右下小臼歯の抜歯と同時のインプラント手術の症例です(抜歯即時インプラント手術)。
レントゲン矢印の歯の歯根が折れてしまいました。歯で大変ご苦労を重ねてきている患者様。折れたは、以前にファイバーコアにて処置をさせて頂いてたのですが、ブラキシズムにより折れてしまいました。破折しないようにファイバーコアを用いて、かみあわせについても細心の注意を払い、ナイトガードも使用していたのですがとても残念でなりません。
術前には”CTシミュレーション”を行います。CTなしに、インプラント治療はありえません。当院にはCTを常設、インプラント治療だけでなく、根管治療、親知らずの抜歯の際に使用します。
このシミュレーション通りに術式を行います。当然、CT撮影にて骨幅骨量が不足した際は、インプラント治療を断念する場合もあります。本症例では下歯槽管までの距離、骨幅共に十分でしたので、歯根破折により失われた骨は、β-TCPという人工骨+自家骨にて補い治療することとしました。
手術中、患者様のお顔まわりはドレープという布を被せます。お口以外は滅菌消毒した布で覆い、術中の感染を未然に防ぎます。手術には、手術を行う歯科医師、第1アシスタントの歯科衛生士、第2アシスタントの歯科衛生士、術中のカメラ記録の4名で手術に臨みます。
まずは無痛麻酔。その後に抜歯します。できるかぎり歯肉を傷つけずに抜歯することで、周囲歯肉への血液供給を保ちます。このように丁寧に抜歯することで、術後の痛みが少なく、治りの早い予後が得られます。もちろん、この後に埋入するインプラントフィクスチャーの定着も良好なものとなります。インプラント治療の際は、ただ抜いてはいけないのです。歯肉を傷つけず、その下の骨を傷つけない丁寧なテクニックが大切です。
抜歯後は通常通り、ドリリングを行います。通常のインプラントは、骨に穴をあけてそこにインプラントフィクスチャーをねじ込みます。しかし抜歯と同時にインプラントを埋入する場合は、穴はすでに空いています。抜歯により生じた穴に、最小限にドリリングを行い、インプラントフィクスチャーを置いてくるのです。あとは自然の治癒にまかせます。より自然に、より痛みなく、より治癒がはやい、より骨を残すインプラント治療が当院の抜歯即時インプラント手術です。インプラントをお考えの患者様は、ただ抜歯してはいけません。抜歯と同時にインプラントを埋入するか、それができない症例ならば、骨をつくりましょう。インプラントについてご心配なことがあればご相談ください。
インプラントフィクスチャーは滅菌消毒、厳重にパッキングされた状態で用意されます。慎重にとりだし、丁寧に、ゆっくりとインプラントフィクスチャーを骨内に埋入します。過度な力、早すぎる埋入スピードは、骨に熱をもたせ、骨壊死をまねき、骨とインプラントフィクスチャーの結合を阻害します。結果失敗症例となるのです。
インプラントフィクスチャーの埋入には、インプランターという機器を使用します。埋入速度、トルク、注水などを自動コントロールできるインプラント治療に不可欠な治療機器です。また、最終的な繊細な埋入には、写真のようなトルクレンチを使用します。
埋入が終了した状態が左の写真です。右写真はそのインプラントフィクスチャーにキャップ(封鎖キャップ)を装着するところを記録しています。歯肉より4mm下、歯槽骨よりマイナス1mmの位置までフィクスチャーを埋入することで、審美的にも機能的にも優れたインプラントを植立することができます。
左写真は、埋入したインプラントフィクスチャー周囲にβ―TCPと自家骨を混ぜた人工骨を填入した状態です。これにより、よりしっかりとしたインプラントまわりの骨をつくることができます。傷口にはテルプラグというアテロコラーゲンをおきます。縫合はしません。この後に一工夫を加えて治療終了です。この一工夫で痛みのない術後がえられます。
写真は翌日の状態です。患者様に痛み、腫れなどの不快な症状は全くありません。
以上がインプラント抜歯即時埋入手術の治療手順です。
最初から最後まで、無痛麻酔・無痛治療です。なんだかわからないうちに手術は終わります。時間にして30分ほどでしょう。
インプラント治療について(保険外治療・自費治療)
治療内容
人工の歯の根をあごの骨に埋め込み、それを土台として人工の歯を作製します。
入れ歯やブリッジ治療とは違い、固定源があごの骨なので、咬合力が強く、他の歯に影響なく、欠損部分に人工歯を補綴することが可能です。
標準費用(自費・税別)
45万円(1本あたり)
インプラント治療は保険が適用とならないため注意が必要です。
治療期間・回数
インプラントの治療期間は、およそ数ヶ月~半年以上(手術内容・方法による)です。治療内容は、下記の①~⑤のような流れとなっています。
①カウンセリング~治療の検査・計画
②1次手術
③2次手術
④人工の歯を作製・装着
⑤定期検診(半年に1回程度)
インプラント治療では、2回の外科手術を行います。
1次手術でインプラントの埋入を行い、2次手術で土台を設置します。この土台は、アバットメントといわれ人工の歯を装着するために必要なものです。
1次手術と2次手術の間には、埋入したインプラントと骨の結合を確認するため、約3~6ヶ月間の治療期間があります。
口腔内の状況や治療内容により異なります。
メリット
歯を欠損された患者様がインプラント治療を行うことで、再びしっかりと強く咬め、美味しく食事を楽しめるようになります。隣の歯を削る必要もなく、ブリッジや入れ歯と比較して安定性に優れています。発音がしやすくなったり、セラミック歯で見栄えよく仕上げることができるので、笑顔に自信が持てるようになったりまします。
副作用やリスク
治療には手術を伴います。重度の歯周病がある場合脱離のリスクが高くなります。体質等によりインプラントと骨の定着が困難な場合があります。骨の状態により増骨等の処置が別途必要になります。全身疾患の持病がある場合は主治医にご相談ください。
また、埋入後に口腔内の衛生管理を怠ると、インプラント周囲炎に罹り、健康な天然歯が歯周病で抜けるのと同じように抜け落ちてしまう可能性があります。
インプラント治療のリスク
インプラント治療における主なリスクは下記の3つです。
①血管損傷
②神経麻痺
③手術後の腫れ・痛み
血管損傷・神経麻痺は、血管や神経が「ドリル」や「インプラント自体」によって損傷することで起こるリスクです。インプラント手術の検査~計画を入念に行うことでトラブルを回避できます。起こった場合は、回復に数日~数週間の時間が必要です。
また、個人差がありますが手術後の腫れや痛みを伴うリスクもあります。こちらは、時間経過と共に治まっていきますが、痛みが酷い場合は「痛み止め」の服用が可能です。
※メリット・副作用・リスクには個人差があります。
インプラント治療と、他の治療との違い
「入れ歯」や「ブリッジ」は天然の歯を治療しているのに対して、「インプラント」は人工物を埋入することから、治療内容が大きく異なります。
また、「差し歯」との違いは「歯根は残っているか・いないか?」という違いです。
歯根が残る差し歯では、治療時間や治療費が短め・安めというメリットの反面、変色や歯根の割れの可能性といったデメリットがあります。
―宮崎歯科医院について― 舩井(船井)幸雄先生の著書「退散せよ似非コンサルタント」(52頁の超プロの5条件で紹介される)や 私の知った良い歯科医師(歯医者)、信頼できる歯医者・名医として紹介され、インプラント&かみあわせ(顎関節症)治療で多くの患者さまを拝見する歯科医院です。関東 東京都内、内幸町、虎ノ門、新橋、霞ヶ関、神谷町、港区、千代田区だけでなく関東近県、全国から患者さまが来院されるため、ご来院の際はお電話・メールにてご予約いただけますようお願い致します。インプラント、かみあわせだけでなく、マイクロスコープ・CT撮影・ラバーダム防湿を駆使した最先端根管治療・ホワイトニング・審美歯科・メタルフリー・予防歯科・親知らずの抜歯・歯周病治療・一般むし歯治療など、痛くない麻酔、痛くない治療で行っております、安心してご通院頂けます。セカンドオピニオンやご相談、メール相談も多数頂いておりますのでお気軽にご相談ください。