根管治療。
・何度通っても治らない
・いつ終わるのかわからない
こんな思いをしたことはありませんか?
本動画では、上顎小臼歯の根管治療をマイクロスコープで撮影し、その様子を
分かりやすく解説しております。
治療回数は1~3回、治療期間は1週間に一度のご通院ならば、1カ月弱。治療時間は1回当たり30分~1時間です。
お口を開いている時間は長くて大変ですが、治るならば皆さん頑張れるようです。
当院の治療内容を知っていただくことで、そんなご不安も和らぐことでしょう。
ぜひご活用ください。
他院で根管治療後、痛みが治まらず、詳しい歯科医院で診てもらいたいとのご希望を胸に当院を受診された患者様。
まずはかみわあせを診査します。
当院では、その後、クラウンを被せる治療となる症例では、上下かみあわないように調整します。本症例では、カチカチでもギリギリでも治療中の歯は接触していました。治療途中で痛みのある歯が接触すると、治癒を阻害します。
また治療中の仮封(仮ふた)も不十分です。根管治療は、歯の内部の感染を取り除く治療です治療期間中は感染しないようにしっかりと仮封する必要があります。
まずはかみあわせを調整しつつ、周囲のむし歯を取り去り、根管治療しやすい環境をつくります。
治療中の唾液感染を予防する「ラバーダム」を装着します。
治療中に治療している歯に唾液が接触することは治癒を阻害するばかりでなく、再感染の機会を与えかねません。
徹底した根管治療にはラバーダムと、術前の消毒が必要不可欠といえるでしょう。
前医の詰めた仮封材(仮ふた)を削り取ります。
むし歯は歯の上部から下部へと感染を拡げていきます。
根管治療も上部から下部へ進めていきます。まずは①部分の感染を取り除きます。
2つの根管が認められます。根管治療はこの根管内の感染を取り除く治療です。
根管治療はえんとつの掃除に似ています。
根管は「えんとつ」のような構造です。
えんとつの内壁にこびりついた「スス」を掃除するように、根管内壁に感染した「細菌」を削りとり、洗浄・消毒します。
根管の数、形態は非常に複雑です。術前にCTを撮影することでその数・形態を明確に把握することが可能です。
レントゲンでは重なって見づらい部分もCTでは明確に診査することができます。このCT立体画像で概略を確認し、黄色の平面で切った断層画像で更に精査します。
本症例は2つの根管が認められますが、実際は2つが1つにまとまる複雑な根管形態をしています。
根管治療にCTを活用することで、あらかじめ複雑な根管形態であることを知り、治療に臨むことが可能となります。
本症例、小臼歯を横から見た図です。マイクロスコープの画像は、図中の水色矢印方向
から見た画像です。
根管の入り口は2つの赤矢印になりますが、先端はつながっています。このような症例の根管治療では緑矢印部の感染も疑われます。
ニッケルチタン製の器具(ファイル)を使用して2つの根管の入り口から、それぞれの根管内壁の感染を清掃消毒します。
2つの根管が癒合している部分に感染が残っている可能性を疑い、癒合部分を清掃、消毒します。根管内に薬液を十分満たし、繰り返し繰り返し音波洗浄・消毒します。
2つの根管の癒合部を取り除き、2つの根管を1つにします。根管内の清掃・消毒が終了した状態です。
最後は水酸カルシウムを貼薬し1回目の根管治療は終了です。次回は根管充填の予定です。
むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。
● 不十分な仮封材、長期間
● 複数回にわたる根管治療
● とくにラバーダムを装着しない奥歯の根管治療
これらは、治療中に患歯に唾液が接触し、細菌感染の機会を与えるばかりでなく治癒を阻害しかねません。
感染を取りきれば、感染させないように治療すれば、少ない回数、短い期間でも根管治療は終了可能です。