右下奥歯のむし歯を原因として頬から顎下部(顎の下)まで腫れて来院された患者さまの根管治療。来院時に心臓の鼓動に一致したズキズキとして痛みがありました。麻酔を効かせ、ラバーダムを装着し、むし歯を除去すると、歯の内部から排膿(膿がでること)と出血がありました。急性炎症時(ズキズキした痛みがある時)は麻酔が効きづらいことがあ
ります。麻酔を効かせ、根管内より出血・排膿させることで、痛みが和らぎます。
マイクロスコープにて根管内を清掃します。下顎第一大臼歯は、3根管(3つの神経)であることがほとんどですが、この症例では、近心2根管がフィンで結合しつつ2根尖、遠心2根管はフィンで結合し、フィンを超音波チップにて丁寧に除去することで、実は1根管という変形根管でした。
むし歯が深く進行し、根管内で炎症を起こし、膿が発生するも逃げ道がなく、その逃げ道として、歯周囲の頬へと膿が波及、”腫れる”という症状とズキズキする痛みが発症していました。膿の出る道をつくってあげることで、痛みは和らぎますが、根管内へ感染した細菌を除去せずに治癒はありません。根管内を徹底的にキレイにします。
感染汚染された根管内を削りとり、薬液を使用して洗浄します。薬液にはNaOCl(次亜塩素酸)を使用します。次亜塩素酸には最適な有効塩素濃度が存在します。強すぎると組織為害性があるため、当院にて最適な有効塩素濃度に調整し使用しています。
またこのような薬液が根管内に到達するためには、ある程度の根管内の太さが必要です。その太さは、#40(0.4mm=400μm)以上大きさが必要であると文献にあります(Ram et al 1977)(Zahnder 2006)。
上写真は、ニッケルチタンファイル06テーパーにて根管内を拡大清掃が終了した状態です。排膿出血もおさまり、痛みは緩解しています。
無菌的環境を整えた上での根管治療。治療のコンセプトが大切であるとともに、そのコンセプトを実現する機器器材も必要といえるでしょう。
―宮崎歯科医院について― 舩井(船井)幸雄先生の著書「退散せよ似非コンサルタント」(52頁の超プロの5条件で紹介される)や 私の知った良い歯科医師(歯医者)、信頼できる歯医者・名医として紹介され、インプラント&かみあわせ(顎関節症)治療で多くの患者さまを拝見する歯科医院です。東京都内、虎ノ門、虎ノ門ヒルズ、神谷町、霞ヶ関、新橋、港区、千代田区だけでなく関東近県、全国から患者さまが来院されるため、ご来院の際はお電話・メールにてご予約いただけますようお願い致します。インプラント、かみあわせだけでなく、マイクロスコープ・CT撮影・ラバーダム防湿を駆使した最先端根管治療・ホワイトニング・審美歯科・メタルフリー・予防歯科・親知らずの抜歯・歯周病治療・一般むし歯治療など、痛くない麻酔、痛くない治療で行っております、安心してご通院頂けます。セカンドオピニオンやご相談、メール相談も多数頂いておりますのでお気軽にご相談ください。