噛み合わせ調整する時、寝たままでする理由教えていただけますか?
私は起きた時また違う感じがします。
宮崎先生は動画にとってくれて患者にめちゃ説明してくれて透明性が素晴らしいですね!
理由はいくつかあります!
まず大前提として、おっしゃる通り!
寝てるときと起きている時では、噛み合わせの位置が異なります。
寝ている時の方が、起きている時に比べて、後方へ噛み合わせは偏位します。
でも、その点について歯科医師は知った上で治療に臨んでいます。
また、その位置が偏位しやすい方としづらい方もいらっしゃいます。
これは頭蓋と上顎と下顎の3次元的位置関係、全身の姿勢、上下のかみ合わせに影響を受けます。
そのため、そのようなリスクのある方は、起きた時、確認をしているかと思われます。
総入れ歯などの噛み合わせの場合はほぼ必ずといっていいくらい、起こして噛み合わせを調整します。
理由は、総入れ歯は食べるために使用するものであり、起きている時に使用するもの、そして寝ている時には外しているものだからです。
では、寝ている状態で調整する理由について解説します。
それは以下の3点です。
①人工歯製作の際、後方からの咀嚼運動を再現できない
②寝ている時の噛みしめ、歯ぎしり、くいしばりの接触状況をチェックしたい
③見やすい
①専門的な内容ですが、人工歯を製作する際(インレーやクラウン)、咬合器という噛み合わせを再現する機械に型どりした模型を装着して人工歯を製作します。
その咬合器では、アゴの後方運動、つまりは寝た時、アゴが後ろに偏位した位置を再現することが出来ません(出来るものもありますが、出来ないものがほとんどです)。
そのため、その動きをチェック、再現するために、寝かした状態で調整しています。
②装着する人工歯が長く持つために一番大切なことは、「歯ぎしり、かみしめ、くいしばり」に対抗できる歯を製作・装着することです。
そのためには、寝ている状態での歯の動きを知り、チェックする必要があるでしょう。
③起きている状態で覗き込むようにして「㍈単位の調整」をすることは困難です。
そのため寝かして調整を行いますが、その際には、どの程度チェアを倒すのか?どの程度ヘッドレストを傾けるのか?それをすることで、どの程度のアゴの偏位が推測できるのか?そしてその患者様の姿勢は噛み癖は?などを考えて調整します。
またそもそも論として、人間は、起きている間、たとえば24時間の間、歯が接触するのは7分から15分といわれています。
これは咀嚼と嚥下の時の、数百グラムの力です。
これ以上接触している方は、異常!それは歯ぎしり噛みしめくいしばり!!異常な癖であり、歯を痛める原因です。
人間は安静時、上下の歯は接触していないということになります。
上記をまとめますと、確かに起きている時の接触は大切ですが、起きている時の接触はわずかな時間でわずかな力であることが分かります。
つまりそれほど問題ではないということです。
気を付けるべきは、寝ている間のくいしばりや歯ぎしりに対応できる「噛み合わせ」を設定すること、チェックすることです。
この回答が少しでもお力になれていれば幸いです。