初めまして。今治療の事で迷いがあり、こちらのYouTubeを見つけました。
左下一番奥とその隣の歯の数年前の数回の根管治療の処置が悪く、根尖性歯周炎(左下1番奥は歯の骨が溶けています。
左下2番目奥は歯根が炎症)と診断され、「意図的再植」を薦められています。「意図的再植」は成功率60%と内容(抜糸してまた戻す。もし、失敗なら完全抜糸)を聞いたら怖くなり、なるべく歯を弄らない方法を選びたいとおもっています。
先生の動画を拝見して、出来たら「再根管治療」、無理なら「歯根端切除」がいいなと思いました。
今は、一番奥の被せが取れていますが、特に日常に支障のある症状がありません。押したら特有の違和感みたいなのはあります。
診断しないと分からないと思いますが、先生のご意見をお聞きしたくコメントをさせて頂きました。
お忙しいと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
ご質問ありがとうございます。
左下の奥歯に根尖性歯周炎の診断を頂き、治療法に迷いが生じていらっしゃるとのこと。
大変よく分かります。
日常の生活に支障のない状況であれば尚のことでしょう。
実際に拝見していないため明確・適切な回答とはならない可能性が多々ございますが、頂いた文章より推測させていただき回答させて頂きます。よろしくお願い致します。
まずは今後どうすれば良いのか?について結論から回答します。
① 何もしない
② 再根管治療をラバーダムとマイクロスコープで徹底して行う
③ ②で改善無き時は、1番奥は、「意図的再植」一つ手前は症例によっては「歯根端切除」あるいは「意図的再植」を行う
④ それでも改善無き時は、①あるいは丁寧に抜歯(ソケットプリザベーション)を行いインプラントを考える
今後起こりうるマイナス面を考えて、方針を立てるならば、このようになるでしょう。
ただ、病状を正確に理解できたとしても、「それでもやりたい、やりたくない」という「感情」があります。
その点は、患者様がご自分でご決断をする、これが大切なことではいかと感じています。
よろしくお願い致します。
①~④について解説します。
①
症状がないならば、以下の点に注意した上で、経過を観察するのも良いことでしょう。
・3~6カ月おきにチェックしてもらう
・必要であれば定期的にレントゲンあるいはCTにて「骨の病状」を精査する
病状が悪化する傾向にあれば、②以降に処置を進めた方が良いでしょう。
②
治療をするならば、徹底すべきです。
むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症、その細菌は0.5~1.0㍈、目で見ることはできません。
徹底して治療に臨まなければ、結果は伴いません
③
それでも改善ないこともあります。
②の根管治療とは、「歯の内部の感染を取り去る治療」です。
歯の内部を通り超えて外部に及んでいるものは、外部の感染を取り除く必要があります。
1)歯根端切除
2)意図的再植
3)抜歯
この3つです。
1)の歯根端切除術は、適応症があります。
周囲の骨が厚い、あるいはその歯の植立方向によっては適応症外です。
一番奥は2)が適応症となることがほとんどです。
④
それでも改善無き時もあります。
であれば、これ以上の感染拡大による「骨吸収」を防ぐためにも抜歯が最善の治療法となります。
ぜひご担当の先生とお話いただき、しっかりとした治療に臨まれてください!
頑張って下さいね!!