院長ブログ

どのくらいもつのか?

生体は20歳位までは成長発育します。
しかし、それ以降は治りながらも壊れ、ひずんでいくのが現実です。

『如何に壊れないように、如何にひずまないようにしていくか?』

この考え方が、ゆるやかなエイジング(加齢)、いつまでも健康でいることの秘訣となります。

全身、口腔のひずみ方、その壊れ方には個人差があります。
生活環境や生活習慣により、エイジングの進行程度は異なります。

口腔内のことでいうならば、食品の嗜好、骨格、筋肉の状況、かみあわせ、歯の欠損状況など、エイジングの原因は多岐にわたります。

歯は毎日使用するものです。そのエイジングの速度は、生体の他部位と比較しても、比べ物にならないほど「速いもの」かもしれません。 

「治療の効果はどのくらい持ちますか?」
「保証はどのくらいありますか?」

こんなご質問を頂きます。
宮崎歯科医院では、治療内容により一定期間の保証期間をもうけています。
これから治療をする不安なお心持ちであれば、このようなご質問は当然のことかと思います。

しかし、的確にお答えするにはとても難しい質問なのです。

口内に装着する材質は、強度的には大変頑丈な素材といえます。装着せずにガラスケースの中に飾っておけば、半永久的にもつ材質のものばかりです。しかし、歯は毎日使用するものです。ハードユーザーの方もいればそうでない方もいます。

かみ合わせの検査を適切に行い、適切な治療と定期的なメンテナンスを守っていただけるのであれば長い保証が可能でしょう。

しかし、
「数年前に買った洋服を着古して、穴があいたので保証してくれますか?」

「数年前に買った靴に穴があいたので保証してくれますか? 」

こんなことは皆さん考えませんし、お店の方に言うことはないかと思います。

生体は日々変化しエイジング(加齢)するものであり、生活環境や生活習慣も変化するものです。

『生体は日々変化し、姿勢も変化する。歯は消耗するものであり、メンテナンスが必要なものである』

人はエイジングするものです。
ゆるやかにエイジングするためには、適切な治療とメンテナンスが不可欠です。

 

 

顎下の痛みとかみあわせ

左、顎下部(上写真 親指で押さえている部位)の痛みと左下の臼歯の咬合痛(噛んだときの痛み)と自発痛(なにもしないでも痛む)を主訴として来院されました。
患者さまは「リンパが腫れているのでは?」とのお考えをお持ちでした。

患者さまは矯正治療の既往があります。
かみあわせでは、右下の奥歯(写真丸印の部位)の上下が噛んでいない状態。
右下(写真では左です)の奥歯は少し内側に倒れこんでいますね。

このような状態に、右写真のような前歯だけ接触するような装置をその場で製作し装着します。

夜間睡眠中に装着していただくようお願い致しました。

2週間後、顎下部の痛みはなくなり、噛んでいなかった右下が噛むようになりました。

歯科治療は、
「炎症のコントロール」「力のコントロール」です。

痛みがあると、すべて炎症のような気がしますね。

このような症例では、原因は炎症ではなく、「力」。
「力」つまり「機能」
異常な機能が痛みを引き起こします。

目に見えない「力」の診断。大切ですね。

かみあわせと座り姿勢

「姿勢」と「かみあわせ」は密接な関連があります。
日々の生活習慣や睡眠姿勢が、「かみあわせ」に少なからずとも影響を与えていることは周知の事実となっています。

現代では、誰もが仕事でも、家でも、デスクに座り、パソコンをすることが多くなってきました。電車でも、スマホを見ながら座っている・立っている人を多く見かけます。皆さん「首を前傾させ、猫背」の姿勢となっています。

このような姿勢を予防するためにも、上図を参考に姿勢改善に努めていただきたいと思っております。
上図は、ネットより拝借させて頂きました図です。皆さんも検索頂けると沢山でてきますので、見てみてください。

姿勢改善には、 「骨盤をたてる」ことが大切です。

骨盤を立てることでの図のように、自然と背筋も伸び、姿勢を改善することができます。そのために、お尻の下に、タオルなどをおいて、骨盤を自然と前傾させるコツも大切です。
の図のように、坐骨の2点で座るという意識も大切です。

姿勢の改善が、「かみあわせ」や全身の健康に与える影響は多大なるものです。
ぜひ、お仕事中やおうちにおいても、意識・改善してみてくださいね!

また、頭頸部の痛み、姿勢のゆがみなど、かみあわせだけでなく、全身からのアプローチで改善できる症例も多数あります。
お悩みの方は、神谷町エーライフのカイロプラクティックの渡邉先生にもご相談下さい。私もお世話になっている名医です。必ず解決してくれます。

 

生体の治癒能力

口腔の「恒常性」を保つこと、これが歯科医療です。

生体には治癒能力があります。
この治癒能力の範囲内にある状態を、生体が「恒常性」を維持しているといいます。

「恒常性」とは、生体の治癒能力の振り巾の中におさまっていることでしょう。

ヒトの成長は、20歳まで。
その後は加齢とともに生体を消費することとなります。

「生きていることは壊れること」
「生きていることはひずむこと」
「生きていることは治ろうとしていること」
(筒井塾筒井照子先生のお言葉より引用)

生体は、加齢とともに、こわれ、ひずみながらも治ろうとする。

歯科医療の基本は、
「恒常性の振り巾」の中に治まっているか否かを見守り、「振り巾」から逸脱したとき、つまりは生体の治癒能力では治すことができないとき、手を加えて元の形に戻してあげることです。

この恒常性が永く維持できるようにすること、これが歯科治療の永続性につながります。

みなさんの、
かみあわせ、むし歯、歯周病、、、
恒常性の振り幅の中にありますか?
定期的にチェックしましょう。

めがね?

視力が下がってきたらどうしますか?
すぐにメガネを作りに行くでしょう。

では、目が悪くなった原因はなんでしょうか?考えた事はありますか?

先天性の弱視、遺伝的なものもあるでしょう。また、生活習慣によるものも多々あるかもしれません。
生活習慣が原因ならば、それを直さずして視力は改善するでしょうか。。。

原因もわからずに、メガネを作り、また見えなくなったとメガネを作り直す。

歯科治療も同様です。
「むし歯、歯周病になりました」
「歯を失いました」
「では歯を入れましょう」
これでは治らない。

むし歯が進行した原因はなんでしょうか?
歯周病が進行した原因はなんでしょうか?
歯を失ってしまった原因はなんでしょうか?

原因を究明せずに、その場しのぎで補うだけでは再発します。

歯科治療における「かみあわせ(咬合)」においても、
2つの咬合論が存在します。
・生理学的咬合論
・補綴学的咬合論
前者は、原因追求の咬合論であり、
後者は、どのように修復するか?の咬合論です。

病態の原因を追究し、その原因の除去する。そして、今後そうならないようにするための環境改善が「治癒」には必要となのです。

かみあわせ治療だけでなく、
・原因の究明の除去
・環境の改善
この2者が、施された治療の永続性に大きな影響を与えます。

正常とは

患者さまの「訴え」を聞くこと、とても大切です。

虫歯や歯周病は、検査やレントゲン所見より明確なことが多く、患者さまの訴えをお聞きすることも当然大切ではありますが、我々が診ただけ病態を知ることができることもしばしばです。

「かみあわせ」はそうはいきません

歯科治療では、
・むし歯
・歯周病
・かみあわせ
前2者は、細菌の感染症であり、炎症のコントロールが大切となります。
かみあわせは、「口腔機能」つまり「力」のコントロールが大切です。

そのためには、異常な「力」の結果生じた異常な「形態」を知ること、
また、異常な「形態」により生ずる異常な「力」を診ることが大切です。

この「形態異常」と患者さまの「訴え」を関連させ、病態を知ることが、治癒への近道であり、それを知ることができなければ治癒することはありません。

異常を知るためには、
『正常とは何か?』
これを知る必要があります。

右写真の模型は、正常者の模型となります。
みなさんと見比べていかがでしょううか??

徹底した診査と明確な診断に基づく治療計画が大切なのです。

かみあわせと顔の変化

筋肉は動かないと緊張します。つまり筋肉痛になる。

噛むことに関連する筋の筋肉痛には歯ぎしりが関与します。

歯ぎしりに、3種類あります。
・グラインディング(ぎりぎり)
・クレンチング(音せずにくいしばる)
・タッピング(カチカチ)

このうちの、クレンチングがくせもの(歯軋りの写真)。左右にギリギリすることなく、上下の歯がはまりこみ、食いしばるのです。筋肉は動かずに緊張する。音がすることもないために、本人の自覚もありません。

これにより、顔貌に変化が生じます。咬筋は張り、肥大することとなるのです。

右写真は元の顔の左だけを反転してつなげたもの、右だけを反転してつなげたものを示します。

生まれたばかりの時、人間は左右対称の顔をしています。
しかし、何らかの後天的因子により、このように左右差のある顔になるのです。 

顔のゆがみの原因として、
・不適切な生活習慣(頬杖や睡眠姿勢 →これを態癖といいます
・不正なかみあわせ
・口の周囲の癖
・不適切な咬み方
・不適切な歯科治療
などがあげられます。

これらはすべて、「不適切な力」であり、「不適切な形態」です。
力のコントロール、力の見える化が診査において大切です。

宮﨑歯科医院では、かみあわせ治療を行う際、このような点を診査するために、全身写真、口腔内写真、模型診査、レントゲン写真、顎関節CT撮影、問診など、様々な検査を行います。

かみあわせと顔

かみあわせ(噛み合わせ) 、咬合は、全身の姿勢のバランスを担う一つの因子です。

全身の姿勢の歪みは、かみあわせに大きな影響を与え、かみ合わせを歪ませます。

姿勢を歪ませる生活習慣、これを「態癖」といいます(筒井照子先生文献引用)

「態癖」とは、よくない睡眠姿勢や頬杖などをいい、中顔面・下顔面に外から悪影響を及ぼす力を加える生活習慣のことをいいます。

顔の中顔面は上あご、下顔面は下あごです。
そのため、あごのズレは顔の歪みを生みます。

生物の顔は、口を先端に形作られます。
頭蓋の大きさは幼少期にある程度形作られるため、口が顔の形をつくっていくのです。

つまり
『顔の成長≒あごの成長』
となるのです。

生まれた時は、左右対称なのですが、発育の過程で、何らかのつごうによりアンバランスが生じ、顔全体にもその影響が及ぶのです。

右写真は、宮崎歯科医院において、咬合治療の際に撮影する顔貌写真(前方)のサンプルです。

この顔貌写真より、
①顔貌のタイプ分類、骨格タイプ分類
②対称性、歪み
③正中と人中のズレ
④黒目の上下的な位置
⑤左右の閉眼傾向
⑥顎間高径差(眼瞼-口角間距離)
⑦耳たぶの高さの左右差
⑧鼻翼の広がりの左右差
⑨鼻唇溝の深さの左右差
⑩口角しわ
⑪上下口唇の厚み、口唇の緊張
⑫咬筋の左右差
⑬下顎の偏位、ズレ
⑭下顎の首への影
⑮僧帽筋、胸鎖乳突筋などの張り

このような「形態」を診査し、診断の一助といたします。
これ以外に、側貌写真、口腔内写真診査、全身写真(姿勢)、模型診査、顎関節CT診査を行います。

「形態」の診査は、つまり「機能」の診査であり、
「機能」の診査は、つまり「力」の診査です。

かみあわせには、様々な「力」が作用します。

見えない「力」を見える化することために、様々な診査を行い、診断の一助・治療の一助とすることが、「治癒」への近道となるのです。

治療期間の短縮

『平均寿命』
寿命は長いに越したことはないでしょう。

しかしこの『寿命』。
『寿命=健康寿命+不健康寿命』

不健康な状態で、寿命が長くても意味がありません。

こんな研究結果があります。
「残存歯数と低栄養には比例関係が存在する」

つまり、歯が少ないと、低栄養であることが多く、つまりは、病気になりやすいということ。歯が少なくなると、免疫能力の低下を促します。

噛みづらくなると、軟食傾向に陥り、炭水化物の摂取量も増えます。

「一本くらい歯が無くてもいいかな、噛めるから・・・」
歯が喪失したままでは、上記の通り、全身の健康状態に影響を及ぼします。
失った歯を適切に補うことで、サクセスフルエイジングが得られます。

歯の治療期間も同様でしょう。
治療期間中は食事がしづらくなることともしばしばです。
長い治療期間は、「不健康寿命」そのものです。

診査診断のもと、病態の原因を追究し、治療計画を立案することで、
治療のゴールが明確となります。
つまり、
無駄な治療を省き、治療期間を短縮すること。
「健康寿命」を長きものとすることに寄与するでしょう。

2~3回で終了することのできる簡単な治療ならば、詳細な治療計画は要らないかもしれません。

しかし、全顎にわたる治療ならば話は別でしょう。

小さな山に登るのなら、準備は軽装で済みますが、エベレストならば話は別。
綿密なるルート検索と周到なる準備が必要なのです。

綿密なる治療計画は、歯科治療の短縮につながり、
つまりは、低栄養となる期間の短縮、
つまりは、健康で美味しく食事ができる期間、寿命を長くすることに寄与することとなりますね。

インプラントの手術のあと

インプラント治療の際には、宮崎歯科医院にてCT撮影し、術前シュミレーションを行います。

このたびの症例は、右下臼歯部へのインプラント治療です。
前述の頭蓋写真を参照いただくと、CTの写真の概要がわかりやすくなることと思います。

CT画像上段が、シュミレーション画像。
下段が、術後に撮影したCT画像です。

ほぼシュミレーション通りに手術が完了しております。
CT診査により、インプラントを安心確実に行うことが可能です。
また、以下は術前術後の口腔内写真です。

黄色の線が術前の切開線。
術後の写真は翌日のもの。
緑の糸は縫合糸です。
翌日には切開した部位もほぼ元通りになっており、腫れや痛みもありませんでした。

インプラント治療は最初怖いものと感じるかもしれません。
本症例のKさんも同様でした。
沢山のお話と ご相談、カウンセリングにより一歩を踏み出されたKさん。
今後も頑張っていきましょう!

インプラント治療について(保険外治療・自費治療)

治療内容

人工の歯の根をあごの骨に埋め込み、それを土台として人工の歯を作製します。

入れ歯やブリッジ治療とは違い、固定源があごの骨なので、咬合力が強く、他の歯に影響なく、欠損部分に人工歯を補綴することが可能です。

標準費用(自費・税別)

45万円(1本あたり)

インプラント治療は保険が適用とならないため注意が必要です。

治療期間・回数

インプラントの治療期間は、およそ数ヶ月~半年以上(手術内容・方法による)です。治療内容は、下記の①~⑤のような流れとなっています。

①カウンセリング~治療の検査・計画

②1次手術

③2次手術

④人工の歯を作製・装着

⑤定期検診(半年に1回程度)

インプラント治療では、2回の外科手術を行います。

1次手術でインプラントの埋入を行い、2次手術で土台を設置します。この土台は、アバットメントといわれ人工の歯を装着するために必要なものです。

1次手術と2次手術の間には、埋入したインプラントと骨の結合を確認するため、約3~6ヶ月間の治療期間があります。

口腔内の状況や治療内容により異なります。

メリット

歯を欠損された患者様がインプラント治療を行うことで、再びしっかりと強く咬め、美味しく食事を楽しめるようになります。隣の歯を削る必要もなく、ブリッジや入れ歯と比較して安定性に優れています。発音がしやすくなったり、セラミック歯で見栄えよく仕上げることができるので、笑顔に自信が持てるようになったりまします。

副作用やリスク

治療には手術を伴います。重度の歯周病がある場合脱離のリスクが高くなります。体質等によりインプラントと骨の定着が困難な場合があります。骨の状態により増骨等の処置が別途必要になります。全身疾患の持病がある場合は主治医にご相談ください。

また、埋入後に口腔内の衛生管理を怠ると、インプラント周囲炎に罹り、健康な天然歯が歯周病で抜けるのと同じように抜け落ちてしまう可能性があります。

インプラント治療のリスク

インプラント治療における主なリスクは下記の3つです。

①血管損傷

②神経麻痺

③手術後の腫れ・痛み

血管損傷・神経麻痺は、血管や神経が「ドリル」や「インプラント自体」によって損傷することで起こるリスクです。インプラント手術の検査~計画を入念に行うことでトラブルを回避できます。起こった場合は、回復に数日~数週間の時間が必要です。

また、個人差がありますが手術後の腫れや痛みを伴うリスクもあります。こちらは、時間経過と共に治まっていきますが、痛みが酷い場合は「痛み止め」の服用が可能です。

※メリット・副作用・リスクには個人差があります。

インプラント治療と、他の治療との違い

「入れ歯」や「ブリッジ」は天然の歯を治療しているのに対して、「インプラント」は人工物を埋入することから、治療内容が大きく異なります。

また、「差し歯」との違いは「歯根は残っているか・いないか?」という違いです。

歯根が残る差し歯では、治療時間や治療費が短め・安めというメリットの反面、変色や歯根の割れの可能性といったデメリットがあります。