CT レントゲン 被ばく線量 

いつも先生の素晴らしい治療を勉強させて頂いております。

先生の歯科用CTの撮影基準をお教え頂けないでしょうか。

医療被曝大国といわれている日本で、いつも歯科用CTの撮影を躊躇してしまいます。

私の撮影基準は、感根処においてデンタルx-rayを撮影した上でマイクロエンドしても 全然わからない! という場合にのみ、患者に歯CTのメリットデメリットを説明の上撮影するというものです。

数年前にCTを導入してからずっと悩んでおります。

お時間あればご教示頂けると幸いです。 よろしくお願い致します。

コメントありがとうございます!

医療従事者としての高い見識と患者様に対する思いやり溢れるご質問に頭の下がる思いです。

当院には大変多くの患者様が根管治療や歯の神経を残す治療でご来院頂きます。

そのほとんどが、他院にて治せなかったような症例ばかりです。

当然、病状としても、患者様のお心持ちとしても重症度の高い症例ばかりです。

そんなとき、CTを術前に撮影することは、我々歯科医師にとって、その病状を術前に把握できる!つまり適切な診断が可能となり、適切な治療法の選択が可能となります。

つまりは、治療により改善できる症例なのか否か?それ以上の治療の可能性をあらかじめご説明する必要があるの否かなど、今後の治療について、患者様に明確に説明し、治療に臨むことが『CT』により可能となります。

症例を山にたとえるならば、患者様は近くの山にハイキングのつもりでいらっしゃいますが、実際はエベレストに登らなくてはならない、、、こんなこともあります。

近くの山にハイキングならば、準備・心構えはいりませんが、エベレストならば、話は別です。
準備、ルート決めなどが不可欠です、遭難してしまいます。

そのためには、CT。航海ならば羅針盤、山登りならばルート決め、地図となるCT。適切な診査診断には必要不可欠なるものと考えています。

先生からのお話しにもあったように、「感根処」「デンタル」である程度の仮設を立てて、マイクロエンド!
でもやってみたけど治療結果が伴わない。

例えば、レントゲンでは見えれい「前頭面断」で見てみると、歯根尖が歯槽骨外にあった。
こういった症例は治癒が遅い。だからこそ、患者様が他院での根管治療後に違和感と痛みを訴えていた、、、なんてこともあるかと思います。

その他にも、レントゲンでは分からないけれど、CTなら明白ということがあるでしょう。

こういった症例の患者様には、私は「CT撮影の重要性」を説明します。
CT撮影による被ばく線量のマイナス面は説明しません。0.1ミリシーベルトでは、人体に影響を与えづらい可能性が高いことは周知の事実だからです。
これから一生懸命に治療に臨もうとしている患者様の心を折りかねない「素晴らしい診査機器のマイナス面」を説明する理由を感じないからです。

ただし、抗がん剤治療や全身疾患を抱えて被ばく線量がかさんでいる患者様もいらっしゃるのは事実です。

そういった患者さまは、こちらが言うまでもなく、そのような経緯をお話しくださいますので、その点配慮した上で、CTの撮影の重要性は説明しつつ、患者様にご選択いただきます。

治療は、「治すためにある!」。そのためには「CT」は「絶対不可欠である!」ことを説明する「強い意志」が歯科医師には必要です。

被ばく線量を考えて、撮影する必要性に「疑い」を感じるのであれば、それは「要らないに等しい」。私はそう考えます。

そのため、レントゲンのみである程度、診断仮説がたち、その仮説で治療に臨んだとしても、対処可能である場合は、CTの撮影の話すらしません。

CTは、我々の治療に大変有用な診査診断機器ではありますが、それをどう使うのか?否か?そしてその結果をどのように「診て」、どのように「生かすのか?」
これは患者様、そして「我々歯科医師」に委ねられるものでしょう!

先生が必要と判断した場合、迷わず、その必要性を熱く語り患者様とともに「治癒という共通のゴール」を目指して頂きたいと「私個人」としては感じております。

この回答が少しでもお力になれていれば幸いです!