むし歯は唾液中に存在する「細菌の感染症」です。細菌が歯を溶かし、神経にまで至ると根管治療が必要となります。感染した菌を除去して無菌化することが根管治療の目的です。
以下、根管治療の成功率です。
〇 抜髄(はじめての根管治療)→ 96%
〇 再根管治療(2度目以降の根管治療)
根尖病巣なし→98%
根尖病巣あり→62%
”根尖病巣”とは、唾液中のむし歯菌が歯を溶かし、神経に到達。そのまま歯根の先から外へ出て、周囲の歯槽骨を溶かして病巣をつくった状態をいいます。治療を先延ばしにすると根尖病巣ができてしまうのです。
根管治療は、どんなに無菌的処置を徹底しても、残念ながら、100%ではないのです。
また、根尖病巣のある再治療は治療成績が悪いのです。
① できるだけ早々にむし歯の治療をすること!
② はじめての根管治療は徹底的にすること(ラバーダムは必須)
とっても大切なことです。お忘れなきように!
再根管治療(2度目以降の根管治療)の成功率を以下に示します。
〇本来の根管形態が維持されている症例
根尖病巣がない場合 91.6%
根尖病巣がある場合 83.8%
〇本来の根管形態を逸脱した症例
根尖病巣がない場合 84.4%
根尖病巣がある場合 40.0%
歯根の先、神経の太さ(根管の太さ)は、約300μmです。
根管治療の不適際、根尖病巣による歯根尖の破壊などで、この300μmより大きな内径となることを「根管形態が維持されている 」といいます。
度重なる根管治療による根管形態の破壊+根尖病巣の存在により、再根管治療の成功率は格段に下がります。
①できるだけ早期に
②適切に(ラバーダム+マイクロスコープ)
③1回目の根管治療は特に大切!
この3点を根管治療の際は注意したいですね!