歯性上顎洞炎について

平成24年7月10日

先日、耳鼻咽喉科の権威 佐藤公則先生の御講演を拝聴してまいりました。
歯性上顎洞炎とは、歯性副鼻腔炎とも呼ばれ、ちょうど目の下、頬骨の下あたりにある「上顎洞」という骨空洞内が炎症を起こす病気です。


上顎洞は、鼻・副鼻腔の一部であり、その炎症は、上顎洞に起因する場合と、歯に起因する場合、その両者の場合とがあり、歯科的治療が効果を奏する場合もあれば、耳鼻科的治療が効果を奏する場合もあり、歯科と耳鼻科の協力がとても大切です。

歯が起因する上顎洞炎は、
上顎臼歯(奥歯)の根管治療やインプラント治療が関連することが多く認められます。

この際は、起因歯の治療あるいは抜歯も大切なことではありますが、安易に抜歯するのではなく、耳鼻科的な治療アプローチを先行し、炎症を緩解した後に、起因歯の治療を行った方が、良好な経過をたどるとのお話も聞くことができました。

歯やインプラントが原因で、このような耳鼻咽喉科領域の疾患を誘発するようなことがあってはなりませんが、そのようなことが起きた場合でも、耳鼻咽喉科および歯科が協力し、しっかり対応しなくてはなりませんね!