根管治療を受けようと思って、調べながら良い病院を探しています。
動画を拝見するととても腕の良い先生に診てもらえそうで、受診を迷っているのですが、質問させてください。
①根管洗浄時、次亜塩素酸とEDTAの交互洗浄を推奨するような資料を散見しますが、動画では使われていないようでした。 超音波振動をさせれば、EDTAによる洗浄の有無はそこまで気にする必要はないものでしょうか?
②根管充填剤として、ガッタパーチャではなくMTAセメントを用いる利点に触れている資料をよく見ます。 希望すれば神経を残す目的ではなく、根管の充填剤としてMTAセメントを使っていただくことは可能ですか?
コメントありがとうございます! 回答させて頂きます。
① 次亜塩素酸とEDTAの交互洗浄について。
その有効性を示す過去の論文を多数拝読しております。
しかし、その有効性を示す論文と、それほどの効果はないかも?とする論文があることはあまり知られていないようです。
私がここ数年でご教授頂いたペンシルベニア大学根管治療専門医の先生、UCLA根管治療専門医の先生の文献、お言葉では、交互洗浄に力をいれることはない!とされていました。
交互洗浄につきましては、私が大学を卒業したころのお話かと記憶しています。
20数年前は私もその手法を取り入れておりましたが、現在では「交互洗浄をすべく交互洗浄をする」ことはしていません。
根管内を適切に拡大清掃し、次亜塩素酸にて音波洗浄。
その後、EDTAにて象牙細管の目詰まりを解消しつつ、さらに次亜塩素酸でできる限りの長時間にわたる洗浄。
そのうえで、水酸化カルシウムを貼薬し経過観察。当院での手法です。
② 当院では、患者様のご希望をしっかりと伺い治療に臨ませていただいております。
その希望とは、 「痛くないように」 「できるだけ歯の神経を残せるように」 「できる限り再治療が無いように」 など漠然たる抽象的なご希望を叶えるべく治療に臨んでいます。
稀に、ご質問いただいたような専門的な知識を駆使して、「こうしてください!」と指示をする患者様がいらっしゃいます。
ご自身の歯で悩み、一生懸命にネットで検索し、理論武装を積み重ねてのご来院。痛いほどそのお気持ちは察するに余りある。
そのお心持には同感しつつ、その病歴を伺い、なぜそのような「こうしてください!」という言葉が出るのか?をうかがい知るべく問診させていただくようにスタッフには申し伝えております。
しかし、残念ながら、そのような理論武装は、スポーツ解説者の域を出ていないことがほとんどです。
実践ではそんなことできるわけないでしょ?相手がいたら、それは無理でしょ?意味ないでしょ?っていうことばかりです。
しかし、そのお心持には同感します。 そのため、当院では、と「当院ではこのような治療をします」という内容をご説明し、当院のホームページや動画をご覧いただき、ご決断頂いております。
ぜひ以下のリンクをご覧ください。
当院の診療はこれ以上でも、これ以下でもないでしょう。
ご活用いただければ幸いです。
ttps://miyazaki-dentalclinic.com/27550
根管充填剤としてMTAセメント用いる利点、おっしゃる通りです。
現在の日本の保険医療システムでは、その利用は認められていません。
当院では、MTAによる根管充填が必要である場合の症例にておいて患者様のご希望とご同意があれば使用しています。
しかし、それは「患者様のご希望があるから使用する」ということではなく、「私が判断し、患者様にもその希望があり、その同意が得られている」から使用するということです。
現在の日本では、また適切な根管治療では、このステップなくしてはMTAによる根管充填はできないのが現状でしょう。
歯科医師にも勝る大変専門的なご質問をありがとうございます。
ここまでの知識をお持ちであれば、ぜひ根管治療専門医の先生での治療を強くお勧めいたします! 治療、頑張ってくださいね!