MTAのメリットは?

先生、わからないことがあるので教えてください。

奥歯に被せものをしていたのですが虫歯になり神経の近くまで絵削り根管治療をするか、しなかったら後で痛みがでるかも?と言われていました。

神経を残したいのでMTA治療をしようと思います。

この治療は虫歯をきれいに取り、そのまま保険のセメントの場合とMTAの場合は中でMTAは残ってるかもしれない細菌を殺してくれるのでしょうか?

それともただの神経保護だけなんでしょうか?何のメリットがあるのですか?

どっちをするか迷います。

冷たいものは削ったら染みるようになりました。熱いものは大丈夫です。普通の治療でもいけるのでしょうか?

回答いたします。

但し、実際に拝見していないため、現在のご病状が正確に把握できていない上での回答であることをご理解下さいね。

その上で、ご担当の先生としっかりとしたコミュニケーションのもと治療にお臨み下さい。

まずは大前提として、MTAが歯の神経を残す残さない、ということではありません。ご理解ください。

例えるならば、スゴク汚れた汚染している棘が、皮膚に刺さっているとしましょう。

たとえば、全く汚れていない棘であり、身体に為害性のないとげであれば、皮膚に刺さっていても、腫れたりすることはありません。それは、棘が原因ではなく、棘が汚れている、汚染していることが「炎症の原因」だからです。

話を戻します。

むし歯の原因は唾液中に存在する細菌です。

その細菌が溶かした部分を削り取り、細菌感染を取り除くのがむし歯治療です。

そのためには2つのポイントがあります。

・むし歯を取り残さないこと
・治療中に感染させないこと

これです。

このためには、肉眼では不可能、マイクロスコープや拡大鏡ルーペといった器具が有効です。

また、治療中に唾液が触れないようにするラバーダムが絶対条件であると「当院では」考えています。

これが為されていれば、MTAでも従来の保険のセメントでも問題は無いでしょう。
なぜならば、感染が取り除けているからです。

つまりは前述の、汚れた棘がちゃんと取り除けているからです。

もし取り除けていなければ、どんなに消毒しても、どんなに優れた薬剤を使用しても、治りませんよね??

MTAは優れた薬剤ですが、取り残しがあってはその効果は減弱するでしょう。

MTAには現在の覆髄材の中では一番科学的根拠を示す論文の多い、信頼できる薬剤です。

使用しない理由はありません。

まずはご担当の先生とご相談下さい。

その上で、ご自身の歯を大切に想って頂き、ベストを尽くされてください!

よろしくお願いいたします。