かみあわせ 歯が割れるリスク つめもの 被せもの

当院のYoutubeチャンネル、上の動画に頂いたご質問とその回答について供覧させて頂きます。

ご質問内容は、かみあわせにより「つめもの」「かぶせもの」が壊れるリスクについてです。

当院の見解を回答させて頂いております。

ぜひご一読下さい!

わかりやすく丁寧な動画ありがとうございます。

かみ合わせが原因の可能性がある歯をまた詰め物で治すのは歯が割れてしまったりするリスクなどが高いのではないかと心配になるところがあるのですが先生はどうお考えでしょうか。

以前神経を抜いた歯は強度に問題があるので被せ物にしましょうというお話を聞いたことがあります。

コメントありがとうございます。

皆さんが感じる、心配する大切なポイントについて的確なご質問を頂きまして誠にありがとうございます。回答させて頂きます。よろしくお願い致します。

「“かみあわせが原因”で治療することになる症例とはどんな状態か?」

まずはこの前提条件を明らかにしなくては、ご質問に対する明確な回答になりません。

この前提条件を揃えさせて頂きたいと思います。

噛み合わせが原因で起こる病状として、

・奥歯にヒビが入り、そのヒビに細菌が感染しむし歯となる。
・治したインレー付近が”噛みしめ、歯ぎしり”などによりすり減り欠けて、そこからむし歯になる。
・かみしめ、くいしばりなどでエナメル質が欠けてしみる(そこからむし歯になる)。
・かみしめ、くいしばりなどの強い慢性的な持続的な力により、歯の神経が炎症を起こし、歯髄炎。根管治療が必要となる。
・かみしめなどにより歯が折れる

このような病状が挙げられます。

ではこのような病状となる「かみあわせ」とはどんな状態でしょうか?

これには大きな1つの原因と、それにより悪化し易い”歯並び“があります。

① 精神的ストレスに起因する”歯ぎしり、くいしばり、かみしめ“
② 奥歯ばかりがいつも接触してしまう”歯並び“

この2つが重なると、“噛み合わせが原因で”、むし歯治療を繰り返すことになります。

むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症であるため、しっかりとブラッシングしていれば、むし歯にはならないはずです。

しかし、”歯ぎしり、くいしばり、かみしめ“が習慣化している方は、歯に小さなヒビが入り、その隙間に細菌が感染し、”むし歯と同じようは病状“となります。

このような患者様は、いくら一生懸命歯ブラシしても、意味はありません。

原因は細菌の感染ではなく、ご自身でがちがち、ギリギリ噛んで、歯を痛めているからです。

それをやめない限り、このむし歯のような病状は続くことになります。

このような患者様に特徴的な”歯並び“が以下のような歯並びです。

チェックしてみて下さい。

①奥歯でカチッと噛んで下さい、奥歯は当たっていますか?

②そこからギリギリと下あごを横に動かして下さい、奥歯はあたっていますか?

かみしめが常習化している方、歯が欠ける方、詰め物が良く外れる方は、①②ともに奥歯がいつも接触しています。

これは異常な接触です。

通常、健康な、正常な歯並びは以下のリンクをご参照下さい。
https://miyazaki-dentalclinic.com/11517

健康な方は、カチッと噛んだ時に奥歯があたり、ギリギリした時は犬歯が当たり、奥歯は当たりません。前に動かした時は、前歯が当たり、奥歯は当たりません。

このようにして、歯は、前歯と奥歯で力を逃がし合い、歯を痛めないようにしているのです。

ご質問頂きましたメールの文章を読み直してみましょう。

「かみ合わせが原因の可能性がある歯をまた詰め物で治すのは歯が割れてしまったりするリスクなどが高いのではないかと心配になるところがあるのですが先生はどうお考えでしょうか。」

噛み合わせの原因の可能性がある患者様では、どんな詰め物・被せものを入れたとしても、リスクは高いということです。

詰め物を入れたから歯が割れるわけではなく、
①精神的ストレス
②歯並び

この2つに対する問題解決案、治療を施さないことには、歯が割れるリスクを小さくすることはできないのです。

但し、治療する際に、できるだけ歯に負担を掛けない、かかったとしても歯が割れづらいように詰め物被せものを製作する配慮は可能です。

当院の動画をご覧頂くと分かって頂けるかと思いますが、私は治療前に必ずその患者様の「かみあわせ」を精査しています。このステップが非常に大切です。

しかしこの対策もある意味妥協案であり、原因を根本解決していることにはなりません。

ではどうするか?
①生活習慣、姿勢、ストレスコントロール
②歯列矯正

この2つです。

かみあわせについてはこちらをご参考下さい!

かみあわせとはなにか?東京都内 内幸町 虎ノ門 霞ヶ関 新橋 歯科歯医者

またもうひとつとてもとても大切なこと。

これが「笑顔」です。

歯科医院への通院は心配の連続です。

当院では出来る限り、その負担を軽減して頂きたいと思っております。

せめて治療は痛みなく、この医院に通院してれば希望が持てる!と思っていただきたいといつも願って診療しております。

これから受ける治療を出来る限り予測できるように、実況中継するかのように治療に臨んでいます。

皆さん、私がべらべらとしゃべりながら治療するので、少しですが、楽しまれているようです。笑顔でお帰り頂いております。

こんな精神的負担も大切ではありますが、具体的な治療法も患者様としては欲しいところでしょう。

そもそも歯医者さんには来ない方が良いのです。歯は削らない方が絶対にいいのです。

しかし削らないと感染部位は取れない。このジレンマがあります。

そこでマイクロスコープです。

「むし歯が取り残すことなく徹底的に削り取ると共に、健全な部分は徹底的に削らない」

これを達成するためには肉眼による診査では不十分です。
マイクロスコープが絶対に必要です。

また感染を取り除く際、再感染させないラバーダム、これも絶対に必要です。

再治療は悪です。また削らなくてはなりません。

これを具体的に達成することで、「できるだけ歯を削らない治療」が実現できます。

つまりご自身の歯をより多く残せるということ、つまりは歯が欠けたり折れたり割れたりしない”確率“”可能性“がより高まるということです。

また歯の神経を取った後、つまり根管治療後の治療法としては、可能な限り削らない治療が必要です。これにつきましては以下のリンクをご参照下さい。
https://miyazaki-dentalclinic.com/26130

でもそもそも根管治療に至らないことがとても大切です。

そのためにも以下の表をご参照頂き、早い段階で「歯の神経を残す治療」をご提案できるようにしています。
https://miyazaki-dentalclinic.com/24628

日本の歯科治療、保険医療制度はだれでもが利用できる大変簡便なシステムです。
しかしその反面、歯を削ることに対し、歯科医師も患者様も「安易な印象」を感じてなりません。

削って被せれば治る、セラミックなら大丈夫。

こういったものに頼る対症療法ではなく、なにに原因があるのか?それをどのようにすれば解決できるのか?つまり予防するためにはどうすればいいのかに焦点を当てた治療がとてもとても大切ではないかと感じている次第です。

歯は削らない方が良いのです。

例えのちにインレーやクラウン、歯が欠けたとしても、治してあげればいいのです。
それでもなお、歯は削らない方がいいのです。

我々が日々生きていく中、共に食いしばり頑張ってくれている仲間、それがご自身の歯です。

自分に優しくすると共に、歯にも優しく寄り添って、何かあったら少しずつ治してあげること。

これにはご自身だけでなく、それをできる歯科医師の存在が必要であり、そうなりたいと願っているのが当院のスタッフであり私自身の目標です。

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