大変勉強になります。
すごく丁寧で声かけもしっかりしていて参考になります。
どうしても集中してしまうと黙りがちになってしまいます笑 質問なんですが、どうしても穿通しない根管なども存在すると思います。
そのような根管へどう対応していきますか。
抜髄なのか感染根管治療なのかなど状態にもよるかと思いますが、ご教授できますでしょうか。
コメントありがとうございます。
そうですね、なかなか開かない根管、ありますね!
私は開かない根管は開けようとしません(笑)
頑張るのは長くて5分間、それ以上はやっても無駄でしょう。
理由は、
①開けるべきところを開けようとしていない
②開ける準備ができていない
③開ける必要がない
④時間が経てば開く
この4つです。
当院では必ず術前にCTを撮影しています。
そのため、開けるべきところ、つまり根管、根尖はだいたいわかった上で根管治療に臨んでいます。
①は、根管ではないところ、根尖ではないところを開けようとしている。つまり診査診断ミス。
レッジ、トランスポーテーション、ジップ、パーフォレーションの原因です。
開かない時は、自分の仮説が間違っていると判断し、デンタルやCT診査に戻るべきでしょう。
https://miyazaki-dentalclinic.com/20288
②開口量が小さい、髄質開拡が不十分ではエンド三角が残り、根管に対してファイルがスムーズに挿入できない場合も多々あります。
そのような準備ができていないと、ファイルは元ある根管の方向へ向かわず、根尖にも向かわないため、根管が開かないことにつながります。
https://miyazaki-dentalclinic.com/26647
③根管治療は根管内の感染を取り除けば終了です。
根管を拡大すること、根尖を穿通することが、根管治療の目的ではありません。
冷水痛が続いた上での根管治療や高齢者の根管治療では、そもそも感染は根管先端にまで至っていないことが多く、根管上部の感染を取り除けば症状は改善し、根尖病変の形成に至らない場合もほとんどです。
出来るところまで拡大清掃し、あとは予後を観察する。
パーフォレーションするくらいなら、この方が良いかと感じております。
④ファイリーズなどのEDTAは1分で最大の効果を発揮し、その後いくら根管内に貼薬していても根管壁が溶けることはありません。
開けるべき状況で開かない時は、ファイリーズを挿入し、1分か、ファイルを時計とは逆回しで根管先端へファイリーズを送り込み、ファイリングのみ行います。
その後は根尖をつつきつつ、時計と逆回し。
1分経ったら再度ファイリーズで同じ操作。
これを5回繰り返して開かない時はその日は終了です。
根管内を次亜塩素酸で洗浄し、貼薬はファイリーズ時計逆回しです。次回には開きます(笑)
ぜひトライしてみて下さい!