日別アーカイブ: 2019年3月5日

神経残す治療後に根管治療 (都内港区内幸町新橋虎ノ門日比谷霞ヶ関歯科歯医者日比谷千代田区)


痛みなどの症状はありませんでしたが、下レントゲン写真でも明らかな”むし歯”があり、治療をすることとなりました。
患者様には、「神経を残す治療を行いましょう。もし神経が死んでしまっているようであれば根管治療に移行します」とご説明させていただき治療に臨みました。

その治療の様子が上動画です。

神経を残すべく治療に臨み、MTAによる直接覆髄法を行いました。その際、神経(=歯髄)の状態をマイクロスコープで確認し、血流を確認しましたが、止血時間が長く、5分以上経過してもじわ~っと出血する状態でした。術前に痛みなどが全くなかったことから、希望的観測よりMTAを貼薬し、その日は治療を終了しました。

後日、来院された時に症状を伺うと、持続的に違和感とじわーっとした痛みが続いているとのことでした。自発痛と軽い咬合痛があったため、患者様にご説明させて頂き、根管治療を行いました。

「術前に症状がなかったが、止血時間は長く、完全なる止血はしていなかった」ことより、神経は歯髄炎の状態にあったことが疑われます。軽度であれば感染を取り除くことで消炎しますが、本症例ではそうなりませんでした。その一因として、患歯側(左側)は下顎頭が変形しており、かみしめの傾向があったものの、かみあわせはそのままとしていたことで、術後に過剰なる咬合力が加わり、歯髄炎を強くしてしまったのかもしれません。

成書には「止血が困難な症例では、根管治療とする」という記載もありますが、症状がないこと、患者様の神経を残せれば残したいとの「希望」が、このような結果になったのかもしれません。

当院では多くの患者様に「神経を残す治療」を行っておりますが、『むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症』であるため、免疫力の低下やかみわあせなど、他因子が加わることで、その治療の成否に影響を及ぼすことがあります。本症例のように全力を尽くしても、根管治療が必要となる症例もあります。術前に、根管治療が必要となる可能性を必ず説明させて頂き、患者様にご理解頂いておりますが、申し訳ない気持ちになってしまいます。

本症例では後日適切に根管治療を行い、1回で根管治療は終了しています。
痛みはすぐに改善します。

深いむし歯をすぐに根管治療するのではなく、できるかぎりその時期を遅らせるために「神経を残す治療」を行うことで、その歯の寿命は長くなり、自身が生きている間に健康な歯で食事ができる時間が長くなります。たとえ将来、根管治療になったとしても、「神経を残す治療」でその歯の寿命は長くなっているのです。

当院では少しでも歯の寿命を永く、できるかぎり自分の歯で食事が美味しくできるよう日々の臨床に取り組んでいます。

3月6日(水)は10時~の診療です

3/6(水)は10時からの診療となります。
よろしくお願い致します。