マイクロスコープ 神経残す治療?根管治療?

宮﨑歯科医院 Youtubeチャンネル当院の動画サイト、Youtubeチャンネルにご質問を頂きました。

「根管治療でお悩みの患者様」
「歯の神経を抜かずに残したいとのご希望をお持ちの患者様」

にはとても有用な内容となっております。
ぜひご参考ください。

ホームページでは歯髄の状態を直接マイクロスコープで見た後に残すかどうかを診断するというように書かれていましたが、事前診断で根管治療すると決めることもあるのですか?

(歯髄を見る前に噛み合わせ調整しているようなので気になりました)

コメント、ご質問ありがとうございます。
回答させて頂きます。

当院のホームページ
https://miyazaki-dentalclinic.com/

まずはじめに、頂きましたご質問の文章を以下の①~③の3つに分けさせて頂き、それぞれに回答させて頂きます。よろしくお願い致します。

①『ホームページでは歯髄の状態を直接マイクロスコープで見た後に残すかどうかを診断するというように書かれていました』が、

②『事前診断で根管治療すると決めることもあるのですか?』

③『歯髄を見る前に噛み合わせ調整している』ようなので気になりました

①『ホームページでは歯髄の状態を直接マイクロスコープで見た後に残すかどうかを診断するというように書かれていました』について

神経を残す治療に関する当院のホームページ
https://miyazaki-dentalclinic.com/21762

歯の神経(=歯髄)を残せるか否かを“最終的”に決定するのは、むし歯を取り去り、歯の神経に達した場合(=露髄した場合)、歯髄(=歯の神経)をマイクロスコープで直接診て決断しています。

ただし、その前に、患者様との問診、事前診査にてある程度の“仮診断”が為されています。すべての症例の歯髄(歯の神経)を露出させ、それを直接診て診断するということではありません。

問診や症状だけでは診断しづらい症例があります。

(1)一時的に神経が炎症をおこしているむし歯の深い歯髄炎症例
(ズキズキ、ジーンとした痛み)
(2)神経がすでに死んでしまっている歯髄壊死症例
(ときおりジーンと痛むがほとんどない)

この2つの症例では以下の治療が必要です。
(1)→神経を残す治療
(2)→根管治療が必要な症例

しかし、(1)の症例でマイクロスコープがないと、肉眼では神経の状態を精査できないため、根管治療が選択されることになります。神経に近いむし歯を取り残さずに削り取る「繊細な治療」が肉眼ではできないからです。

この件につきましては、こちらのリンク、リンク内の動画をご参照ください。
マイクロスコープと肉眼による治療に違いについて知っていただけるかと思います。
https://miyazaki-dentalclinic.com/25255


むし歯の深さとその治療法について 従来の肉眼による治療法とマイクロスコープによる治療法の違いとは 深いむし歯 神経に達しているむし歯でも歯の神経は残せる

また、(2)の症例では、患者様に“来院時に”自覚症状がないため、そのままインレーやクラウンなどをかぶせて治療が終了してしまうこともあるようです。

このような、症状だけでは診断しづらい症例を鑑別診断し、適切な治療を行うには、マイクロスコープがあるととても有効です。

 


②『事前診断で根管治療すると決めることもあるのですか?』

→あります。

前述の(2)のような症例では、一時強い痛みがあったものの、症状がなくなってから来院されることがほとんどです。そのような患者様は、「なんとか神経を残せないものだろうか?」との期待を胸に来院されることがしばしばです。

そのため、患者様には根管治療の可能性が高いと説明させて頂いた上で、「できれば神経を残しましょう、でも、神経が死んでしまっている場合は根管治療をしましょうね!」とお話しして治療に臨みます。また治療中はマイクロスコープで動画記録し、神経が死んでしまっている様子を記録し、術後に患者様にお見せしてご納得頂いております。

 

当院では大変多くの「神経を残す治療」「根管治療」を施術させて頂いております。

そのため、以下の4項目を知れば、現在の病状が確定的に推断することが出来るようになっております。

・術前の症状の推移
・レントゲン所見
・CT所見
・かみあわせ診査

この4項目があれば、ほぼ事前診断は確定的なものと云えるでしょう。

治療前に、今感じている症状からむし歯の進行度合い、神経を残せるか否か?をチェックする方法があります。以下のリンクをご参照ください。

神経を残せるか否か 根管治療は必要か その症状から診断名と治療法をチェック

 

③『歯髄を見る前に噛み合わせ調整している』ようなので気になりました。

ご質問頂きました動画は、すでに根管治療が他院にて為されている症例です。

動画内でもご説明させて頂きましたが、根管治療の症例では、術後の治癒やその後の補綴(クラウン)を考慮して、「上下の歯が接触しないように」調整します。本動画症例では、痛みがあるにもかかわらず、その処置が為されていませんでした。そのため、上下の歯を接触させてないように、かみあわないように調整した次第です。

「神経を残す治療」「根管治療が必要となる症例」ともに、はじめに「かみあわせ」を診査します。上下の歯が不適切な接触をしていると、ズキズキ、ジーンとした痛みが噛んだ時、噛んだ後に残ります。この症状を心配して来院される患者様が多数いらっしゃいますが、そのような症例には「神経を残す治療」や「根管治療」といった、むし歯治療は必要ありません。かみあわせ治療が必要となります。

そのため、当院ではすべての症例で、術前に、初診時にかみあわせの診査を行っている次第です。噛み合わせのチェック法についてはこちらのリンクをご参照ください!https://miyazaki-dentalclinic.com/11517

回答は以上となります。この回答がお役に立てば幸いです。
コメントいただきまして誠にありがとうございました。

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