根管治療では、根管内に感染した細菌を駆除するため、根管内壁を綺麗に成形し削ります(=拡大、形成といいます)。この際、元ある湾曲、特に根尖1/3の形態を壊さずに成形することが、治癒の予後を決定します。
ほとんどの歯の根管は湾曲しています。その湾曲した根管に器具(ファイル)を入れて不用意に拡大・形成を行うと、オリジナルの根管を逸脱した根管形成となってしまうことがあります。形成後の根管がオリジナルの根管形態から逸脱してしまうことをトランスポーテーションといいます。
従来の方法では、ステンレススチール製のファイルを使用して根管形態を形成拡大します。このファイルは歯科業者各社より製造販売されておりますが、25番以上(250ミクロンの太さ以上)のファイルでは、どの業者のファイルでも根管の湾曲に追随できないことが文献で証明されています。根管の湾曲に追随できず、従来の方法で根管治療を頑張って行おうとすると、上記のような根尖部の形態破壊が起こり、治療の予後を不良なものとすることがあるのです。
そのため、当院では根管治療の際、ステンレススチール製のファイルは8番(80ミクロン)、10番(100ミクロン)のファイルの使用に留め、それ以上のファイルは使わず、なおかつこれらの極細のファイルは使い捨て、ファイルの破折根管内残存を予防しています。
上記は当院へ紹介来院された患者さまの症例です。長年の根管治療のかいもなく痛みが残っている状況。再根管治療を行いました。レントゲンではわかりづらい根尖部分の詳細をCT画像では明確に診てとることができます。
黄色が本来の根管ですが、その部位は根管治療されておらず、根尖病変が認められます。
また湾曲した根管に追随できていないため、根尖部分でパーフォレーションを起こしていました。後記の写真より、この部位にはステンレススチール製のファイルの破折が認められました。湾曲した根管を無理にこじ開けようとしたことで、ファイルが破折し、それ以上の治療ができなくなってしまったのでしょう。
ラバーダム+マイクロスコープにて折れてしまったファイルを取り除きます。肉眼では見えません。適切な治療コンセプトと適切な治療環境でこのような破折ファイルは簡単に除去できます。
ファイルを除去し、未治療であった本来の根管をキレイにします。同時に穴があき穿孔している部位にはMTAを貼薬します。これで長年の痛みと違和感は消失しました。
―宮崎歯科医院について― 舩井(船井)幸雄先生の著書「退散せよ似非コンサルタント」(52頁の超プロの5条件で紹介される)や 私の知った良い歯科医師(歯医者)、信頼できる歯医者・名医として紹介され、インプラント&かみあわせ(顎関節症)治療で多くの患者さまを拝見する歯科医院です。東京都内、虎ノ門、虎ノ門ヒルズ、神谷町、霞ヶ関、新橋、港区、千代田区だけでなく関東近県、全国から患者さまが来院されるため、ご来院の際はお電話・メールにてご予約いただけますようお願い致します。インプラント、かみあわせだけでなく、マイクロスコープ・CT撮影・ラバーダム防湿を駆使した最先端根管治療・ホワイトニング・審美歯科・メタルフリー・予防歯科・親知らずの抜歯・歯周病治療・一般むし歯治療など、痛くない麻酔、痛くない治療で行っております、安心してご通院頂けます。セカンドオピニオンやご相談、メール相談も多数頂いておりますのでお気軽にご相談ください。