歯科で働いてる者です。 RCFの際はビタベックスを成人した方に使うのはおかしいという事でしょうか?
コメントありがとうございます!
お仕事大変お疲れ様です。ご同業の方にコメントを頂けること、大変ありがたく嬉しく感じます。
ありがとうございます!
回答させて頂きます。
よろしくお願い致します。
まずはご質問頂きました内容にお答えする前に、根管治療について、当院の考え方、その前提を整理させて頂ければと思います。
よろしくお願い致します。
根管治療の目的は、細菌感染を取り除くことでしょう。
しかし、見えない細菌の感染症です。ベストを尽くした根管治療であったとしても、その感染がすべて取り除けているか否かは明らかに出来ないのが現実です。
ベストを尽くした根管治療、良い根管治療とは何かについて、以下のリンクで動画を交えてまとめさせて頂いております。ぜひご活用下さい。
https://miyazaki-dentalclinic.com/25051
そのため、根管治療後は、たとえ根管内に微量の細菌が残っていたとしても、その細菌を歯の内部から出さず埋葬し、不活性化させる必要があります。
これが根管充填です。
根管充填につきましては、以下のリンクで詳細にご説明させて頂いております。
ぜひご参考下さい。
根管内を緊密に充填することで、根管外へ、歯の外部への感染を防ぐのが根管充填です。
そのためには、根管充填材としてガッタパーチャ、象牙質との接点にはMTA配合のBCシーラーが最適であるとするのが現在の見解のようです。
根尖および象牙細管をBCシーラーで封鎖しつつ、内部をガッタパーチャ樹脂で密閉封鎖し、上からは接着性セメントでファイバーコアを装着。内部に細菌を埋葬します。
これが当院で目指す根管充填です。
この根管充填をするためには、「根管内に細菌を埋葬するという点」において、ビタペックスでは不十分ではないかと考えております。
水酸化カルシウムとヨードを含んだ薬剤であるビタペックスは、生体内で吸収消失する可能性もあり、根管内の細菌を封鎖するためには十分ではない可能性があります。
その欠点を利点として適用しているのが、乳歯への根管充填です。乳歯の歯根は永久歯の萌出と共に吸収します。その際にガッタパーチャ樹脂があると邪魔になってしまいますよね。
成人では、しっかりと根管治療が為され、これ以上根管内を洗浄消毒する必要が無いと診断されれば、根管充填材はガッタパーチャやMTA、BCシーラーが選択されるでしょう。
この動画では、その選択が為されておらず、尚且つ、その手前には齲蝕検知液に染まるむし歯が認められました。
樋状根とい変形根管、ラバーダムやマイクロスコープもなく、症状も改善しないことから、さらなる治療や再治療、または根管治療専門医の先生が治療する可能性も考えた上で、前医の先生が再治療のしやすい「ビタペックス」を使用され、一時終了としたのではないかと思っております。
「歯科で働いてる者です。 RCFの際はビタベックスを成人した方に使うのはおかしいという事でしょうか?」
このご質問にお答えるするならば、“根管治療が適切に為された上での歯根の完成した成人の最終の根管充填材”という前提条件では、ビタペックスでは根管充填材として不十分ではないかと感じております。
しかし、根管治療が上手くできず、再治療を考え、症状を一時改善、経過を見る上では、適切な治療法といえるかもしれません。