ドックベストセメント 痛い

まさに今日初めてドックベストセメント治療をした者です。

詰め物の中がかなり侵食されており、神経を抜くかどうかといったレベルだったのですが、一応やってみましょうということでした。

神経が露出するまでかなり削りましたが、完全には虫歯を取りきらない状態で、セメントを埋めたとの説明がありました。

今、麻酔が切れ、少し痛みが生じているんですが、動画にもあるようにセメントを埋める際は、完全に虫歯は取りきらないといけないのでしょうか。

ドックベストセメントは虫歯をかんぜんに削らなくとも、薬剤効果で治癒できるものと私も思っていたので、不安になってきました。 長文失礼しました。

コメントありがとうございます!

歯の神経深くにまで進行していたむし歯治療、大変だったことでしょう!

その後の具合はいかがでしょうか?

むし歯をどこまで削るのか?について、歯科医師によって見解は異なるようです。

これは、むし歯が唾液中に存在する「細菌の感染症」であることに起因するものでしょう。

むし歯の細菌は0.5~1ミクロンです。肉眼でも、マイクロスコープでもその存在を診る事は出来ません。そのため、100%取り除くことは不可能といえるでしょう。

取り切る事ができない細菌は、薬剤の効果でなんとか抑制する、または自己免疫力で何とか抑制するというのが、ドックベストセメントの治療意義なのかもしれません。

私はドックベストセメント治療を行わないので分かりませんが。

私がドックベストセメント治療をやらない理由は以下の通りです。

・むし歯を取り切らなくても治る?とする治療コンセプトへの疑問

・治療時にラバーダムを使用していない事

・1965年kakehashi先生の論文で、むし歯は感染症であることは論文で証明済みであること

『歯の神経は絶対に取るな』
https://miyazaki-dentalclinic.com/27335

kakehashi先生論文
https://miyazaki-dentalclinic.com/21898

・主だった歯科の学会において、その有効性を示す論文を見たことがないこと

こういった、科学的根拠があいまいな治療法を、自分自身にはしたくない!つまりは患者様にはしたくない!のが理由です。

これは私が以前大学病院にて臨床、研究、教育に携わっていた側面もあるのかもしれません。

研究論文は、、膨大なる他の研究論文を研究室の皆で読み漁り、膨大なる実験を繰り返し、必死の思いで創り上げます。

そういった論文が学会で発表され、その妥当性が認められると、歯科教育における教科書や一般歯科治療に応用されるのです。

その過程を省いている可能性のある治療法は、たとえ効果があったとしても、信頼性に欠けると言わざるえません。

治療して治る場合もあれば、治らない場合も多々あるチャレンジングな博打的要素のある治療法に私は思えてなりません。

そのため、当院では、感染症対策として、治療中に感染させないための「ラバーダム」の装着を義務付けつつ、むし歯を徹底的に削り取るために必要な「マイクロスコープ」を3機導入し、その治療の際にその使用を義務付けています。

ドックベストセメントに変わる神経を保護する薬「覆髄材」としては、MTAを使用します。

MTAは世界的にも学会において広く認められた、科学的根拠を示す論文の多い優れた薬剤です。

ドックベストセメントは厚生労働省の認可の下りている薬剤であるかどうかは不明です。

認可が無ければ、それは歯科医師が全責任において、患者様にその必要性を説明し、患者様が納得して治療をご選択いただいているのでしょう。

もし痛みが治まらない場合は、ご担当頂いた先生としっかりとしたコミュニケーションのもと、治癒へ向けて治療をがんばりましょう!

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