当院のYoutubeチャンネルに頂いたご質問を供覧させて頂きます。
ご質問は、『再根管治療した後、抜歯と説明されました。。。なぜ?』という内容です。
根管治療でお困りの患者様はぜひご一読下さい。
ご質問
根幹治療して神経を抜いた歯は弱くなっているので、次痛くなったら抜歯ですと他の患者さんに言っているのを診察室で聞いた事があります。
何故でしょう?
当院の回答
こんにちは!コメントありがとうございます!回答させて頂きます。
よろしくお願い致します。
頂きました文章から2つの条件が考えられます。
① はじめて神経を取る根管治療を行った後のご説明。
② 以前に根管治療をしたことがあり、痛みが出て、再度根管治療を行った後のご説明。
おそらく①ではないかと推察致します。
もし①だった場合は、次のことが考えられます。
・何らかの理由で、患者様がお口を開けられず、再治療ができない
・歯科医師の技術に問題がある
②の場合について回答します。
歯科医師に、適切な根管治療ができないという前提条件は外します。
適切な根管治療とはどのようなことか?
「良い根管治療」についてはこちらのリンクをご参照下さい!
https://miyazaki-dentalclinic.com/25051
「抜歯する前に見る動画」
https://youtu.be/j6sSM0riGck
通常、「弱くなっている=次痛くなったら抜歯」にはなりません。
何らかの理由があるのでしょう!
そのため、この「~弱くなっているので」という言葉の真意について考察する必要があります。
患者様にわかり易く説明するために、再治療ができない理由をわかり易く表現するために「弱くなっているため治療できない」と表現したかったのではないでしょうか。
実際に拝見していないため、その病状とその担当医の真意は推測の域を出ません。
そこで、回答となるか心配ではございますが、今回の症例のように、「再根管治療ではなく抜歯が適当となる場合」について回答させて頂きます。
1)他院で根管治療した歯が痛い
2)当院で再根管治療をする
3)今後、痛みが出た際は抜歯となる可能性がある
この3つの条件を満たす場合はどのような条件か?で回答させて頂きます。
このような条件を満たす場合はひとつです
「細菌の感染が歯の内部だけでなく、歯を支える骨にまで及び、歯を支える骨が広範囲に溶けてなくなっている症例」です。
当院では、このような症例の場合、治療前の段階で、患者様に次のようなご説明をさせて頂いた上で、再根管治療に臨ませて頂いております。
『●●さんの今回の痛みは、以前に根管治療した歯の、その歯を支える骨が溶けてなくなっていることが原因です。
その原因として考えられるのは、以前の根管治療が不十分であったことかもしれません。
むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。
感染が残っていると、歯を支える周囲の骨にまで影響を与えます。骨は溶けてなくなります。
「周囲の骨がなくなっている原因」が、「歯の内部の感染が残っている」ことであれば、再根管治療をすることで治ります。
しかし、細菌感染が、歯根の先端から出て、外部へ拡がっていても、今回のような症状を示します。
根管治療は、「歯の内部、根管内の感染を取り除く治療」です。
根管外部の感染は取り除けません。
そのため、今回、再根管治療をしたとしても、“感染が外”にあれば、治らないでしょう。
そのような症例では、歯根端切除術というものを行い、外科的に外に出た感染を取り除きますが、●●さんの場合は、その骨の無くなり度合いが大きすぎるため、適応症ではありません。
まずは適切な根管治療を行ってみて、その効果があるかどうか、チャレンジしてみませんか?その上で、改善すればありがたいですね。
しかし改善しないのであれば、感染は外に出ていると鑑別診断されることになります。
そのような場合は、いったん経過を観察するのもいいでしょう。
しかし、痛みや症状が再発するようであれば、これ以上の感染拡大をさせないためにも、周囲の歯を守るべく、「抜歯が最善の治療法」となるでしょう。』
こんな感じでご説明させて頂いております。
おそらくではございますが、本症例の患者様も、ご担当医頂いていた先生の真意も、このようなことではないかと推察しております。
この回答が、ご期待に沿える回答となっていれば幸いです。
「当院の抜歯基準」のリンクを添付致します。
上記症例は、当院の抜歯基準の①一般的抜歯基準の1)に該当するかと思います。
ご参考下さい!
https://miyazaki-dentalclinic.com/25415
歯根端切除術につきましては以下のリンクをご参照下さい!
https://miyazaki-dentalclinic.com/20031