言われたが、それまで痛みもなく、可能であれば神経を残す治療をしたい。」こんなご希望を胸に当院を受診された患者様。

2カ月ほど前に歯が欠けたとのこと。冷たいものが少ししみる程度で、御食事で痛みがでることはない、とのことでした。時折、鈍い痛みがありますが、鎮痛剤を服用するほどのものではないとのことです。

本動画は、他院にて神経を取らなければならない(=根管治療)と云われた症例を、マイクロスコープとラバーダムを活用して「神経を残す治療」を行った、当院の治療の様子です。その様子を解説させていただいております。

当院の治療の様子は、ホームページ内でも、またyoutubeチャンネルでも開示させて頂いております。ぜひご参考ください。

宮崎歯科医院 youtubeチャンネル

歯の神経をとる 抜く と云われた症例 神経取りたくない 画像 奥歯 痛くない

術前のマイクロスコープ画像です。
大きなむし歯が認められます。痛みは全くありません。

むし歯治療はシンプルです。

むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。細菌の感染を取り除けば治ります。

そのためには2つのポイントがあります。

① むし歯を取り残さないこと。
② 治療中に感染させないこと。

は当然といえば当然のことで、「取り残すなんてことあるの?」を思われる方も多いのではないでしょうか。

1cmにも満たない歯の内部の感染を取り除くには、肉眼での経験に頼った治療では、不確実であることを実感しています。

歯の内部の暗く、小さな、目に見えない感染を取り除くには、視野が拡大でき、尚且つ安定した視野確保のできる「マイクロスコープ」が必要不可欠です。

神経が生きているか否か?根管治療が必要か?の診断にもマイクロスコープは必要と云えるでしょう。

奥歯では、治療中の歯に唾液が接触・混入することがしばしばです。

そのため、神経近くにまで及ぶむし歯治療では、ラバーダムが必要となります。

歯の神経をとる 抜く と云われた症例 神経取りたくない 画像 奥歯 痛くない レントゲン CT画像診査右画像は、術前に当院で撮影したCT立体画像所見と、断層撮影所見です。

上動画ではその様子を動画で解説しています。ぜひご参考ください。

レントゲンでは像が重なり不明瞭な点も、CTを撮影することで、正確に病状を把握することが可能です。

当院では、神経を残せつか否か?根管治療が必要か?といった、シビアなケースでは術前にCTを撮影し、患者様の術前説明だけでなく、根管治療が必要となる場合の術前診査にも役立てています。

歯の神経をとる 抜く と云われた症例 神経取りたくない 画像 奥歯 痛くない マイクロスコープ ラバーダム できるだけ削らない治療 齲蝕検知液 むし歯かどうか

齲蝕検知液を用いてむし歯を(感染の可能性なる部分)を染色し、徹底的にむし歯を削り取ります。マイクロスコープを活用することで、健全な部分を削らず、むし歯のみを削り取ることが可能です。

「できるだけ削らない治療」とはこのような治療といえるでしょう。

出血 露髄 深いむし歯 歯の神経をとる 抜く と云われた症例 神経取りたくない 画像 奥歯 痛くない マイクロスコープ ラバーダム できるだけ削らない治療 齲蝕検知液 むし歯かどうか

むし歯を削り取ることで、歯の神経(=歯髄)に達しました。これを「露髄」といいます。

歯の神経からは「出血」が認められます。

歯の神経にまでむし歯が感染・進行することで、歯の神経は徐々に壊死(死ぬ)します。
壊死すると、血流は失われ、更に壊死部分が拡大します。

適度な出血は、「歯の神経が生きている」ことを示す所見です。問題はありません。
ただし、この時点で唾液感染させないことが大切です!これにはラバーダムが重要となってくるのです。

露髄 深いむし歯 歯の神経をとる 抜く と云われた症例 神経取りたくない 画像 奥歯 痛くない マイクロスコープ ラバーダム できるだけ削らない治療 齲蝕検知液 むし歯かどうか

MTA 歯の神経をとる 抜く と云われた症例 神経取りたくない 画像 奥歯 痛くない マイクロスコープ ラバーダム できるだけ削らない治療 齲蝕検知液 むし歯かどうか

露髄部を薬液で洗浄・消毒し、MTAを貼薬します。

MTAは高アルカリ性で抗菌作用を有する優れた覆髄材です。当院では、多くの症例で応用し、良好な結果が得られています。

術後 痛みなし MTA 歯の神経をとる 抜く と云われた症例 神経取りたくない 画像 奥歯 痛くない マイクロスコープ ラバーダム できるだけ削らない治療 齲蝕検知液 むし歯かどうか

治療後の痛みはほとんどありません。麻酔をしたことによる痛みだけでしょう。

また、「しみる」「痛む」「違和感」といった症状も残りません。
これは、「むし歯の取り残し」による、神経(=歯髄)への血流増加によるものです。
感染が残っているから、そこに血液を流し込み、その内圧亢進により、様々な症状を感じているのです。

当院では、マイクロスコープを活用した精密歯科治療で、一生に一度の歯科治療・やり直しのない歯科治療を目指し、日々の臨床に取り組んでいます。

神経を残せるか否か 根管治療は必要か その症状から診断名と治療法をチェック

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