根管(根幹)治療後 痛みの続く 痛みがとれない なぜ その原因?

根管治療後、痛みの長引く症例について解説致します。

この内容は以下の動画、当院のYoutubeチャンネルに頂いたご質問に回答させて頂いた内容を転記したものです。

下の①~⑦のようなケースがつ、治療後に痛みや違和感がしばらく続く症例です。

でも、ご来院頂いた時よりは格段に痛みは和らぎ、違和感に近い痛みのようです。

具体的には強くかんだ時に違和感と軽い痛みでしょう。

このようなケースでは、当院での根管治療後、つまり根管充填後、『1カ月~3カ月』で症状はなくなります。

長引く期間はそこまでです。

もしそれ以上の場合は、違う疾患を併発しているか?そもそも当院の初診時の診査に間違いがあった?ということでしょう。

そのような症例はほとんどありませんが、その場合はその原因に対してあらためて診査診断し、患者様にご説明の上、治療に臨みます。

(これは再根管治療ということではなく、かみあわせや歯周病、抜歯といった別の治療法です)

ではここで、痛みの長引く可能性のあるケースについてご説明させて頂きます。

痛みが長引くケースには、以下のような理由があります。

①むし歯が取り残されている単純な症例
②むし歯が取り残されていて尚且つそれが取りづらい症例(複雑な根管形態)
③むし歯が深かったことや治療により、歯に穴が開いてしまっている症例
④ファイルが折れてしまっている症例、それが取りづらい、取れない症例
⑤度重なる根管治療の繰り返しにより、歯が壊れている症例
⑥感染が歯の内部を超え、歯の外部の組織に及んでいる症例
⑦残っている歯根の厚みが薄くヒビのようなものが見える症例

①は「ラバーダム」と「マイクロスコープ」で通常の根管治療を施せば治ります。

急性の症状を伴って(ズキズキ痛む、噛むと痛くて噛めないなどの強い痛み)で来院されてる場合は、根管充填後1~3カ月は違和感があるようですが、徐々に改善するようです。

②この症例も①同様長引きます。このような症例のほとんどは「歯根の先端が湾曲、曲がっている」症例です。器具で感染を取り除くのが非常に難しいのが特徴です。

このような症例は「かみしめん」「くいしばり」をする患者様に非常に多く拝見します。④の症例につながる症例ともいえるでしょう。これにつきましては、この動画でご説明させて頂いております。

③このような症例はその穴をMTAという薬剤で埋めて修復します。穴から外部に感染が拡がっている症例では、治療後、噛んだ時の違和感が残る症例もあります。

④上の動画でご説明をさせて頂いております。

また、このような症例では、そのファイルを取るか否かがポイントとなります。これにつきましては、
『根管内で破折・折れた器具(ファイル)は取り除かなければならないのか?』
このリンクをご活用下さい!

根管治療 ファイル 折れた 東京都内内幸町虎ノ門新橋霞ヶ関の歯医者歯科

⑤むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。

早々の治療であればその感染を取り除けますが、繰り返し繰り返しや放置した症例では、その感染が象牙質内に浸潤・浸透感染しており、それを取り除こうとすればするほど、歯は薄く原型をとどめないほどになってしまっていることがあります。

度重なる消毒薬剤の使用や、銀合金によるメタルタトゥーなども歯を痛める原因のように感じております。

そのような症例では「歯が構造的にも、器質的にも」壊れており、適切な治療を施していても、強くかんだ時の違和感が残るようです。

⑥このような症例では、適切な根管治療を施したうえで、歯根端切除術を行います。

歯根端切除術 (都内港区内幸町新橋虎ノ門日比谷霞ヶ関歯科歯医者日比谷千代田区)

こちらのリンクをご参照下さい。ご説明をさせて頂いております。

⑦このようなケースでは、「ヒビが開かない限り」「マイクロスコープ」でそれが確認できない限り、適切な再根管治療を施しています。

患者様にはその点お話しさせて頂いて上で、つまり「歯が折れているかもしれない、再根管治療を施したとしても、症状は改善しないかもしれない。

またその後に土台(コア)をたてて人工歯を製作しても、歯根が折れてしまうかもしれない」ことをご説明させて頂いてから治療に臨んでいます。

このような症例ではのちに違和感や痛みが生ずる場合があるかもしれません。

回答は以上となります。

この回答が、根管治療後にお困りの患者様に「一筋の光」となってくれれば有難い限りです。

宮﨑歯科医院 Youtubeチャンネル