MTAとは何か?歯科

MTAとは略称です。正式名称は、Mineral Trioxide Aggregate。

簡単に言うならば、『 強いアルカリ性の水で固まる工業用のセメント 』のようなものです。

【MTAの成分】

・二酸化ケイ素
・酸化カルシウム
・酸化アルミニウム
・酸化第二鉄
・石膏
・酸化ビスマス(造影剤)

歯科用の水硬性セメントで、強アルカリ(pH12)による殺菌作用(ほとんどの細菌は、pH9.5で破壊されると言われています)、硬組織形成作用(2層目の象牙質を再生させる作用)がある薬剤です。

1990年初頭に米国で開発された歯内療法材料(根管治療用材料)です。
1998年より諸外国で臨床応用されるようになり、日本では2007年に直接覆髄(歯の神経を保護する薬)として薬事承認されている材料です。

※ 詳しくはこちらのリンクのPDFをご参照くださいね。比較的わかりやすく、2ページでその成分にまで解説した文献です。

こんな時に使用すると効果的です。

① むし歯が深く、歯の神経が露出したけれど、取らずに残す際につける薬剤
② 根管治療の際、むし歯が深く、歯に穴が開いてしまっている時
③ 根管治療の最後、根管充填の際の根管充填剤として

①は、以下のリンクをご参照ください!
https://miyazaki-dentalclinic.com/22195

②③は、以下のリンクをご参照ください!
https://miyazaki-dentalclinic.com/13709

現在、日本でこのMTAを使用する際は、①のみの使用が認められています。
②③の場合は、歯科医師の診断のもと、患者様へのご説明と同意が得られた上であれば使用が可能です。

日本ではこんような使用適用となっておりますが、世界では①②③の使用が通常使用であり、その科学的根拠を示す論文も多数散見されているのが現状です。
安心して使用できる歯科材料ではないかと感じております。

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