以前に深いむし歯治療をしたことのある歯。「下顎の第2大臼歯」の根管治療についてです。
この下顎第2大臼歯は樋状根という変形根管。
本症例の根管治療は1回、1時間で終了しました。
どの根管治療は、お口を開いていられるのであれば、1~1.5時間を1回で終了できます。(急性症状、感染が酷い状態、根尖病変を歯根端切除で対応する場合は複数回必要となります)
患者さまの症状はときどき痛むことがあったとのこと。つめものを外してみると、神経が見えている状態(=露髄といいます)。これでは痛いのも当然。露髄している部位は、肉眼ではなかなか見づらい箇所。診断は歯髄壊死。歯髄が死んでいる(壊死)状態でも、部分的に生きているような反応を検査にて示すことがあります。この症例はそれだったようです。
ゲーツグリデンドリル、#8~10のステンレススチールファイル、ニッケルチタンファイルを使い分け、根管内を清掃します。髄床底の整備には超音波チップが不可欠です。
各種器具を使用する際は、当院ではエレメントモーターを使用して、器具の破折を防止します。このようにして、根管内に次亜塩素酸薬液が浸透しやすい環境をつくり細菌(バクテリア)を徹底除去します。
本症例は樋状根、3根管が樋のようにつながった変形根管。根管内の拡大清掃がやや難しいですが、1時間で抜髄、根管内清掃、根管充填が終了です。
神経が残すにしても、根管治療をするにしても「できるだけ早く!」これが治療の成否を分けるようです。