通っても通っても治らない。
治療も痛い。
いつ終わるんだろうか・・・。
こんな印象をお持ちではないでしょうか?
本動画では、痛くなく、少ない回数で、なおかつ短期間で治る根管治療について、実際の症例を交えて、分かりやすく解説します。
・なぜ少ない回数で、短期間で治すのか?
・どうやれば治療後も痛まないのか?
・根管治療をしっかりやってもらいたい!
根管治療、歯科治療に対するこんな疑問・ご希望にお応え出来る動画となっています。
ぜひご活用いただき、良い根管治療、歯科治療を受けて頂ければ幸いです。
他院にてインレーのやり替え治療をされた患者様。治療後よりズキズキとした痛みがあり、再度受診すると根管治療となりました。
根管治療後もズキズキと痛み、再度受診すると、歯が折れているので抜歯と説明され、痛みを抱え当院を受診されました。
拝見すると、かみあわないように歯が削られているものの、仮蓋(かりぶた)の部分が強く当たっっています。これでは痛みます。
口の中は根管内の消毒剤として使用されているパラホルムアルデヒド製剤の臭いがしています。普通にしていても痛む状況です。
歯が折れているかのような破折線も認められます。
歯が折れていたとしても、まずは炎症を治め、痛みを軽減する必要があります。
抜歯はその後に考えても遅くありません。
まずはラバーダムを装着し根管治療に臨みます。
治療中に歯に唾液が接触することは、治癒を阻害するばかりでなく、再感染の機会を与えかねません。
根管内を無菌化するため行う「根管治療」において、ラバーダム&歯面の洗浄消毒は、非常に大切な治療ステップといえるでしょう。
仮蓋を外します。
本症例では仮蓋を外す前から、内部の薬剤の臭いを感じることが出来ました。
使用されていた薬はパラホルムアルデヒド製剤。
薬剤が気化し、たんぱく質を凝固させることで、根管内を滅菌する薬剤です。
しかし、そのホルマリン固定作用により、根管内を消毒する薬液「次亜塩素酸」の効果を減弱させることが科学的に証明されています。
また、本症例のように、内部が膿んでいる症例では、内圧が高まり、強い痛みの原因となりかねません。専門医の間では使用しない薬剤です。
根管内にはむし歯が認められました。これでは痛みはひきません。感染はしっかりと取るべきでしょう。
「歯がズキズキ痛い、顔が腫れてきた」こんな時は上の4つに分類されます。
①~③は、炎症による歯の内部の圧力亢進、壊死による免疫機能低下による排膿圧の亢進を取り除けば、即日痛みはおさまります。
④はすぐに治療してはいけません。この4つのどれに当てはまるのか?適切な診査・診断と適切な治療法により、痛みはすぐに治まります。
本症例は②に該当します。
根管内圧を下げ、根管内をキレイにすれば、痛みは無くなります。
根管内圧を上げるパラホルムアルデヒド製剤は痛みを強くします。早々に取り除き、薬剤を変更する必要があります。
根管治療は云わば「えんとつ掃除」です。
えんとつ内壁にこびりついた「スス」を削り取るように、根管内壁に感染した細菌を削り磨き、消毒するのが根管治療です。
本症例、下顎大臼歯には3つのえんとつ(根管)があります。その湾曲したえんとつを極細の器具を使用してキレイにします。
歯根の先端、下部1/3の根管形態は複雑で湾曲しています。当院では柔軟性のあるニッケルチタン製器具 6種類を使分けて清掃します。
えんとつ内の「スス」を掃除するように、根管内壁を削り磨き洗浄します。200~300ミクロンの直径を400ミクロンまで拡大し、薬液を行き渡らせます。
本症例には3つのえんとつ(=根管)があります。動画は、そのえんとつ内壁のスス(=細菌)をキレイにした状態です。
根管治療が終了し、根管内がよく観察できるようなってから、「歯が折れている」か否かを診査します。
ヒビのように見える黄色の点線は、根管の入り口、黄色の矢印部で消失しています。
歯は折れていなかったようです。
抜歯を決断する前に、マイクロスコープを活用した適切な根管治療を行うことで、適切な診断が可能となる良い1症例といえるでしょう。
根管内を薬液で洗浄した後は、残った洗浄液を紙製のペーパーポイントでしっかり吸い取り、根管内をキレイに乾燥させます。
1回目の根管治療は終了です。
根管内には水酸カルシウムを貼薬します。
治療後は、次回の治療まで、感染させないように水硬性セメント3mmの厚さを確保しつつ、グラスアイオノマー系レジンセメントで2重に蓋をします
ラバーダムを装着せずに長期間・複数回に渡る根管治療は、感染の機会を与えかねません。
根管治療は感染を取り除く治療です。当院では1~3回で治療を完了します。