当院のYoutubeチャンネルにご質問頂きました内容その回答を供覧させて頂きます。その内容は、インプラントをすべきか?移植をして天然歯を削りブリッジをすべきか?です。同様の内容のご質問を多数いただいております。ここに供覧させて頂き、ご参考頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。
いつも動画を楽しく拝見させていただいております。
先日親知らずの移植を控えておりましたが、やはりインプラントにしようか迷っていて中々治療出来ずにいます。
67欠損で、右下7番の部分に親知らずを移植して、567番でブリッジしましょうと言われてます。
ですが最近になって、やはりインプラントにしようかと思ったんですが、既に右上奥歯はブリッジ治療済で下の奥歯をインプラントにすると噛む力が強すぎて右上のブリッジはもたないと言われました(–;)。
一生の事なので中々決断出来ずにいます。
本当にブリッジしか治療選択はないのでしょうか?
いつもご視聴頂き恐縮です。本当にありがとうございます。
ご質問頂きました内容に回答させて頂きます。
実際に拝見していないため、適切な回答とならない場合もございます。
一つの参考意見として捉えて頂ければ幸いです。
よろしくお願い致します。
ご質問内容を確認させて頂きますね。
『右下67欠損で右下7に親知らずを移植。その後、右下567をブリッジにする、という治療をご担当頂いている先生にご提案されている。
また、それに対して、6と7にインプラントを埋入設置する方法はどうか?とお考えになっている。
それに対してご担当頂いている先生は、インプラント治療だと、噛む力が強すぎて、右上のブリッジが持たない?と回答されている。』
この内容でよろしいでしょうか?
これにはいくつかのポイントがあります。
① ご担当頂いている先生はインプラント治療をすることができる先生でしょうか?
② 67相当部の骨は、幅・深さ共にCT撮影を行い、十分にありますでしょうか?
③ 移植される親知らずの根管治療はどのようにされますでしょうか?
④ 右下5はインレーやクラウンが被さっている歯でしょうか?また歯の神経はありますか?根管治療済みの歯ですか?
⑤ 右上のブリッジの支えとなっている歯は、根管治療済みの歯でしょうか?神経の生きている歯でしょうか?根管治療済みであれば、根尖病変などはありますか?根管治療は十分になされているでしょうか?
ご担当頂いている先生が多くの移植症例をお持ちであれば、移植によるブリッジ治療は非常に良い治療法ではないかと思います
インプラントは入れ歯と比較すると食べやすく違和感も少ないためメリットの多い治療法といえるでしょう。ただ、天然歯を比較すると、歯根膜の感覚受容器がないため、「噛み心地」「かみしめた感覚」を得ることはできません。
移植することで、その「歯根膜の感覚受容器」が得られるのであれば、お勧めできる治療法といえるでしょう。
但し、右下67がすでに欠損しているとのこと。ということは、右下はすでに抜歯した状態ということになります。そこに移植するには、骨を形態修正(移植する歯が入るように歯槽骨を削る)した上で、歯を移植することになるでしょう。
私はそういった症例をもっておりません。
そのような症例は非常に難易度が高く、移植した歯と骨が癒着したり、移植した歯と骨が上手く結合しない場合もあると文献にはあり、その成功率を考えると、当院ではインプラント治療の成功率の高さを重んじて、インプラント治療を行っています。
移植には職人的な難易度を感じているのが私の実感ではございますが、多くの症例をお持ちの先生であれば、インプラント治療より、成功率の高い治療法言えるでしょう。
患者様としては非常に悩ましいですね。移植症例をお持ちかどうかの判定も難しい。
もし、ご担当頂いている先生とコミュニケーションが取れるようであれば、素直にご質問してみるの一つの方法でしょう。
聞きづらい場合は、その先生が「インプラント治療」をされているのかどうか?を調べてみて下さい。インプラント治療の症例も多く持っている上で、移植をご選択されているのであれば、そのお言葉には重み・信頼性を感じざるえません。
ただ、右下にインプラントをすると、右上のブリッジが駄目になる?というお言葉にはやや疑問を感じざるえません。
適切な咬合でインプラントを装着すれば、右上のインプラントが駄目になるということは、当院ではありません。
このようなご説明をされる理由として、
・右上のブリッジの形態、適合状態が既に不良である
・右上のブリッジを支える歯の状態、根管治療の状態が既に不良である
・インプラント治療の症例が少ない、あるいは多くの成功率の高い移植症例をお持ちである
こういった理由が推察されます。
私は歯科医師であり、私の仕事は医療です。
歯科医療はすべてが外科手術であるため、一度治療をするともとには戻りません。
そのため、患者様には「最善、最高」の医療をご提案するように心がけています。
歯科医師すべてがそのような心持ちで日々の臨床に取り組んでおります。
ただ、私も含めて得意不得意という分野がございます。
私は矯正治療、小児の治療は症例数が非常に少なく、不得意ではありませんが、症例数の多い専門医の先生には遠く及ばないのを自覚しております。そのため、治療法に悩む場合は、専門医に対診し、紹介することがほとんどです。
インプラント治療や移植もそのような専門的知識を必要とする治療法といえるでしょう。
得意不得意がございます。
ご担当頂いている先生にも得意不得意があるかと思いますので、その点お話しして頂いた上で治療法をご選択頂ければ幸いです。
私は移植の症例が少ないため、移植する際は、抜歯と同時に移植る方法のみを採用しております。移植後は根管治療が必要となることが多いため、移植した歯の根管治療についてもご説明しております。
ブリッジは通常3本で支えるところを2本で支えることになります。支える歯には少なくとも1.5倍の力がかかるでしょう。
根管治療した歯に、1.5倍の力をかけるよりは、成功率の高いインプラント治療を行っているのが当院の現状です。
インプラント治療を適切に行うことで、残っている歯に更に負担をかけることはありません。例えば、右下の5番目の歯です。削ってつなげてブリッジを入れる必要がなくなります。
インプラント治療には多少の費用は掛かりますが、残っている歯を削ったり、つなげたり、被せたりする必要がないため、当院では欠損に対してインプラント治療をお勧めしております。
実際に拝見していないため適切な回答と放っていないかもしれません。現在、ご担当頂いている先生は一生懸命みて下さっていることでしょう。しっかりとコミュニケーションをとって頂き、最善の治療法をご選択頂ければ幸いです。どんなことがあっても、最後まで責任を持ってください歯科医師の先生がいれば安心です。
この回答が少しでもお役に立てていれば幸いです。
よろしくお願い致します。 宮崎