歯医者さんでは、何をしてもらっているのか分からず、不安な患者様が多いようです.
本動画では、どんな治療をしているのか?口の中、医師、スタッフの動きを含めて動画で解説します。
供覧する症例は、深いむし歯治療後、メタルインレーを装着。痛みが治まらない患者
様の症例です。
歯の神経を残すにはどうすれば良いか?解説していきましょう。
(上動画の概略を下に記載します、ぜひご視聴下さい)
他院で根管治療と診断された患者様の治療の様子です。
マイクロスコープを活用した神経を残す治療について分かりやすく解説いたします。
無痛麻酔が終わり、これからラバーダムを装着して治療に臨みます。
治療前や無痛麻酔、治療中の時間を使って、患者様に常にお声がけをしつつ、治療に臨みます。
歯科医師、歯科助手、歯科衛生士の3名体制で患者様をモニターしながら治療に臨みます。
むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。その感染を削り取るのがむし歯治療です。
治療中に唾液が歯に接触することは、治癒を阻害するばかりでなく再感染の機会を与えかねません。
当院では「ラバーダム」を装着して治療中の感染を予防した上で治療に臨んでいます。
歯の表面に付着した唾液を、薬液を使用して洗浄消毒します。
唾液中に存在する細菌の感染症であるむし歯治療にとって、この無菌的配慮が非常に大切な治療ステップといえるでしょう。
見て頂いてお分かりのように、私はマイクロスコープを覗いたまま治療を進めています。
患者様の状態の観察や、必要な器具の受け渡しなどは、スタッフが迅速に対応してくれます。
マイクロスコープ精密歯科治療に一番欠かせないもの、当院の優秀なスタッフといえるでしょう。
メタルインレーを外すと、神経を保護する「覆髄材」(白色)が貼薬されていました。
覆髄材は深いむし歯の際、神経を保護するために貼薬されます。
前回の治療の際、深いむし歯であったことが推察される所見といえるでしょう。
覆髄材を取り除きます。以前の治療では、ラバーダムやマイクロスコープは使用していなかったそうです
その下は茶褐色に変色していました。むし歯が疑われます。
齲蝕検知液でむし歯を診査します。水洗し、ピンク色に染色された
部分・茶褐色に変色した部分がむし歯です
このマイクロスコープ画像は肉眼の12.5倍に拡大した画像です。
微かにでも染色された部分は「細菌感染部位」です。残さずに削り取ります
マイクロスコープを活用することで、健全な部分を削らずに、むし歯のみを
徹底的に削り取ることが可能となります。
削っては染色し、削っては染色します。丁寧に、慎重に、マイクロスコープを
診ながらむし歯を削り取ります。
この精度は肉眼では困難といえるでしょう。当院では治療の様子を記録し、
治療後に患者様のご説明や後進の指導に役立てています。
神経を残す治療、根管治療では、マイクロスコープが必要です。しかし十分ではありません。
マイクロスコープに加えて、「適切な診査診断」、そしてそれを支える「優秀なスタッフ」が居てはじめて必要十分条件といえるでしょう。
むし歯を徹底的に削り取ることで、歯の神経に達しました。これを露髄といいます。
肉眼による従来の治療コンセプトでは、露髄=根管治療、深いむし歯=根管治療と診断し、歯の神経を取る根管治療に臨むでしょう。
感染の有無、歯の神経の状態を肉眼では精査できません。
そのため、疑わしい感染を取り除くため、根管治療を行うことは間違っていません。
マイクロスコープを活用することで、むし歯を取り去り、神経を直接診て「残せるか
否か?」を診断できるようになりました。ぜひ活用したい治療機器といえるでしょう。
むし歯を取り残すことなく削り取り、周囲を薬液で洗浄消毒した状態です。マイクロスコープの拡大率を上げ、歯の神経を診査診断します。
歯の神経の炎症の状態、その生死、血流の有無・部位などを診査した上で、「神経を残せるか否か」を診断します。
本症例では、神経は生きており、血流は良好です。根管治療の必要はありません。
露出した神経を保護する薬剤「MTA」を貼薬します。
MTAは高アルカリ性で抗菌作用を有する優れた覆髄材です。当院では多くの
症例で応用し、良好な結果が得られています。
1週間ほど経過を観察し、不快な症状がなければ、精密なセラミックインレーを
製作し、装着する予定です