寝た状態で噛み合わせを診る理由とは

歯の高さを見るとき、 歯の型取りをするとき、 赤色のシートでチェックしたり セメントみたいなやつを入れる型取りが あると思うのですが あれ、寝転びながらやるとふだんの 食べてるときの噛み合わせとすこし違って 食べてるときの噛み合わせと違うなー って違和感があるのわたしだけなのかな?

まさにおっしゃる通りです!素晴らしいコメントありがとうございます!

座っている時、寝ている時、立っている時など、『姿勢』によって噛み合わせは変わります。

厳密にいうと、上下の歯の接触というよりは、『下顎骨の位置』が変わります。

その変化の仕方は、人によって様々ですが、ある一定の法則があります。

姿勢、呼吸、上下顎と頭蓋の3次元的位置関係などなどなどの因子によって、噛み合わせが『変わりやすい方』、『変わりづらい方』がいますが、
どんな方でも、下顎骨の位置はマイクロ単位で変化します。

そのため、立っている時、座っている時(座り方も関係します)、寝ている時によって『赤色のシート』のチェックによる診査は変わりますし、この動画でありましたような噛み合わせを採る時の結果も異なります。

そのような状況を事前に歯科医師は見極めた上で噛み合わせを診査しています。
まずこれが大前提です。

本症例の患者様は、上下の接触関係は起こしても寝かしても大きな変化がない症例です。
でも!マイクロ単位で変化します。では!なぜ寝かしたまま噛み合わせをチェック、診査、採得しているのか?ということになるでしょう!

人間は、24時間中、7分から15分しか上下の歯が接触しないといわれています。これは論文で明らかとなっている周知の事実です。

これは「咀嚼と嚥下」つまり食事をして飲み込む時の数百グラムの接触のみです。

この接触により、歯が壊れることはまずありません。

問題は、無意識下の歯ぎしり噛みしめ、くいしばり。つまりは睡眠時の状態です。

この睡眠時の異常接触の際、歯が壊れないようにすることが、「私は」大切である感じています。
この教えは、私が大学院で主任教授より口酸っぱく頂いた教えです。

そのため、上記の様々な因子を考慮しつつ、原則睡眠姿勢、水平位での噛み合わせの採得、診査を重要視しています。

もちろん『変わりやすい方』『総入れ歯のご高齢の患者様』などにつきましては、その限りではありません。