インプラント周囲炎

平成24年10月29日

インプラント周囲炎は、インプラント周囲組織の慢性感染症です。
インプラントを支える支持骨を溶かす疾患のため、注意が必要です!
右レントゲン写真は、他院にて施術されたインプラントフィクスチャーを写したレントゲン写真です。

患者さまの自覚症状が特にありませんが、施術したばかりのインプラント周囲の歯肉からは、排膿(膿がでていること)し、歯肉が赤く腫れた状態でした。

このまま放置すると、インプラントを失うだけでなく、周囲歯槽骨をも失うこととなり、隣り合う歯さえも失うこととなります。

このような状態をインプラント周囲炎とよび、その病態は、慢性の歯周病と類似します。

インプラント周囲炎などのインプラントを喪失する疾患は、1998年のEspositoの研究より、上部構造装着後2年以内にインプラント喪失症例の約90%が生ずると言われております。

インプラント周囲炎の診断指標として、当院でも用いている指標(2008年のヨーロッパペリオドンドロジー調べ)が、インプラント周囲炎を早期に診断するに有用です。
・ デンタルプラークの蓄積
・ 周囲軟組織の状態(腫れ、赤み)
・ プロービング時の出血(歯と歯肉の境目から出血している)
・ プロービング時の排膿(歯と歯肉の境目から膿がでている)
・ エックス線写真による周囲歯槽骨の吸収度合い

患者さま自身でもチェックできる項目もありますが、やはり、定期的に来院していただき、チェックすることがとても大切な事かもしれませんね。